世界レベルの完成度目指す「ピーターパン」吉柳咲良、共演者の言葉に感激

ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」の製作発表が、本日7月4日に東京都内で行われた。

38年目の上演となるブロードウェイミュージカル「ピーターパン」では、昨年2017年版に続き、演出を藤田俊太郎、ピーターパン役を吉柳咲良が担当。本日の会見には、藤田、吉柳に加え、キャストの河西智美、莉奈、入絵加奈子、久保田磨希、ISSAが役に扮した姿で登場した。

会見冒頭では、ピーターパン役の吉柳が元気いっぱいにパフォーマンスを披露。劇中歌「I’m Flying」を歌い終えた吉柳は、ホッと胸を撫で下ろすと、「『ピーターパンは永遠に少年だけど、子供のまま成長している』と藤田さんがおっしゃっていて。私もこの1年間レッスン積んできたので、成長したところをお見せしたいです」と意気込みを語る。また藤田は「目を覆いたくなるような、耳を塞ぎたくなるような出来事が世の中にあふれていますが、そんな今だからこそ、永遠に続く美しい『ピーターパン』の世界を描いていきたいです」と笑顔で答えた。

フック船長 / ダーリング氏の2役を演じるISSAは「このお話をいただいたとき、俺でいいのかなと戸惑いましたが……」と前置きしつつ、「メイクをして衣装を着て、スイッチが入りました。一生懸命やらせていただきます」とコメント。かねてより本作のファンだったというウェンディ役の河西は「ウェンディ役をやりたいと願ってきたので本当にうれしいです。今度は私が、子供たちや大人の方々に『ピーターパン』の魅力を伝えていきたいと思います」と抱負を述べた。

「タイガー・リリーに密かにあこがれていた」と告白したのは、同役を務める莉奈。「まさか演じさせていただけると思っていなかったので、驚きと喜びで胸がいっぱいです。お子さんにカッコいいと思ってもらえるようなタイガー・リリーを演じられるようがんばります」と感慨深げに語り、続くダーリング夫人役の入絵は「今年の『ピーターパン』はバージョンアップして素晴らしいです！ 藤田さんの演出もブラッシュアップされていますし、なんと言っても1人ひとりのキャラクターが、それぞれの演じる役にぴったり。かく言う私は藤田さんから『グレース・ケリーのような感じでお願いします』と言われました（笑）。一生懸命、“心”で演じてまいります」とはにかんだ。

ライザを演じる久保田は「演出の藤田さんから『世界レベルの完成度（のピーターパン）を目指す』という言葉をいただいて。難しいことではありますが、今年のカンパニーはその目標に向かって邁進しています」と明かすと共に、自身が演じるライザの役どころについても言及し、「今年の『ピーターパン』はライザの目線から見た作品になっています」と17年版の特徴を挙げた。

前回との演出の違いについて問われた藤田は「俳優たちが魅力的なので、彼らが躍動する場所を作るために舞台美術を減らしました」と述べつつ、先ほどの久保田の発言に付け加え、「飛び出す絵本ならぬ、“飛び出す舞台”から俳優たちが飛び出してくるような作品にできればと思っていて。その中で、物語を始めて終わらせる役どころを、久保田さん演じるライザに担っていただいています」と構想を明かした。

会見の最後、共演者のISSAと河西から「咲良は本当にがんばり屋さん。咲良が1人で考え込まないようにするのが僕の仕事」「ウエンディとして、咲良ちゃんを隣で支えたい」と声をかけられた吉柳は「これ以上聞くと泣いてしまいそうです……期待に応えられるようにがんばります」と感極まった様子で答えた。

ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」は、7月21日から8月1日まで東京・東京国際フォーラム ホールCにて上演。その後、8月12日に大阪・梅田芸術劇場 メインホール、22・23日に石川・金沢歌劇座、25・26日に愛知・御園座で公演が行われる。