「Dream Fighter」カバー！ありぼぼに捧ぐセトリ！Perfume×ヤバTの愛とリスペクトに満ちた夜

2025年7月13日 14:27 1088 29 音楽ナタリー編集部

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スペースシャワーTVが主催する対バンイベント「NO LIMIT!」が7月11日、東京・Zepp Haneda（TOKYO）で開催された。出演アーティストはPerfumeとヤバイTシャツ屋さんの2組。“限界なし（NO LIMIT）”をコンセプトに、音楽ジャンルやスタイルの壁を越えた競演が繰り広げられた。

Perfumeとは？

あ～ちゃん、かしゆか、のっちからなる3人組ユニット。2000年に広島で結成。2003年に活動拠点を東京に移してからは、プロデューサーにcapsule（現：CAPSULE）の中田ヤスタカを迎え、インディーズレーベルで精力的に活動を開始。2005年にシングル「リニアモーターガール」でメジャーデビューを果たす。2007年に「NHK環境・リサイクルキャンペーン」テレビCMに出演し、CMソング「ポリリズム」が大ヒット。テクノポップブームの火付け役となり、2008年には日本武道館、2010年には東京ドームでのワンマンライブを完売させる。2012年10月にはアジア4カ国で初の海外ツアーを敢行。2015年にはアメリカ・テキサス州オースティンで開催された世界最大規模のフェスティバル「SXSW 2015」に出演し、インタラクティブメディアの祭典「SXSW Interactive」のヘッドライナーを務めた。2019年にはアメリカの野外音楽フェス「Coachella」への初出演を果たす。同年、自身初のベストアルバム「Perfume The Best "P Cubed"」をリリースし、これを携えて2020年2月に全国ドームツアーを敢行。2022年7月に4年ぶりのオリジナルアルバム「PLASMA」をリリースした。

ヤバイTシャツ屋さんとは？

こやまたくや（G, Vo）、しばたありぼぼ（B, Vo）、もりもりもと（Dr, Cho）からなる男女ツインボーカルのスリーピースバンド。2013年10月に大阪芸術大学に通っていた3人により結成された。2015年に本格的に活動を開始。2016年11月にフルアルバム「We love Tank-top」でユニバーサルミュージック内のレーベルUNIVERSAL SIGMAよりメジャーデビューを果たす。以降精力的にライブ活動をしながら、コンスタントに作品を発表し、2020年9月にリリースした4thフルアルバム「You need the Tank-top」で初のオリコン週間アルバムランキングで1位を獲得。同年末より全35日程70公演にわたる全国ツアー「ヤバイTシャツ屋さん “You need the Tank-top” TOUR 2020-2021」を開催。2021年11月には大阪・大阪城ホール、2022年8月には東京・日本武道館での単独公演を成功に収めた。

ライブ後に記念撮影をするPerfumeとヤバイTシャツ屋さん。（撮影：田中聖太郎）

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「かしゆかです」「かしゆかです」「かしゆかです」

先陣を切ったのはヤバイTシャツ屋さん。3人がステージに姿を現すなり、フロアは早くも熱狂の渦に包まれる。1曲目「あつまれ！パーティーピーポー」がスタートすると、文字通り会場が揺れるほどの盛り上がりで、一気に熱気が頂点に達した。

ヤバイTシャツ屋さん（撮影：田中聖太郎）［拡大］

間髪いれずに「Tank-top of the world」に突入すると、オーディエンスも拳を突き上げ全力で応える。ヤバTの3人はその後も、「メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲」で観客を一度座らせてから一斉にジャンプさせたりと、ライブ巧者らしいパフォーマンスでPerfumeファンも引き込んでいく。最初のMCでは、こやまたくや（G, Vo）、ありぼぼ（B, Vo）、もりもりもと（Dr, Cho）がそれぞれ「かしゆかです」「かしゆかです」「かしゆかです」と名乗り、「3人合わせてかしゆかです」と自己紹介。

ここまで激しい楽曲を畳みかけてきたヤバTだが、中盤では回るミラーボールの下で「DANCE ON TANSU」を披露し、ひと味違ったムードを演出。全員が楽器を置き、こやまとありぼぼがハンドマイクで歌うメロウなアーバンソウル「dabscription」では、もりもとがおなじみのロボットダンスとともに、どうやらPerfumeの「チョコレイト・ディスコ」の振付と思われる動きを披露し、観客を沸かせた。

「Dream Fighter」がパンクロックに変貌

ヤバイTシャツ屋さん（撮影：田中聖太郎）［拡大］

熱烈なPerfumeファンであり、ファンクラブ「P.T.A.」会員でもあるありぼぼは、この日はいつもの道重さゆみ公式グッズ「4文字Tシャツ」の下にPerfumeのアパレルライン「Perfume Closet」を着て、完全にいちファンとしてステージに立っていた。そんな彼女は「いつもパワーをもらってるPerfumeの曲を3人でやりたい」とメンバーに提案。「Perfumeがこの曲を歌うってのがすごく説得力があってカッコいい。だからうちらもPerfumeみたいなアーティストになりたいなと思って、この曲をやります」とありぼぼが熱い思いを語り、ヤバTによる「Dream Fighter」のカバーがスタートした。エレクトロニックな原曲が、力強いヘビーなギターとタイトな2ビートによって、疾走感あふれるパンクロックへと変貌。オーディエンスは力の限りに「オイ！オイ！」と叫び、Perfumeのライブと同様に「先まで！」というコールが会場中にこだました。

「ヤバみ」からライブはラストスパートへ。3人のアグレッシブなパフォーマンスに煽られてフロアはもみくちゃになり、双方のファンが一体となって熱狂の空間を作り上げる。最後にこやまが「Perfumeの3人に捧げます！」と叫んで「かわE」を披露。全13曲を全力で駆け抜けて、ヤバTはライブを終えた。

ひさびさの曲も織り交ぜた「ありぼぼに捧ぐセトリ」

場内が暗転した瞬間、オープニングSEなどもなく、いきなり「FAKE IT」が爆音でスタート。Perfumeの3人が舞台に駆け込んでくると、観客は一気に興奮状態に。開幕からPerfume屈指のアッパーチューンが投下されるという意表を突いた展開は、ここまでヤバTが作り上げた熱気を引き継ぐことになった。さらに「エレクトロ・ワールド」「Cosmic Treat」と、新旧のキラーチューンを畳みかけ、3人は会場のボルテージをますます高めていく。

Perfume（撮影：田中聖太郎）［拡大］

MCで彼女たちは、ヤバTとの対バンが念願だったと語り、この日のセットリストが「ありぼぼに捧ぐセットリスト」であることを明かした。ありぼぼがPerfumeを好きになるきっかけになった曲、大阪芸術大学に入るきっかけになった曲、プレイリストに入れて聴いている曲などの中から、メンバーは振付を思い出せる曲を厳選。そのためセットリストには、初期の楽曲や最近あまり披露されていなかったレアな楽曲も多く含まれていた。

メンバーが「過去の映像を観ながら練習した」という「VOICE」がライブで披露されたのは2021年の「Reframe Tour」以来4年ぶり。一方で、公演のわずか2日前にリリースされたばかりの最新シングル「巡ループ」もライブでお披露目され、Perfumeの最新のモードも楽しめるライブとなった。

Perfumeが「Bluetooth Love」でダンス、ヤバTが「Puppy Love」で指ハート

Perfume（撮影：田中聖太郎）［拡大］

ダンスやコール＆レスポンスでメンバーと観客の一体感を高める恒例の「P.T.A.のコーナー」では、3人がハートを描く振付を観客にレクチャー。その動きから次に何が始まるのかを察した顧客（ヤバTファンの呼称）がざわつく中、始まったのはヤバTの「Bluetooth Love」だった。会場中の人々がハイテンションな曲に合わせて一緒に踊り、爆発的な盛り上がりに。

「チョコレイト・ディスコ」を歌い終えると、あ～ちゃんは「ありぼぼに捧ぐ」とつぶやき、3人は「パーフェクトスター・パーフェクトスタイル」「ポリリズム」を披露。そんなありぼぼへの愛に満ちた選曲のライブは「Puppy Love」で締めくくられた。曲の途中でヤバTの3人がステージに呼び込まれ、6人で一緒に「上下上上下上下下」の振付でダンス。のっちとこやま、かしゆかとありぼぼ、あ～ちゃんともりもとがそれぞれペアで指ハートを作り、愛とリスペクトに満ちた“限界なき”対バンライブはフィナーレを迎えた。