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蜷川幸雄一周忌、彩の国さいたま芸術劇場にメモリアルプレートを設置

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蜷川幸雄にまつわる大道具や小道具が展示された彩の国さいたま芸術劇場の稽古場より。

蜷川幸雄にまつわる大道具や小道具が展示された彩の国さいたま芸術劇場の稽古場より。

昨年2016年5月12日に逝去した蜷川幸雄の一周忌に際し、埼玉県が埼玉・彩の国さいたま芸術劇場にメモリアルプレートとショーケースを設置。本日5月15日に、その除幕式と一周忌法要が同劇場にて行われた。

除幕式には、埼玉県副知事と蜷川の妻・蜷川宏子、6月から再演される一周忌追悼公演「NINAGAWA・マクベス」で主演を務める市村正親らが出席し、故人を偲ぶとともにメモリアルプレートとショーケースの設置に感謝と喜びを語った。

メモリアルプレートは縦80センチメートル、横75センチメートルの白色セラミック版とブロンズで作られたもので、遺影にも使われた蜷川実花撮影の、赤い月をバッグにした蜷川の写真が配された。プレートには、蜷川著「演劇ほど面白いものはない 非日常の世界へ」から引用された、「最後まで、枯れずに、過剰で、創造する仕事に冒険的に挑む、疾走するジジイであり続けたい」という蜷川の言葉が記されている。またショーケースは高さ30センチメートル、幅240センチメートル、奥行き33センチメートルという大きさで、中には蜷川の書斎や劇場の芸術監督室にあった愛用の品々や台本、文房具、直筆原稿などが収められた。

宏子は「あっという間の1年でした。最初は1人で泣きベそばかりかいていましたが、ある方が『蜷川さんのDNAは娘さんや孫に引き継がれて船出をしている』って書いてくださったことがあって、なるほどなと、すごく安らかな気持ちになりました。また皆さんのご厚意のおかげでこんな素敵なプレートを、大好きな劇場の大好きな稽古場の前に作っていただき本当に幸せな人だったんだなと思います。そして身内の者だけではなくて、市村さんはじめ、いろんな俳優さんに思いがバトンタッチされていくんだなというのがすごく幸せです」と挨拶。続けて市村は、蜷川との最後の仕事になった「NINAGAWA・マクベス」の思い出を振り返りながら、「蜷川さんの魂を背負っている俳優は日本中にたくさんいて、彼らと一緒に蜷川さんの罵声に(笑)負けないくらいのパワーを持った芝居をしていくのが僕たちの使命だと思っています」と決意を語った。またショーケース内のさまざまな品のうち、思い出深いものはと問われた宏子は「鉛筆が大好きで、どれも先が全部尖っているんです。鉛筆削りの中には自分で削った削りカスが、まだ入っているんですが、ああいう歳になっても闘争的に尖っていてすごいなあと思いますね(笑)」と感慨深げに語った。メモリアルプレートとショーケースの一般公開は明日5月16日より。

その後行われた一周忌法要には、約600名が出席。鈴木杏、勝地涼、白石加代子、大和田伸也、三田和代、松本潤、毬谷友子、辻萬長(辻のしんにょうはひとつ点)、田山涼成、立石涼子、石井愃一、たかお鷹、谷村美月らが劇場を訪れ、祭壇に手を合わせた。

一周忌法要後には、改めて市村を囲んで、7月の「NINAGAWA・マクベス」へ向けたインタビューが行われた。「数多く、名作を残した蜷川さんの中の『NINAGAWA・マクベス』を背負えるのは俳優冥利に尽きるし、迂闊なものは出せないなと思いますね」と市村は気合いを語る。一昨年の上演時、蜷川からもらったという、「市ちゃん、頑張った!蜷川幸雄」というサイン入りの台本を披露した市村は、「今回もこの台本を使います。ニーナ(蜷川)のダメ出しもいろいろ書き込まれているので、それを読んで思い返したりしながらね」と笑顔を見せた。

また、大稽古場には蜷川にまつわる大道具や小道具が展示された。それらは昨日5月14日まで上演されていたGEKISHA NINAGAWA STUDIO公演「2017・待つ」の舞台美術にもなっていたもので、大きな蓮の花や水槽、魚を模したオブジェなど、これまで蜷川作品を彩ってきた、さまざまな道具が並んだ。さらに客席中央には「Ninagawa」のネオンサインの下に演出席を設置。使い込まれた椅子やバッグ、デスクには筆箱、ティーカップ、メガネ拭きなど愛用の品々が並べれられ、在りし日の演出家の存在を感じさせた。

「NINAGAWA・マクベス」

2017年6月23日(金)~25日(日)
香港 Grand Theatre, Hong Kong Cultural Centre

2017年7月13日(木)~29日(土)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール 

2017年8月4日(金)~6日(日)
佐賀県 鳥栖市民会館 大ホール

2017年10月5日(木)~8日(日)
イギリス ロンドン Barbican Theatre 

2017年10月13日(金)・14日(土)
イギリス プリマス Theatre Royal Plymouth

※シンガポール公演の予定あり

作:ウィリアム・シェイクスピア
演出:蜷川幸雄

キャスト

マクベス:市村正親
マクベス夫人:田中裕子
バンクォー:辻萬長(「辻」のしんにょうは一点しんにょう)
マクダフ:大石継太 
ダンカン王:瑳川哲朗

門番:石井愃一
魔女1:中村京蔵
老人 / シーワード:青山達三
マルカム:竪山隼太
魔女2:清家栄一
ロス:間宮啓行 
アンガス:手塚秀彰
医者:飯田邦博
貴族:塚本幸男 
魔女3:神山大和
侍女:景山仁美
レノックス:堀文明 
老女:羽子田洋子 
老女:加藤弓美子 
暗殺者:堀源起
マクダフ夫人:周本絵梨香 
メンティース・王:手打隆盛
ドナルベーン / 小シーワード:秋元龍太朗 
フリーアンス:市川理矩
シートン:白川大 
使者:續木淳平 
ケースネス:鈴木真之介 
使者:高橋英希(「高」ははしごだかが正式表記)
使者:後田真欧
暗殺者2:五味良介
召使い:西村聡
召使い:岡本大地
マクダフ息子:牧純矢(Wキャスト)
マクダフ息子:山崎光(Wキャスト)

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