あいちトリエンナーレ2016に、山田うん新作や勅使川原三郎オペラ「魔笛」

3年に1度、愛知県で開催される現代アートの祭典「あいちトリエンナーレ」が、今年も8月11日から10月23日まで、愛知・愛知芸術文化センターほかで開催される。その企画発表会が4月8日に都内で行われた。

3回目の開催となる「あいちトリエンナーレ」。今回は「虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」をテーマに、現代美術、舞台芸術、普及・教育、連携事業の4ジャンルでさまざまな作品の発表、事業展開を行う。

舞台芸術部門はその中でさらにパフォーミングアーツとプロデュースオペラの2種に分かれ、前者には国内外の10団体が参加。後者には勅使川原三郎が演出・装置・照明・衣装を手がけるモーツァルトの「魔笛」がラインナップされている。

パフォーミングアーツのキュレーター・唐津絵理は、ラインナップの中から特に3作品をピックアップして紹介。「スペインのアートサーカス集団アニマル・レリジョンは、今回初来日の団体です。スペインの農場ほか数カ国で上演された、ダイナミックな屋外スペクタクル『Chicken Legz』を上演してもらいます。膨張したコスチュームを着たダンサーたちが印象的なカンパニー・ディディエ・テロンは、『膨らんだ冒険』シリーズのひとつとして、ジョン・ケージの音楽に龍安寺の石庭から想を得た新作と旧作の2作を手がけます。また『虹のカーニヴァル』は一般参加型のプログラムです」と説明した。

また新作を上演する山田うんと、勅使川原三郎も登壇。山田は現在の創作状況について「今回は奥三河地方で700年以上にわたり継承されている芸能神事『花祭』という郷土芸能をモチーフにした作品を作ります。現在、そのリサーチをやっているところです」と語る。一方、勅使川原は「オペラ……難しいですよね」と苦笑しつつも「国内外で活躍されている歌手の方々と合唱の方々、約100名、それと東京バレエ団のダンサーの方々に参加していただきます。オペラってもともと複雑な要素が絡み合ったものだと思うので、今回は動くオペラを作りたいと思っていて。身体的かつ挑戦的なオペラというか、表現とは何かが求められる作品になるのでは」と構想を語った。

「魔笛」のチケットは4月23日に、その他パフォーミングアーツのチケットは6月発売予定。