父母娘のバトルをコミカルに描く、野田秀樹「表に出ろいっ！」英語版がまもなく

野田秀樹作・演出による「表に出ろいっ！ English version『One Green Bottle』」のゲネプロが、本日10月28日に東京・東京芸術劇場 シアターイーストにて行われた。

2010年に故・中村勘三郎と野田が初共演した「表に出ろいっ！」をもとにした本作は、9年ぶりとなる野田の英語版最新作。演出を野田、英語翻案をウィル・シャープが手がけ、キャストには「THE BEE」で共演したキャサリン・ハンター、グリン・プリチャード、野田が再集結。自身を“古典演劇の巨匠”と豪語する父役をキャサリン・ハンター、娘役をグリン・プリチャード、男性アイドルグループに熱を上げる母役を野田が演じ、イヤホンガイドの日本語吹き替えでは、父役を大竹しのぶ、娘役を阿部サダヲ、母役を野田がそれぞれ務める。

出産を間近に控える愛犬・キャサリンの面倒を、誰が見るか相談していた3人。しかし父はとあるワンダーランドに、娘はブランチに、母はアイドルグループのコンサートに行きたいとそれぞれ主張し、3人はやがて喧嘩を始めてしまう。

舞台美術を手がけるのは、NODA・MAP「逆鱗」などの功績により、第24回読売演劇大賞で大賞、最優秀スタッフ賞を受賞した堀尾幸男。キャサリン・ハンター演じる父が能楽師であることにちなんで、能舞台を模したステージには、中央に本舞台、下手に橋掛かり、上手には演奏の田中傳左衛門が座る地謡座が設置されている。

またひびのこづえによる衣装も本作の見どころの1つだ。キャサリン・ハンター演じる父は紋付袴を彷彿とさせる衣装、野田演じる母は花柄の着物にボリューミーなパーマ、さらに赤縁の眼鏡をかけており、グリン・プリチャード演じる娘は、現代日本の若者を思わせる出で立ちで登場。そして3人はハイテンポなセリフの応酬で、家庭の崩壊をコミカルに描いていく。一方吹き替えでは、大竹がクールな声色で父を表現し、阿部は両親に鋭いツッコミを入れる娘を好演。舞台上で繰り広げられるスラップスティックと併せて、こちらも堪能してほしい。

プレビュー公演は明日10月29日および31日に実施。本公演は11月1日から19日まで行われる。