拒食症と過食症を巡る三姉妹の衝突、キュイ「きれいごと、なきごと、ねごと、」

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青年団リンク キュイ「きれいごと、なきごと、ねごと、」が、4月6日から15日まで東京・アトリエ春風舎で上演される。

青年団リンク キュイ「きれいごと、なきごと、ねごと、」チラシ(宣伝美術:原田くるみ)

青年団リンク キュイ「きれいごと、なきごと、ねごと、」チラシ(宣伝美術:原田くるみ)

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2014年に上演された「きれいごと、なきごと、ねごと、」より。(撮影:大橋絵莉花)

2014年に上演された「きれいごと、なきごと、ねごと、」より。(撮影:大橋絵莉花)[拡大]

2012年に初演された本作は、三姉妹の衝突を巡る物語。拒食症と過食症をメインテーマとして扱い、アイデンティティの崩壊をどのように食い止めるのか、ジェンダーの違和感をどのように解消すればいいのかが描かれる。

平穏な家庭を維持することに諦念を抱く長女、愛情を寄せられないことに不満を募らせる次女、男性に迫られやすい自らの資質に拒絶感を覚える三女。それぞれの思春期ならではの想いは、やがて悲劇を引き起こし……。

演出は、櫻井美穂が担当。上演に向けキュイの綾門優季は「封印を解くのは、櫻井美穂さんにお願いしました。あらゆる封印が解かれ、浄化される上演となることを祈ります」とコメントしている。なお綾門による「戯曲連載プロジェクト」では、本作の戯曲をWeb上にて全文公開中だ。

櫻井美穂コメント

男も女も嫌いだ。どちらかに所属しなくちゃいけないのが耐えられないし、それならと提示されるあらゆる色に対して気乗りがしない。軽蔑したり呆れられたりを繰り返すことに意味はなくて、あらゆることは遊びだと思う。育ちきった大人の、キュートでハッピーなごっこ遊び。
どうせなりたいかたちには一生なれないのだから、どうせ生きているだけでみっともないんだから、精一杯怒ったり泣いたり傷ついたりを繰り返しながら自分を一番に愛し生きていくしかない。そういう話です。

綾門優季コメント

『きれいごと、なきごと、ねごと、』はキュイの第三回公演ですが、作風を確立したという意味ではデビュー作のようなものだと、個人的には思っています。
稚拙で、乱暴で、まとまりがなく、答えを出す気もないですが、ひとつはっきりとしていることは、二十歳のときの僕の全身全霊が、ここには封じ込められているということです。
封印を解くのは、櫻井美穂さんにお願いしました。あらゆる封印が解かれ、浄化される上演となることを祈ります。

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青年団リンク キュイ「きれいごと、なきごと、ねごと、」

2018年4月6日(金)~15日(日)
東京都 アトリエ春風舎

作:綾門優季
演出:櫻井美穂
出演:尾崎宇内折舘早紀小寺悠介、寺田凜、中藤奨大橋悠太
※尾崎宇内の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。

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読者の反応

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綾門優季 @ayatoyuuki

櫻井さんのコメントが良いので、ご確認ください。公演に対するものに留まらない、普遍性がある言葉だと思います。ーー拒食症と過食症を巡る三姉妹の衝突、キュイ「きれいごと、なきごと、ねごと、」 - ステージナタリー https://t.co/loxv9sMBlh

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