ナイロン100℃の第47回本公演が中止に、KERA「どうか待っていてください」

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今冬に予定されていたナイロン100℃第47回本公演の中止が発表された。

これは、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)が今年手がける舞台作品のラインナップの1つとして開催が発表されていた公演。KERAは「松永玲子・村岡希美の2人を中心に据え、意外な劇場で行う」という構想を語っていたが、キャストとスタッフの人数、公演内容を踏まえ、予定劇場の客席、楽屋、作業動線などを検証した結果、今回はソーシャルディスタンスの保持が困難であると判断された。

今年上演予定だったKERA作品のうち、春のシス・カンパニー公演 KERA meets CHEKHOV Vol.4/4「桜の園」、夏のcube presents「欲望のみ」に続く3作目の中止となった。なおKERAと緒川たまきによるユニット・ケムリ研究室の「ベイジルタウンの女神」は現在ツアー公演中で、10月9・10日には福岡・北九州芸術劇場 中劇場で上演される。

KERAからのコメントは以下の通り。

ケラリーノ・サンドロヴィッチ コメント

またもや中止。今年3公演めの中止が決まってしまった。楽しみにしてくださっていた方々にはまったく申し訳ない。めっきり本数減ってしまったけれど、劇団での公演は自分にとって様々な意味で特別な公演である。もしも今後限られた公演形態しか残せないとしたら、迷わず劇団公演を選ぶ。劇団で芝居を始め、劇団員と共に演劇の何もかもを学んだ私だ。劇団の活動が全ての礎なのである。

規模としては今年中止になった3つの中で最も小さな公演だったが、その「規模の小ささ」が仇(あだ)になってしまったようだ。狭い楽屋での長期公演。ならば楽屋が密にならぬようにと、公演日数を大幅に短縮した出演者4人のみによる代替公演案(別役実氏の追悼公演としての新作書き下ろし)も提出させてもらったが、こちらも「客席を削減することにより、入場料を跳ね上げないと黒字どころかトントンも見込めず、積極的にはなれない」とのことで、制作サイドによる完全中止のジャッジに従う形となった。これはもう、興行である以上致し方ないのだ。

松永玲子と村岡希美の2人を中心に据え、意外な4名の客演をお迎えした、フェリーニの「8 1/2」のような、イメージの連鎖で紡いでゆく実験作にしたいと考えていた。劇団公演としては1997年夏以来のザ・スズナリ。小空間ならではの微細な表現に満ちた作品になったに違いない。いつかきっと、スズナリで思いを果たしたい。代替案で出した公演も形にしたい。どちらも、かなり具体的に構想が固まっていただけに、残念でならない。出演を予定していた劇団員及び客演の皆さん、スタッフの皆さん、ザ・スズナリの方々、そしてお客さん。どうか待っていてください。

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