11月から来年1月にかけて全国4カ所で上演される「スルース~探偵~」。開幕に先がけ、本日11月16日、演出を務める
1971年にトニー賞演劇作品賞を受賞した「スルース~探偵~」は、1972・2007年の2度にわたって映画化されたサスペンス。日本では1973年に劇団四季によって初演され、その後も繰り返し上演されてきた。今回はミステリー作家のアンドリュー・ワイクを西岡が務め、彼の妻の浮気相手であるマイロ・ティンドル役として、新納と音尾がWキャストで挑む。
「過去の映画版を観て、いつか自分で手がけられたらと思っていた」と語るのは、映画監督としても活躍する深作。「演出家というより、審判として2人の試合を観ているような感覚に近い。マイロという役に対してまったく違うアプローチをする2人と、それを受け入れる徳馬さんを目の当たりにして、俳優の力、ひいては演劇のパワーを日々感じています」と稽古を振り返った。
続く西岡も「兼ねてより挑戦したいと思っていたが、なかなか上演権を取るのが難しくて……」と明かし、「年齢的にマイロ役ができなくなってしまったが、今回、アンドリュー役として出演できたのは神様からのプレゼントだと思っています」と喜びを語る。また新納は「大人数でのお芝居に出させていただくことが多かったので、少人数での濃密なお芝居がやってみたかったんです。毎日楽しく稽古させてもらって、細胞がイキイキしているのを感じています!」と笑顔を見せた。
本日が初対面という音尾と新納。音尾は「同い年ということがわかって、ますますライバルだ!と思いました」と新納に視線を送り、「僕と新納さんが『お互いの本番を観るか?』という話題で牽制し合っていたら、西岡さんから『お互いに観ていいとこ取りすればいいじゃないか』と意見をいただきました(笑)」とエピソードを披露した。
アンドリュー役として、2人のマイロと対峙する西岡は「新納くんのスタイルはこうだな、音尾くんのスタイルはこうだなという感じで『相手が今までどういう芝居をしてきたか』ということが長年の勘でわかるんですね。あとは、2人とどう呼吸を合わせてやっていくか。生身の人間と生身の人間のやり取りを見てほしい」とアピール。
また自らが演じる役柄について新納は「ユダヤ系であり、イタリアからイギリスへの移民でもあるマイロ。そんな彼の根底にあるものは何なのかということを日々考えながら演じています」とコメント。一方の音尾は「今の新納さんの考えにプラスして……」とおどけつつ、「新納さんと僕、それぞれの経験を投影して、異なったマイロ像を形成していけたら」と抱負を述べる。またTEAM NACS・大泉洋の話題が上がると、大河ドラマ「真田丸」で共演した新納は「大泉さん、僕の出演回も観に来てくれますかね?」と音尾に問いかけ、笑いを誘った。
最後に西岡は、物語の核となるアンドリューの妻・マーガリートについて「舞台には登場しませんが、お客さんなりのマーガリート像を作り上げてもらえたら、この芝居は成功だと思います。スルース(探偵)は、観客の皆さんです。彼女がどういう女性なのかを推理しながら観ていただければ」と観客に呼びかけ、取材は終了した。
西岡、新納ペアによる“探偵バージョン”の公演は、11月25日から12月11日まで東京・新国立劇場 小劇場にて。また西岡、音尾ペアによる“スルースバージョン”は、12月17日から28日まで同劇場にて上演されたのち、福岡、愛知、宮城でも公演を行う。
「スルース~探偵~」
2016年11月25日(金)~12月28日(水)
東京都 新国立劇場 小劇場
作:アンソニー・シェーファー
演出:
探偵バージョン
2016年11月25日(金)~12月11日(日)
出演:
スルースバージョン
2016年12月17日(土)~28日(水)
出演:西岡徳馬、
2017年1月14日(土)
福岡県 ももちパレス
2017年1月16日(月)
愛知県 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
2017年1月18日(水)
宮城県 電力ホール
出演:西岡徳馬、音尾琢真
※西岡徳馬の「徳」は旧字が正式表記。
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