コロナ禍の中で活動を始め、今年で結成3周年を迎えたTENSONG。彼らはこれまでSNSを中心に楽曲を発表してきたが、2月から7月にかけて47都道府県対バンツアー「~JUST FOR FUN 2023~」を行った。最終公演となる本公演は、彼らにとって初のワンマンライブ。持ち歌が全曲披露されるというメモリアルな一夜となった。
開演時刻を迎え、アルフィ(DJ)と拓まん(G)がステージに登場。四つ打ちのバスドラムに合わせて、耳を突き刺すようなギターの音色が響く。たか坊(Vo)はフロアに姿を現し、観客の隙間を縫うように歩いてステージへ。「東京イリュージョン」でライブの幕が開き、鮮烈なレーザー照明が場内を照らす中、たか坊は「Bye Myself」のリリックを早口でまくし立てた。
「本日をもって47都道府県を完走します。人生2回目のライブから、初ツアーで47都道府県回ったってばりすごくない? すごいやんな? 我ながらちょっと感心しとっちゃけんど」と彼が博多弁を交えながら語る。続けて3人は「有難う」を披露し、タイトル通りファンへの感謝をわかりやすく伝えた。「昇進者」「カタルシス」が立て続けに披露されたのち、たか坊はデビュー前のTENSONGについて「結成したのが3年前くらいかな。そのときはアーティストになりたいとか、全然思ってなくて。たまたま3人が出会って、たまたま音楽やって、たまたまSNSで火がついて。でもそれが、やっていくうちに夢に変わってきて。夢じゃなかったものが夢になっても、別にそれはそれでいいやん?」と回顧。彼のアカペラで「たいして綺麗でもない僕らの世界」がスタートすると、アルフィが繰り出す重々しい8ビートに合わせて、たか坊の歌声と拓まんのギターが高らかに響く。「月が綺麗」ではステージにスモークが立ち込め、場内をミラーボールが照らした。
拓まんがアコースティックギターを響かせた「纏」「恋季」「ShiKi」を経て、アルフィによるDJセットが炸裂。場内のボルテージが急上昇する中、「嫌われる勇気」「とりま」が投下される。けたたましく鳴るビートトラックに合わせて、3人とファンが一緒になって飛び跳ねた。最新曲「コイビトミマン」でたか坊の裏声が切なげに響き、彼の母と祖母に向けて制作された楽曲「はじまりのおわり」が届けられたのち、拓まんは自身の家族に対して「関西エリアでライブをしていたときに、メンバーを実家に泊めさせてくれたお父ちゃんお母ちゃん、感謝してます。ありがとう。今日、京都からおじいちゃんおばあちゃんも来てくれています。生きてる間に見せられてよかったです。ありがとうございます!」と感謝。47都道府県ツアーのために書き下ろされた楽曲「らいぶ」が届けられ、3人はステージをあとにした。
アンコールに応じて再び現れたTENSONGは、リリース前の新曲「A HAPPY RAINY DAY」を披露。晴々しいメロディが、47都道府県を制覇した彼らの新たな門出を予感させた。
TENSONG「アーティストミマン」2023年8月19日 KT Zepp Yokohama セットリスト
01. 東京イリュージョン
02. Bye Myself
03. JUST FOR FUN
04. 有難う
05. 昇進者
06. カタルシス
07. たいして綺麗でもない僕らの世界
08. 存在
09. 月が綺麗
10. 纏
11. 恋季
12. ShiKi
13. 嫌われる勇気
14. とりま
15. コイビトミマン
16. はじまりのおわり
17. らいぶ
<アンコール>
18. A HAPPY RAINY DAY
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TENSONG初ワンマンで持ち歌全部披露、新曲「A HAPPY RAINY DAY」も https://t.co/8t9RYbTsOo https://t.co/ejXM9jXhcu