青年団リンク
2012年に初演された本作は、三姉妹の衝突を巡る物語。拒食症と過食症をメインテーマとして扱い、アイデンティティの崩壊をどのように食い止めるのか、ジェンダーの違和感をどのように解消すればいいのかが描かれる。
平穏な家庭を維持することに諦念を抱く長女、愛情を寄せられないことに不満を募らせる次女、男性に迫られやすい自らの資質に拒絶感を覚える三女。それぞれの思春期ならではの想いは、やがて悲劇を引き起こし……。
演出は、
櫻井美穂コメント
男も女も嫌いだ。どちらかに所属しなくちゃいけないのが耐えられないし、それならと提示されるあらゆる色に対して気乗りがしない。軽蔑したり呆れられたりを繰り返すことに意味はなくて、あらゆることは遊びだと思う。育ちきった大人の、キュートでハッピーなごっこ遊び。
どうせなりたいかたちには一生なれないのだから、どうせ生きているだけでみっともないんだから、精一杯怒ったり泣いたり傷ついたりを繰り返しながら自分を一番に愛し生きていくしかない。そういう話です。
綾門優季コメント
『きれいごと、なきごと、ねごと、』はキュイの第三回公演ですが、作風を確立したという意味ではデビュー作のようなものだと、個人的には思っています。
稚拙で、乱暴で、まとまりがなく、答えを出す気もないですが、ひとつはっきりとしていることは、二十歳のときの僕の全身全霊が、ここには封じ込められているということです。
封印を解くのは、櫻井美穂さんにお願いしました。あらゆる封印が解かれ、浄化される上演となることを祈ります。