宝塚雪組が轟悠と共に挑む「凱旋門」東京へ、望海風斗「どんと構えて」

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宝塚歌劇雪組「ミュージカル・プレイ『凱旋門』-エリッヒ・マリア・レマルクの小説による-」「ショー・パッショナブル『Gato Bonito!!』~ガート・ボニート、美しい猫のような男~」の東京公演が、本日7月27日に東京・東京宝塚劇場で開幕。これに先駆け同日、同劇場で通し稽古と囲み取材が行われた。

脚本を柴田侑宏、演出・振付を謝珠栄が手がける第1幕の「凱旋門」は、2000年に雪組で初演され、主演の轟悠が文化庁芸術祭賞演劇部門優秀賞を受賞したミュージカル。ドイツからパリに亡命してきた外科医ラヴィックとジョアンの恋を軸に、運命に翻弄されながらも懸命に生きる人々の姿を、シャンソンをモチーフとした音楽と共に描き出した人気作だ。出演者にはラヴィック役の轟をはじめ、ラヴィックの友人ボリス・モロゾフ役の望海風斗、ジョアン役の真彩希帆らが名を連ねている。

本作のストーリーは、1938年のヨーロッパをイメージした舞台装置を背景に展開する。舞台全体の薄暗さや、暗い色味の衣装をまとった出演者たちの合唱、時折舞台上に現れる秘密警察たちのダンスによって、第二次世界大戦前夜の不穏な空気が表された。

轟はスマートな佇まいを見せつつ、身を潜めて暮らすことを強いられる亡命者ラヴィックの苦悩や、彼がジョアンを強く求める心情を繊細に演じる。狂言回し役でもあるボリス役の望海は、ダイナミックなダンスとパワフルな歌声を堂々と披露。真彩はジョアンがラヴィックに思いを寄せる様子を、可憐な笑顔を浮かべながらまっすぐに表現した。

第2幕の「Gato Bonito!!」は、藤井大介が作・演出を務めるラテンショー。きらびやかな衣装をまとった出演者たちは、タンゴやサンバ、さらにはジャズ調など多彩な楽曲群が流れる中、情熱的なパフォーマンスを披露する。ショーに登場する猫耳を着用したキャストたちの、息の合ったダンスにぜひ注目しよう。

通し稽古後に実施された囲み取材には、望海と真彩が出席。望海は「台風も来ていて心配ですが、千秋楽まで熱い舞台をお届けしたいと思います」と天候に触れながらコメント。続いてやや緊張した様子の真彩が「皆様、本日は東京宝塚劇場にお足をお、お運びくださいまして……」と口ごもると、隣の望海が吹き出して会見場を和ませる。これを受けた真彩は恥ずかしそうに笑いながら、改めて「暑い中来てくださるお客様に楽しい舞台をお届けできるよう、精一杯がんばりたいです」と意気込みを語った。

望海は「凱旋門」の見どころを尋ねられると、専科の轟と美穂圭子が出演していることを挙げて「お二人が作り出す空気に、今の雪組生がどれだけ食いついていけるかを見ていただきたい」とアピール。轟演じるラヴィックと自身の演じるボリスとの関係性については「謝先生は『ボリスはアスリート系で、ラヴィックは理系』とおっしゃっていました。轟さんは大先輩ですが、ボリスはどんと構えてアドバイスできるような雰囲気を出せたら」と抱負を述べる。

続けて望海は「美しい猫のような男」と副題が冠された「Gato Bonito!!」を「カラッと汗をかいてデトックスしていただける熱いショー」と紹介。「猫は暑さに強いイメージがないので、“猫×夏×ラテン”ってなかなか想像がつきませんが……」と笑いつつ、「ショーでは『にゃー!』とか言いますが、人間の使わない言葉を発するとテンションが上がるので、猫の力を借りてがんばります」と力強く語った。

真彩は「凱旋門」について「轟さんと美穂さんにお力をいただき、毎日勉強させていただいています」と真摯に述べ、自身の演じるジョアン役を「いつも自分の気持ちに素直でいる女性」と分析。役を演じる上では「ラヴィックを思う心を大事にしています」と語った。またショーではタンゴに挑戦していることを挙げ、「毎日発見があります。東京千秋楽までどんどん進化して、望海さんに『いい女になったね』って言ってもらえるようになりたいです」と笑い交じりに望海に視線を送る。これについてコメントを求められた望海は「もっと(“いい女”になって)いくんじゃないかと思います(笑)」と切り返し、会見場は笑いで包まれた。

宝塚歌劇雪組「ミュージカル・プレイ『凱旋門』-エリッヒ・マリア・レマルクの小説による-」「ショー・パッショナブル『Gato Bonito!!』~ガート・ボニート、美しい猫のような男~」の上演時間は、休憩30分を含む3時間。公演は9月2日まで行われ、千秋楽には全国各地、香港、台湾の映画館でライブビューイングが実施される。

宝塚歌劇雪組「ミュージカル・プレイ『凱旋門』-エリッヒ・マリア・レマルクの小説による-」「ショー・パッショナブル『Gato Bonito!!』~ガート・ボニート、美しい猫のような男~」

2018年6月8日(金)~7月9日(月)※公演終了
兵庫県 宝塚大劇場

2018年7月27日(金)~9月2日(日)
東京都 東京宝塚劇場

「ミュージカル・プレイ『凱旋門』-エリッヒ・マリア・レマルクの小説による-」

脚本:柴田侑宏
演出・振付:謝珠栄
出演:轟悠望海風斗真彩希帆 ほか

「ショー・パッショナブル『Gato Bonito!!』~ガート・ボニート、美しい猫のような男~」

作・演出:藤井大介
出演:望海風斗、真彩希帆 ほか

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