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「引退屋リリー」に馬場徹ら、山崎銀之丞「若い人のつか芝居をバックアップ」

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「引退屋リリー」ゲネプロより、(左から)祐真キキ、馬場徹。

「引退屋リリー」ゲネプロより、(左から)祐真キキ、馬場徹。

つかこうへい作、岡村俊一演出による「引退屋リリー」が、本日2月18日に東京・紀伊國屋ホールにて開幕した。

つかこうへいの七回忌特別公演となるこの「引退屋リリー」は1989年、パルコ劇場での「幕末純情伝」上演時に予告編として存在を明らかにされるも、一度も正式に上演されることはなかった未発表戯曲。当時の文献と聞き書きされた構想を重ねあわせ、このほど新作として上演されることとなった。毎春、40年近くも紀伊國屋ホールにて行われている恒例の、つか公演最新作だ。

舞台は1964年、マッカーサーが統治する日本。自殺の名所であるという「犬島」から、父親の自殺に付き合った女が戻ってくるところから物語が始まる。彼女を追う刑事や、彼女を見出しスターにしようとする映画監督、彼女に思いを寄せる幼なじみ、犬島を守ることを使命とする島守人と、さまざまな人物の人間模様がときに情熱的に、ときに笑いを交えて展開されていく。

初日前に行われた囲み取材には、馬場徹、祐真キキ、宮崎秋人、町田慎吾、鈴木裕樹、吉田智則、山崎銀之丞といったキャスト陣が登壇。取材前に行われたゲネプロでセリフに詰まってしまった馬場は、まず「あんな大事なシーンでベラベラ言葉が出てこないというお見苦しいシーンをお見せしまして、大変失礼いたしました」と詫びると、祐真も「私もさっきカミカミで意気消沈してるんですけど……」と同意し、2人でショックを受けていたことを明かす。また馬場は「本番では無事に終われるようにがんばりたいと思います」と改めて気合いを入れてみせ、「今まで発表されていない戯曲を演劇にするということで、みんなでイチから作り上げて、ひと月半ほど稽古をしてきました。みんなで力を合わせてきたからこそチームの一体感がありますし、本当に楽しい座組になっています」と話した。また宮崎は、「エネルギーの消耗が激しいということをひしひしと感じています。千秋楽まで体のコンディションを整えて走り切れたらいいなと思います」と、初めてのつか舞台に参加する感想を語る。

つかこうへいを師と慕う山崎は「七回忌の特別公演と銘打たせていただいてますが、とても難解と言いますか。資料が残ってはいるんですけど、それをつなぎ合わせるという作業をするにはとても難しいところもありましたし、今でも修正すべき点はあるんじゃないかと思いながらゲネプロを迎えさせていただきました」とコメント。また「僕と吉田智則はサポートメンバー。若い人がいま、つか芝居をやるとこうなるんだということを少しでもバックアップできたら。お客さんにまたつかこうへいという言葉を口にしてもらうということが僕たちの喜び」と、胸のうちを明かす。一方の吉田は「だんだんつかさんの芝居っていうものから離れていかざるをえないと思うんですけど、こうやって機会を与えていただいてるんで」と語りながらも、「あとは本番でお客さんと一緒に楽しめるように」と舞台への意気込みを見せた。

オファーを受けた際の感想を問われると、祐真は「ヒロインということで。舞台をやったことがなかったのでどうしよう、と」と当初は戸惑いがあった様子。そんな祐真について馬場は「すごい気が強いんですよ。こう言えばああ言うっていうやり取りがすごく多くて」と暴露しつつも、「でも今日は2人ともおもいっきり噛んだし(笑)」とお互い様と言わんばかりに微笑んでみせた。つか舞台特有の長ゼリフに関して祐真は「まだ苦労してます」と苦笑い。アメリカのテレビドラマシリーズ「HEROS」にも出演している彼女は、「アメリカにいるときは英語ばっかりで、日本語のセリフを言うことがなかったので。舌が回らないです」と苦戦している様子。だがアクションシーンについては「まだ経験があるので」と自信のほどを伺わせた。

最後に馬場は「つかさんとの出会いで僕は人生を変えていただいたので、少ないかもしれないですけど、恩返しをできたらいいなというのが一番ですね。天国にいるつかさんに『お前、よくやったぞ』って言われるような作品に仕上げて、この『引退屋リリー』という戯曲がこれから10年、20年と、いろんな人に繋がっていってくれるのが一番かなと思います」と締めくくった。「引退屋リリー」は3月7日まで上演。

つかこうへい七回忌特別公演「引退屋リリー」

2016年2月18日(木)~3月7日(月)
東京都 紀伊國屋ホール

作:つかこうへい
演出:岡村俊一
出演:馬場徹、祐真キキ、宮崎秋人、町田慎吾、鈴木裕樹、吉田智則、山崎銀之丞

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