ゲネプロ前に行われた囲み取材には、大原櫻子、
大原は、タイトルロールを演じる責任感を稽古場で見せられなかったのではないかと謙遜しつつ、「キャストもスタッフも本当に素晴らしい方々ばかりで、私も自分なりのベストを出そうという気持ちで稽古してきました」と真摯に答える。そんな大原について安蘭は、「最初に本読みをしたときに完璧に英語の歌を歌えていてそこに感動して。台本を読んで一番難しいんじゃないかなと思ったシーンも、すでに完璧だったんですね。歌もうまくて、記憶も早くて、英語が話せるってことは耳もよくて。リトル・ヴォイスにぴったり! 本当にいろんなところが研ぎ澄まされている女の子なんだなと感じました。楽しみだし、頼もしいです」と太鼓判を押した。
また名曲ばかりのラインナップについては、大原が「スポーツで言うと競技が全然違う感じで、だからこそ人柄を変えて歌えるというか、切り替えがつくところがあります。1つひとつの歌に課題があるので、それを1つずつ乗り越えていくのが楽しいなと思っています」と前向きな返答。さらにライブで歌うこととの違いについて問われると「お客さんが入った状態で歌ってみないと本質的な部分ではわからないところがありますが」と前置きしながら、「役を通して、ある意味仮面を被って歌うという点では、やっぱりライブとは違う感じがしますね。また音楽では、短ければ20秒くらいで聴いている人の心を揺さぶることができますが、お芝居はそれを2、3時間かけてやるという点でも違います。ただ今回のお芝居は、10秒や20秒の音楽では掴めないような作品になっていますので!」と笑顔でアピールした。
続けて行われた公開ゲネプロでは、まず大原演じるリトル・ヴォイス(以下LV)の日常が描かれる。安蘭演じる母親マリー・ホフは、物が乱雑に置かれたリビングで、だらしない格好で酒を飲み、意中の男であるレイ・セイのことで頭がいっぱいになっている。そんな母親を避けるように、LVは自分の部屋に閉じこもり、亡父の遺したレコードを聴いてはその世界に没頭する。電話にも出られないような内気なLVだが、レコードに合わせて楽曲を口ずさむと、途端に生き生きとした表情を見せ始めた。そんなLVの歌声を、高橋演じる芸能プロモーターのレイは偶然聴きつけ、彼女を舞台に立たせようとするのだった。
大原の歌声は、先に流れていた名曲レコードの音かと思うほど、伸びやかで澄み、そして深みがある。特にLVがクラブで歌うシーンでは、シャーリー・バッシー、マリリン・モンロー、グレイシー・フィールズ、エディット・ピアフ、ジュディ・ガーランドの名ナンバーを、踊りも交えて堂々と歌い上げ、“LVの歌声が人心を掴む”という展開を深く納得させる。自宅では怯えた子犬のような、舞台に立つと太陽のように光を放つLVの二面性を、大原は歌と芝居により全身で演じた。
また、夫や恋人、子供に対して常に孤独感を感じ、それをうまく表現できないマリー役を、安蘭は破天荒ながら寂しさを抱えた女性として丁寧に表現。そんなマリーが憧れるレイもまた、一発逆転を狙う野心を抱えており、彼の光と闇を高橋はしっとりと演じた。そのほか、LVに惹かれていく電話会社の従業員ビリーを爽やかに好演した
「Little Voice(リトル・ヴォイス)」は、1992年にイギリス・ロンドンのナショナルシアターにて、サム・メンデス演出により初演され、1998年にはマーク・ハーマン監督により映画化された作品。今回の上演では翻訳を
「LITTLE VOICE(リトル・ヴォイス)」
2017年5月15日(月)~28日(日)
東京都 天王洲 銀河劇場
2017年6月3日(土)・4日(日)
富山県 富山県民会館 大ホール
2017年6月24日(土)
福岡県 アルモニーサンク 北九州ソレイユホール
作:ジム・カートライト
演出:
翻訳:
キャスト
マリー・ホフ:
ビリー:
セイディ:
ミスター・ブー / ビリーの上司:
レイ・セイ:
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舞台リトル・ヴォイス、ついに本日公開ゲネプロ(最終通し稽古)を迎え、カンパニー全員の力が結集し、素晴らしい作品としてひとつの到達点に達したと感じました。明日いよいよ初日!ここから益々成長して行きます!楽しみっ!
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