柿澤勇人「ラディアント・ベイビー」キース役は「演劇人生の中で一番つらい役」

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ミュージカル「ラディアント・ベイビー ~キース・ヘリングの生涯~」が、本日6月6日、東京・シアタークリエにて開幕する。昨日6月5日には記者会見とゲネプロが行われた。

ミュージカル「ラディアント・ベイビー ~キース・ヘリングの生涯~」より、ゲネプロの様子。

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ミュージカル「ラディアント・ベイビー ~キース・ヘリングの生涯~」より、フォトセッションの様子。

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本作は、1980年代のアメリカを代表する芸術家、キース・ヘリングの人生を追ったオフブロードウェイ発の作品。故郷のペンシルベニアからニューヨークに出てくるも、初めての都会での生活に翻弄されるキースが、さまざまな人間と触れ合いながらアートに没頭し、31年の人生を終えるまでが描かれる。

ミュージカル「ラディアント・ベイビー ~キース・ヘリングの生涯~」より、ゲネプロの様子。

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会見には、演出を手がける岸谷五朗のほか、キースを演じる主演の柿澤勇人、彼の親友で写真家ツェン・クワン・チー役の平間壮一、アシスタントを務めるアマンダ役の知念里奈、恋人カルロス役の松下洸平が劇中の衣装で登壇。5人は会見場に飾られたキースのアート作品のポスターを仰ぎ見て、口々に感想を言いながら入場した。

ミュージカル「ラディアント・ベイビー ~キース・ヘリングの生涯~」より、ゲネプロの様子。

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岸谷は「キースに長く触れたことで、舞台美術、小道具含めて彼にまつわる世界が具現化され、誰もが楽しめるエンタテインメントに仕上がりました。特に俳優たちが素晴らしい。彼らを早くお客さんの前に出してあげたいですね」と出来栄えに自信を覗かせる。一方で、31年を駆け抜けたキースの人生を舞台化することについて問われると「柿澤勇人は大変だったと思う。僕が主演だったら1日2公演はお断りするくらいハード」と答え、会見場は笑いに包まれた。

ミュージカル「ラディアント・ベイビー ~キース・ヘリングの生涯~」より、ゲネプロの様子。

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その言葉を受けて、柿澤は「18歳から始めた演劇人生の中で、台詞の分量、歌、出番ともに一番多い作品になりました。体力的にも精神的にもつらい役どころ」と答える。だがその分やり甲斐も感じているようで、「1回1回妥協せずにキースの人生を生きて死にたい。くたばるくらいの勢いでやらないと彼にも申し訳ないし、やるしかないと思っています」と決意を語った。

ミュージカル「ラディアント・ベイビー ~キース・ヘリングの生涯~」より、ゲネプロの様子。

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柿澤の役作りについて、知念は「孤独にキースと向き合う横顔を見てきました。私はビジネス上で彼を支えていく役どころなので、これから千秋楽まで彼を隣でしっかり支えて、最後まで見届けようと思います。素晴らしいキースです」と大絶賛。平間も「ご本人と会ったことがないのに、キースってこんな人だったんだろうな、とカッキー(柿澤)の芝居を見て思わせてもらいました。ペンを走らせる指先の動きひとつとっても、すごく伝わってくるものがあって……」と続け、松下も「全身全霊でキースだと思った。勇人の作ったキースがすごく魅力的だったからこそ、そこに引っ張られて僕らもキースの人生に関わりたいという気持ちに自然となりました」と称えた。

ミュージカル「ラディアント・ベイビー ~キース・ヘリングの生涯~」より、ゲネプロの様子。

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共演者の言葉に「みんな褒めすぎ!今日ゲネプロしづらいよ!」と恐縮しきりだった柿澤も「翌日に稽古を控えていても朝まで語り合ったりしましたね。みんなから刺激を受けました。いろんな表現者が集まって同じ時間を共有して影響しあう。これって80年代のニューヨークの空気に通じるんじゃないかと思って」と劇中の世界と現実に共通点を見出したことを熱弁した。

ミュージカル「ラディアント・ベイビー ~キース・ヘリングの生涯~」より、ゲネプロの様子。

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ゲネプロは、1幕冒頭に子役3人が登場して「THIS IS THE WORLD」を歌い上げ、厳かにスタート。一転、続く「FASTER THAN THE SPEED OF LIFE #1」では、アンサンブルキャストも交えた激しい踊りや動きによって早逝したキースの疾走感ある人生が表現される。中でも、のちに恋人となるDJのカルロスとキースが出会うディスコで流れる「PARADISE」は、ひと際パワフルなナンバーだ。ディーバの迫力ある歌声のもと、ディスコの客に扮した出演者による激しいダンスが展開。キースとカルロスは衣服を脱ぎ捨て、上半身裸になって運命の相手と出会えた喜びを爆発させる。その後も激しいナンバーが続く一方で、物語の終盤に流れる「STAY」は本作を代表するバラード。死期が近づくキースをはじめ、全登場人物が「まだここにいたい」とそれぞれの居場所に思いを馳せながら歌い上げる。

シアタークリエでの公演は6月22日まで。その後25日、26日に大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演される。

※動画は現在非公開です。

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ミュージカル「ラディアント・ベイビー ~キース・ヘリングの生涯~」

2016年6月6日(月)~22日(水)
東京都 シアタークリエ

2016年6月25日(土)・26日(日)
大阪府 森ノ宮ピロティホール

脚本・歌詞:スチュアート・ロス
音楽・歌詞:デボラ・バーシャ
歌詞:アイラ・ガスマン
演出:岸谷五朗
訳詞:小林香
音楽監督:前嶋康明
振付:大村俊介(SHUN)、原田薫

出演:柿澤勇人平間壮一、知念里奈、松下洸平 ほか

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はくはる @spring_hakuharu

柿澤勇人「ラディアント・ベイビー」キース役は「演劇人生の中で一番つらい役」 https://t.co/Qsde4ZmFfJ
観終わったから読む。

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