「東京芸術劇場芸術監督
「『東京演劇道場』オーディション / ワークショップのご報告」と題された本懇談会では、昨年2018年6月に実施が発表され、12月にワークショップオーディションが行われた、“次世代の役者・芝居人のための修行の場”、東京演劇道場の展開について語られた。
まず司会者から、今回の募集に対して、8歳から七十代後半まで、沖縄から北海道までの約1700名の応募があったことが告げられた。中には商業演劇で活躍している俳優や現役のアイドル、アナウンサー、主婦などもいたが、そこから300名がオーディションに参加。120名が2次審査に進み、最終オーディションで60名が採用された。60名のメンバーの内訳は男性28名、女性32名で、年齢は18歳から四十代まで。メンバーには俳優だけでなく演出家もいる。
野田は「オーディションは5日間やりました。『道場』がどういう形かはいまだにはっきりしてないのですが、それでもこんなに応募してくれて。オーディションで参加者たちに話したのは、今後、自分の知り合いの国内外の演出家を呼んでワークショップを行うこと。あといわゆる演劇のプラットフォームというか、出会いの場所になってほしいと思っていること。私と出会うこともあるかもしれないけれど、道場に集まった人間たちで創作が始まってもいいと思うし、別の演出家たちとやってもいい。とにかく出会う場所を提供したいということです」と話す。
今後の予定としては年に3回くらい、4・5日間のワークショップを行う計画で、その第1回が3月に実施される。「でもワークショップだけやるのも、と思うので、来年か再来年には何か1つ芝居を打てるような形になっていければ」と野田は展望を語った。
またオーディションには野田のほかに
今後のワークショップでは野田が普段、NODA・MAPのアンサンブルのために行なっているプログラムのほか、野田が若い頃に書いた作品を使う予定もある。「でも僕のやり方だけがすべてではないし、ほかの演出家の方法も見せてもらえたらなと思っています」と話し、オーディションに立ち会ったノゾエ、柴、熊林、黒田、井手、近藤もワークショップ指導に参加してもらう予定だと話す。「あと道場破りって制度を作ろうと思ってて。例えば白石加代子さんに来てもらって何かやってもらうっていうのもあるかな」と話し、笑顔を見せた。
記者から道場のメンバーに対して期待していることをと問われた野田は、「私も歳を取ったので、自分の肉体では表現しきれないことがあります。なので、若いときの私のように、“真摯な肉体”を探したいですね(笑)」と答える。
また「道場」というネーミングは、チラシデザインを手がけた佐野研二郎氏の発案だと言い、「“師範”“道場生”“道場破り”とかって、遊びができるのがとてもいいなって。そこからアイデアが浮かんできましたね」と楽しげに語った。
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