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初期衝動を別の力へ“変換”、キュイ「きれいごと、なきごと、ねごと、」開幕

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青年団リンク キュイ「きれいごと、なきごと、ねごと、」より。(撮影:大橋絵莉花)

青年団リンク キュイ「きれいごと、なきごと、ねごと、」より。(撮影:大橋絵莉花)

青年団リンク キュイ「きれいごと、なきごと、ねごと、」が、4月6日に東京・アトリエ春風舎にて開幕した。

2012年に初演された本作は、三姉妹の衝突を巡る物語。拒食症と過食症をメインテーマとして扱い、アイデンティティの崩壊をどのように食い止めるのか、ジェンダーの違和感をどのように解消すればいいのかが描かれる。なお公式Twitterでは、「演出の都合上、最前席の場合、布やおもちゃが飛んでくる場合がございます」と観劇上の注意がアナウンスされている。

開幕に際し綾門は「櫻井さんの演出は、初演の時の初期衝動を殺すことなく、全く別の圧倒的な力へと変換してくれました」とコメント。櫻井は「あらゆる自意識に苦しんできたわたし自身の思春期を救おうとジタバタもがいた結果、一寸の光が見えたような気がします」と手応えを語っている。

上演時間は約85分。公演は15日まで。なお4月9日19:30公演には綾門と櫻井、4月10日19:30公演にはヌトミック / 東京塩麹の額田大志が参加するアフタートークが実施される。

綾門優季コメント

「きれいごと、なきごと、ねごと、」は迷う余地なく男性憎悪に満ち満ちています。「そこまでしなくても…」という気持ち悪すぎる男性の造形、「そこまで言わなくても…」という男性への痛烈な罵倒、被害妄想にも近いこの戯曲を書いた当時の僕は、間接的な自殺をしたかった、自殺する勇気なんてないから演劇で自殺したことにした。櫻井さんの演出は、初演の時の初期衝動を殺すことなく、全く別の圧倒的な力へと変換してくれました。

櫻井美穂コメント

戯曲の中で自意識にブクブク溺れている全キャラクターの欲望を、全肯定したいと強く思いました。うつくしいことや醜いこと、認められたい自己や許容できない他者、なりたい形にはなれないのに、希望しない形に押し込められてしまうこと。なにもかもを飲み込むことは難しいですが、あらゆる自意識に苦しんできたわたし自身の思春期を救おうとジタバタもがいた結果、一寸の光が見えたような気がします。

青年団リンク キュイ「きれいごと、なきごと、ねごと、」

2018年4月6日(金)~15日(日)
東京都 アトリエ春風舎

作:綾門優季
演出:櫻井美穂
出演:尾崎宇内折舘早紀小寺悠介、寺田凜、中藤奨大橋悠太
※尾崎宇内の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。

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