「ドライビング・ミス・デイジー」の会見が本日6月20日に東京・紀伊國屋ホールで行われ、出演者の
本作は、1988年度にピュリツァー賞を獲得したアルフレッド・ウーリーの戯曲で、翌89年の映画版ではアカデミー賞にて作品賞を含む4部門を受賞した。時は1948年。長年勤めた教職を退いた未亡人デイジー(草笛)は、ある日運転中に危うく事故を起こしかける。母の身を案じた息子ブーリー(堀部)は、彼女専用の運転手として初老の黒人ホーク(市村)を雇うが、デイジーは乗車拒否を続け……。
3人は、それぞれ扮装姿で会見に登場。草笛と市村は、「ラ・カージュ・オ・フォール」以来、25年ぶり2度目の共演となる。草笛が、肌を黒く塗った市村に「あなた、これ似合うわよ。ずっとこれで平気」と声をかけると、市村は「ゴルフで日に焼けすぎたなあ」とうそぶきながら、「何をやっても似合うんだよ」と自画自賛。市村は続けて「この前、化粧を落とさずに帰ったら、子供に『ガングロ!』って言われた」というエピソード披露すると、そのままトークが止まらない。勢いに押された草笛が、「市村さんは何しろパワフルで、いつも噴火しているみたい。人間離れした……役者離れもした……」と感想を漏らし、会場を笑いで包んだ。
草笛は、「85歳にもなってこんな大役をいただいて、頭の中がいっぱいいっぱいです」とあわてているさまを身振り手振りを交えて表現しながら、「修羅場って言ったらいいのか……大変な思いをしていますけど、神様からいただいた大切なお仕事なので、この歳なりのやり方で一生懸命やらせていただこうと、だんだん覚悟ができてきました」と気合を見せる。
息子役の堀部が「年齢が近いこともあり、実の母がそこにいるような気持ちです」と草笛に温かい視線を送ると、草笛が「甘ったれちゃいけないって一生懸命思うんですけど、やさしい座組の皆さんにおんぶにだっこで……」と続く。すると市村が、「でも監督は怖いんだよ……。何ていう人だっけ? (背後に貼られたチラシを見て)森(新太郎)さんって人!」と冗談を飛ばし、記者たちを笑わせた。
市村はさらに、「田辺茂一さんの時代から育まれた空気が流れる、演劇の殿堂・紀伊國屋ホールでやれる喜び。若き日の野田(秀樹)くんとかつか(こうへい)さんとか観ましたね」と、この会場で上演する感慨を語りつつ、「この作品は草笛さんがこの年齢で、かつ元気だから成り立つんです。俺が85歳になったときに、この芝居ができるかっていうとできない。今後の目標ができました。草笛さんあっての『ドライビング・ミス・デイジー』です」と作品をアピールし、運転手ホークとして隣の草笛に「奥様、よろしくお願いします」とうやうやしく頭を下げた。
「ドライビング・ミス・デイジー」は、6月22日から7月15日まで東京・紀伊國屋ホール、7月17・18日に宮城・電力ホールにて。なお上演時間は休憩なしの1時間50分を予定している。
「ドライビング・ミス・デイジー」
2019年6月22日(土)~7月15日(月・祝)
東京都 紀伊國屋ホール
2019年7月17日(水)・18日(木)
宮城県 電力ホール
2019年7月23日(火)
愛知県 日本特殊陶業市民会館
作:アルフレッド・ウーリー
翻訳:芦沢みどり
演出:
出演:
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「指の先から耳の中までのしっかり塗られたメイクの所要時間は約1時間20分。「ファントムと同じくらいかかるんですよね」と語る市村正親。」「この前、化粧を落とさずに帰ったら、子供に『ガングロ!』って言われた」このへんか。
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