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乃木坂46「16人のプリンシパル deux」大阪で感涙の千秋楽

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乃木坂46の劇場公演第2弾「16人のプリンシパル deux(ドゥ)」が昨日6月2日、大阪・梅田芸術劇場で千秋楽を迎えた。

この公演は昨年9月に東京・PARCO劇場で行われた劇場公演第1弾「16人のプリンシパル」に続くもので、5月3~12日に東京・赤坂ACTシアターで15公演、5月31日~6月2日に梅田芸術劇場で5公演の計20公演実施。1幕にメンバーの演技審査パートが用意され、休憩時間に行われる観客の投票により2幕「乃木坂歌劇団~迷宮の花園~」に出演できる16人のメンバーが決まるというユニークな構成の舞台となっている。昨年の「16人のプリンシパル」との違いは、主要10役のうち演じたい役に各メンバーが立候補できること。ただし観客はその役に立候補していないメンバーにも投票でき、結果は観客の投票に委ねられるため、メンバーはすべての役に対応できる必要がある。さらに10役から漏れたメンバーのうち、投票数が多かった上位6人が女中役として2幕に出演できる。

まず1幕では各メンバーが立候補した役柄の、「乃木坂歌劇団~迷宮の花園~」からの一場面を実演する。それが終わるとアドリブ審査に移り、演出家からその場で与えられたお題をもとに即興の演技を行っていく。東京公演、大阪公演ともに生田絵梨花、井上小百合、衛藤美彩、西野七瀬、能條愛未、橋本奈々未、若月佑美などといったメンバーは演技審査で観客から好評価を獲得し、2幕への切符を勝ち取る機会も多かった。特に生田は女中役も含め全20公演の2幕に出演した唯一のメンバーとなり、前回の「16人のプリンシパル」同様にその圧倒的な演技力で観る者の目を惹き付けた。また西野は5月31日の大阪公演、若月は6月2日昼の大阪公演でそれぞれ主要10役を制覇。続いて井上が8役、衛藤が7役で2幕に出演する活躍ぶりをみせた。

このように日々さまざまなドラマを生み続けながら、千秋楽の2日夜公演に突入。なお千秋楽では1幕のオーディション方法が若干変更され、個々のアドリブ審査に代わり各役柄の立候補者を集めて「女優の10カ条」というテーマでエチュード(即興の舞台稽古)が行われた。

メンバーは自己紹介の際に、それぞれ今回の「16人のプリンシパル deux」に対する思いや立候補した役への思いなどを吐露。初日から演じる機会の多かった今和誠一役に立候補した高山一実は「誠一さん(役)の集大成を見せます!」と宣言し、演技に苦手意識を持っていた生駒里奈は「今回のプリンシパル公演で演技に興味を持つことができた。沢村小坊主という役に出会えたことにありがとうと言いたい」と涙ながらに語った。

各役への立候補はそれぞれ2~4人ずつバランスよく散らばり、メンバーはこれまでの経験すべてを審査にぶつけていった。中でも栄役を競った生田と橋本は迫真の演技で会場の雰囲気を一変。生田は「ラスト、栄を思いっきり演じたい」と言って圧倒的な演技を披露すると、一方の橋本は「私の今回のプリンシパルでの目標は、『そっちこそ』(棒読みとファンから言われた1年前のCMのセリフ)よりも成長したところを見せること。さっき、いくちゃん(生田)と私の名前が呼ばれたとき、お客さんが沸いてくれたのがうれしかった」と緊張した表情で語りながらも、生田とは異なる色を持った栄役を見事に演じきった。

集計結果を待つ幕間には、舞台裏から舞台のスクリーンを通じて斉藤優里、生田、若月が観客に挨拶。ここで生田がプリンシパル公演の感想を語っていると、途中で感極まって涙する一幕も。彼女は苦楽を共にしたメンバーに対して「いい仲間だなって改めて思いました」と口にした。そしてメンバーがステージ上に再登場すると、集計結果をもとに2幕出演者の名前が次々に読み上げられていく。ここでは感激のあまり泣き出すメンバーが続出し、橋本や能條は手で顔を覆いながら客席に向けて感謝のお辞儀をした。

千秋楽の2幕「乃木坂歌劇団~迷宮の花園~」はメンバーと同じくらい、観客からこの公演を心の底から楽しんでいる様子が伺え、それまでの公演以上に歓声や拍手、笑い声がところどころで鳴り響いた。リアクションのよい観客を前に、2幕出演メンバーはそれまでの集大成と呼べる演技を続け、エンディングでは観客がスタンディングオベーションで彼女たちの熱演を讃えた。

2幕が無事終了すると、ミニライブの準備をする間に恒例となった2期生紹介コーナーに突入。ここでは2期生から12名がステージに登場し、1人ひとり自己紹介と挨拶をしていった。2期生は間近で観た先輩たちの演技について「モニターで観て感動しました。私たちもいつか同じ舞台に立ちたいです」と、目を輝かせながら感想を口にした。

そして新衣装を身にまとった1期生メンバーは「君の名は希望」からミニライブを開始。続いて新選抜メンバーで7月3日発売の新曲「ガールズルール」をパフォーマンスすると、会場の熱気は一気に加速した。2曲歌い終えたところでステージ後方のスクリーンに突如夏のツアー情報が解禁され、何も知らされていなかったメンバーたちは歓喜に満ちた声を上げる。彼女たちは大興奮のまま正真正銘のラストナンバー「シャキイズム」を元気いっぱいに歌い踊り、「16人のプリンシパル deux」全20公演に幕を下ろした。

最後に桜井は「5月から始まりました『16人のプリンシパル deux』、やっと大千秋楽を終えることができました。今回は前回よりも覚えるのがいろいろ大変でした。ときには悩んだこともありましたけど、みんなで力を合わせてここまでやってくることができました」と、客席に向けて挨拶。続けて「7月3日発売のシングルでは今回の経験を糧にして、これからもどんどん進化していけるようがんばっていきますので、皆さんこれからも乃木坂46のことをよろしくお願いします!」と語り、ステージをあとにした。

なおナタリーでは「16人のプリンシパル deux」千秋楽終了後、10役制覇を達成した西野七瀬と若月佑美、千秋楽の1幕で好勝負を繰り広げた橋本奈々未と生田絵梨花にインタビューを行った。

西野七瀬 コメント

(全公演終わってみて)しばらくは何も考えたくない(笑)。やってみると楽しいんですけど、同じくらい苦しさもあるので。もちろん、やった分だけ得るものも大きいですけどね。演技自体は今回本格的にやってみて、すごく楽しかったです。

オーディションでは、自分が「今日は結構できたかな?」と思ってるときに選ばれなかったりするとすっごく悔しくて、「この役は絶対もう1回やろう」って思うことも多くて。今までだったらあまり悔しいとか思わないタイプだったんですけど、このプリンシパル公演で初めて「自分ってこんなに悔しがれるのか」と気付きました。あと大きい声を出さないと印象に残らないんじゃないかとか思って、最後の頃には大勢の人の前で堂々と大きい声を出せるようになりました。

(10役制覇について)リハーサルのときに言った「全役やりたい」って言葉が、「乃木どこ」(テレビ東京系で放送中のレギュラー番組「乃木坂って、どこ?」)で放送されてしまって(笑)。そこからすごいプレッシャーになったんですけど、とにかく覚えた役からどんどん立候補してやっていったら「もっと違う役もやりたい」と思うようになって、そうこうしていたら全役できてました。たぶん初めてじゃないかっていうレベルの有言実行ができたので、満足ですね。

若月佑美 コメント

東京公演で7役やれた時点で「大阪で10役コンプリートしたい」とはスタッフさんにも話していたんですが、最初の頃はすごく不安でしたよ。いろんな役を覚えたものの、実際に10役を演じきることができるのかなって。なので、まずは自分が自信のある役を極めていこうと思ってたんですが、東京公演の中日ぐらいから「もっと冒険したいな」って思うようになっていって、そこからさらに練習しました。でも大阪公演の初日は女中にも入ることができなくて。それが悔しくて、本腰入れてがんばろうと思いました。

(10役制覇について)やりきれて、本当にうれしいです。最後の1役(6月2日昼公演の北嶋文目役)が決まったあと、うれしすぎて2幕のスタンバイをしてるときに「まもなく開演します」っていうナレーションに対して大きい声で「はい!」って言ってしまって。本当は静かにしなきゃいけない場面だったので周りからは「シーッ!」って言われるし、そういう自分が子供っぽいなと思って恥ずかしくなりました(笑)。

今回のプリンシパル公演、本当に楽しかったです。これからも自信を持って、いろんなことをやっていきたいです。

橋本奈々未 コメント

まだ終わった感じがしないですね。たぶん来週ぐらいにようやく実感すると思います。栄役については、台本を読んで感情の出し方とかセリフ回しで自分に一番ハマりそうかなと思って。私、怒ったり泣いたりする演技のほうが得意だと自分で思っていて、そういうところを出せるのはいつみ役か栄役だなと。で、プリンシパルで成長した姿をファンの皆さんに見てもらいやすい役といったら栄かな、ということで栄役を中心的にやっていました。

(最後に栄役で生田との一騎打ちになったことについては)なんとなく千秋楽はいくちゃん、栄で来るだろうなって予想してたんです。私も最後は本当にやりたい役やろうって思って、自分が賭けているこの役に立候補しました。

(生田との対戦で歓声が上がったことがうれしい、といっていたことに関しては)栄役の立候補者発表で「生田絵梨花、橋本奈々未」と出たときに「わー!」ってお客さんが楽しそうにしてるのを見て、「なんか私、ここで終わってもいい」って思えて(笑)。「2人の対戦が楽しみ」っていう空気を感じることができたので、光栄だなって思えたんです。千秋楽に栄役でいくちゃんと一騎打ちできることもうれしかったし、お客さんもそれを楽しんでくれるぐらい、私のことを評価してくれてることが本当にうれしかったです。

生田絵梨花 コメント

(千秋楽の投票結果発表前、コメントする場面で涙を流したことについて)最後っていうことで、もうこれで終わるんだっていう思いと、今までみんなと歩いてきた道のりを思い出したら、そこからよくわかんない感じになっちゃいました(笑)。必死に走り抜けてきて、自分がどこまで成長できたかがいまいち実感できてないので、今は振り返る時間が欲しいですね。

(栄役に生田、橋本が立候補して会場が沸いたことに関して)ああやって反応してくれること自体が、すごくうれしかったです。でも(橋本が立候補したのを知ると)「あー、来ちゃったかー」って。ななみんってほかの人とは違う切り口でアドリブをするのがすごいな、頭の回転が速いなっていつも思います。千秋楽で栄役に選ばれなくて悔しい思いはありましたけど、しっかりやりきれたし、すごく楽しんで終われました。

梅田芸術劇場ってすっごい有名な舞台がたくさん上演される会場なので、またいつかこうやってあの舞台に立てる日が来たらいいなって思います。

※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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