山田百次と河村竜也のユニット・ホエイ、昭和新山が舞台の「麦とクシャミ」

青年団リンクのホエイが「麦とクシャミ」を、8月に東京・こまばアゴラ劇場にて、10月に三重・四天王寺スクエアにて上演する。

ホエイは作・演出を手掛ける山田百次と、プロデューサー・河村竜也によるユニット。本作では北海道のある村の麦畑が隆起してできた火山・昭和新山をめぐる物語を描く。出演者には山田と河村に加え、五反田団の宮部純子、青年団の中村真生、伊藤毅、緑川史絵、そして朝比奈竜生が名を連ねた。

上演にあたり山田は「噴火大爆発による落石と降灰で農作物は壊滅状態。今日あすの食べ物に困りながらも、天地創造の場に居合わせた人々の想いを描きたいと思います」、河村は「舞台は戦争がもっとも熾烈と混迷を極める時代のど真ん中。しかし、あえてそのど真ん中で、誰も見たことのない戦記物をやりたいと考えています」とコメントを寄せ、作品の構想をのぞかせている。

山田百次コメント

昭和19年。北海道のある村の麦畑が、日に日に20センチずつ隆起し。その後、幾度もの大爆発がありました。そして生まれたのが昭和新山です。
日本は戦争真っ最中、戦局は敗戦一色。この国が破滅の道を突き進み、実に多くの人たちが悲しんでいたこの時期。新しく生まれた山には闘争や苦悩の色は一つもなく、ただ、とてつもなく純粋な力と美がそこにあったそうです。
噴火大爆発による落石と降灰で農作物は壊滅状態。今日あすの食べ物に困りながらも、天地創造の場に居合わせた人々の想いを描きたいと思います。

河村竜也コメント

昭和新山は、何の因果か、先の戦争に呼応するかのように生成し、終戦と同時に活動を収束させました。
企画当初はそのこと自体が、ある種の象徴としてこの作品に力を与えてくれるのではないかと考えていましたが、この山にまつわる史実を調べていくうちに、私の興味は少し別のところにいくようになりました。
舞台は戦争がもっとも熾烈と混迷を極める時代のど真ん中。
しかし、あえてそのど真ん中で、誰も見たことのない戦記物をやりたいと考えています。