「八月花形歌舞伎」が、本日8月1日に東京・歌舞伎座で開幕した。
これは、3月から公演を中止していた歌舞伎座にとって、約5カ月ぶりとなる公演。完全入れ替えの4部制で行われ、第1部「連獅子」には
開幕に併せて、幸四郎・猿之助・愛之助・勘九郎・七之助から、動画コメントが到着。幸四郎は公演再開を迎える今の気持ちを「ついにこの日が来たという思いで幸せ」と表現しつつ、「与話情浮名横櫛 源氏店」で勤める切られ与三郎について「自分自身も錦絵になったつもりで、二枚目の役を勤めきりたい」と意気込みを語る。
「義経千本桜 吉野山」で佐藤忠信実は源九郎狐役を勤める猿之助は「タイムラグなく、お互いに“気”のやりとりができるというのが、生の演劇の魅力」と話し、「歌舞伎座は万全を期して勤めております。お客様ご自身にもマスクの着用や検温にご協力いただき、お互いに協力しながらひとつの空間を、ほんのひとときでも幸せを味わえる場所に変えていくことができれば」と感染症対策について触れた。「連獅子」で狂言師右近後に親獅子の精を勤める愛之助は「歌舞伎のない人生など考えられず、次はいつ舞台に立てるのだろうかと本当に心配しておりました」と心境を話し、「今回はきっぷが安くなっておりますので、まだ歌舞伎をご覧になったことがない若い方々にも“体験”していただきたい」と来場を呼びかけた。
勘九郎は、自身が次郎冠者役として出演する「棒しばり」について「この舞踊は私の父である(中村)勘三郎、そして太郎冠者を演じます巳之助さんのお父様・(坂東)三津五郎さんが、コンビで得意としていたもの。2人の魂を受け継いで、しっかりお客様に楽しさを届けたい」と気合十分な様子を見せる。七之助は、歌舞伎座の1月公演から半年もの間、観客の入る舞台に出演していなかったことを明かしたうえで「舞台に立つこと、それがすごくうれしいです」と微笑む。また自身が勤める「義経千本桜 吉野山」の静御前の役どころについては「品良く、そして桜の情景がお客様に見えるように、情緒ある踊りを勤めたい」と述べた。
演目の上演時間はそれぞれ1時間程度を予定している。感染症予防のため、座席は前後左右1席ずつ空けられ、1・2階の桟敷席と4階の幕見席チケットは販売されない。また現在、「八月花形歌舞伎」各演目の観劇ポイントを、イヤホンガイド解説者が案内する動画がレンタル販売されている。
「八月花形歌舞伎」
2020年8月1日(土)~26日(水)
東京都 歌舞伎座
第1部「連獅子」
作:河竹黙阿弥
出演
狂言師右近後に親獅子の精:
狂言師左近後に仔獅子の精:
浄土の僧遍念:
法華の僧蓮念:中村歌之助
第2部「棒しばり」
作:岡村柿紅
出演
次郎冠者:
太郎冠者:
曽根松兵衛:
第3部「義経千本桜 吉野山」
出演
佐藤忠信実は源九郎狐:
逸見藤太:
静御前:
第4部「与話情浮名横櫛 源氏店」
作:三世瀬川如皐
出演
切られ与三郎:
妾お富:
番頭藤八:
和泉屋多左衛門:
蝙蝠の安五郎:
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松本幸四郎が「ついにこの日が」と感慨「八月花形歌舞伎」開幕に市川猿之助らコメント(動画 / コメントあり)
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