6月4日、
梅雨真っ最中のため天候が心配されたが、この日は絶好の野音日和に。陽が差し込むステージに現れたメンバーは笑顔を浮かべ、観客の熱い歓迎を全身で受け止める。そしてそれぞれ定位置に着くと「Session」を奏で始めた。
4人はアイコンタクトを取りながら、ゆっくりと音を重ね、場の空気を作り出す。続いて芹澤優真(Key)が弾く丸みのあるキーボードから「Wait for The Sun」へと流れ、会場はさらにリラックスしたムードで包まれていく。この曲の途中では、柳下武史(G)のタッピングを駆使したファニーなギターフレーズが差し込まれ、楽曲の新たな魅力を開花させていた。
すっかり自分たちの世界を作り上げたところで、宮原良太(Dr)が「どーなんですか、この天気は?」と笑顔を見せ、芹澤も「今日ほど野音にぴったりな日はないと思う」とうれしそうに答える。さらに宮原は「(この天気で)楽しくないはずがない。ビールでも飲んで、楽しんでいって」と観客に呼びかけた。
そこからはリラクシンな空気が漂うナンバーを連投。ライブの定番として親しまれている「Uncle John」「PB」などは、特に熱い盛り上がりをみせ、オーディエンスは音にあわせて歓声と手拍子を響かせる。野外でのライブだからこそ生まれる、開放感のあるダイナミックなグルーヴが会場を包みこんでいった。
牧歌的なアンサンブルで紡ぐ「ACN」の後は、しばしの休憩タイム。メンバーは「2ndセットもお楽しみに」と口にすると、一旦舞台の袖へと消えていった。
暗くなり始めた頃にスタートした第2部は、ゆるやかなグルーヴが印象的な「Birdie」から幕開け。夕暮れどきに似合う曲で後半戦の口火を切り、観客を独特のスペアザワールドに引き戻す。「わぁっ」という歓声が空に響いた「Good Morning」で勢いをつけると、今度は又吉優也(B)のうねりのあるベースが肝となる「The Guide」へ。軽やかなサウンドを届けたかと思えば、一瞬でドープなサウンドスケープを作り出し、バンドの幅広さを証明していく。
本編の終盤で芹澤は「野音ってなんかいいね。音楽やってきてよかったなって思う」としみじみとコメントし、宮原もオーディエンスを見渡し「みんなの笑顔がうれしい。俺ら果報者だね」と破顔する。そこに観客を笑顔にするような「Laurentech」をプレゼント。大団円にふさわしい、多幸感あふれる音色が夜空に響いた。
宮原の「今日は又吉の髪型が気にならないくらい、いいライブです」というユニークな発言からアンコールが始まる。4月以降封印されていたという柳下の俳句コーナーも復活し、「この景色 この音 この人 忘れません」という名句が飛び出すと、大きな拍手が沸き起こった。
ラストは2年前の野音でもアンコールで披露された「AIMS」。跳ねるようなリズムにあわせて、地面が大きく揺れ、オーディエンスの熱狂はピークに達する。メンバー4人は観客の笑顔を目に焼き付けるようにしながら丁寧に音を奏で、ライブのフィナーレを飾った。
「QUTIMA Ver.13 SPECIAL OTHERS 野音」セットリスト
1st Set
01. Session
02. Wait For the Sun
03. Bump
04. Uncle John
05. Circle
06. PB
07. ACN
2nd Set
01. Birdie
02. Good Morning
03. The Guide
04. IDOL
05. Laurentech
アンコール
01. AIMS
リンク
- SPECIAL OTHERS OFFICIAL SITE
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
音楽ナタリー @natalie_mu
「楽しくないハズがない」スペアザ至福の野音ライブ http://natalie.mu/music/news/50910