「W-KEYAKI FES.2022」の
「W-KEYAKI FES.」は欅坂46という“1本の欅”から生まれた櫻坂46と日向坂46の2グループによる合同イベント。本来は7月21日から24日の4日間にわたり、2組が2日ずつ単独公演を行う予定だったが、櫻坂46の2公演はメンバーの新型コロナウイルス陽性の診断を受けて急遽開催断念となった。振替公演2日目の模様は生配信も行われ、全国のBuddies(櫻坂46ファンの呼称)がライブを楽しんだ。またこの日、1期生の原田葵と尾関梨香の卒業セレモニーが実施された。
開演前の場内アナウンスは原田と尾関が担当。2人が「最後まで一緒に素敵な思い出を作りましょう!」と呼びかけると、客席から大きな拍手が沸き起こった。オープニングムービーののち、1曲目に披露されたのは欅坂46の楽曲「太陽は見上げる人を選ばない」。7月開催の日向坂46公演でもオープニングナンバーに選ばれたこの曲を、櫻坂46はパステルピンクのブレザー姿で歌い踊る。ライブでお馴染みの「Overture」を経て、メンバーは「Buddies」「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」を連続で歌唱。円状になった花道に駆け出し、ちらつく小雨に負けることなく、会場中のBuddiesに笑顔を振りまいた。
キャプテン菅井友香は今回の「W-KEYAKI FES.」について「本当にたくさんの方たちのおかげで、こうして最終日を迎えることができました。日向坂46がつないでくれたバトンを受け取ることができて、うれしい気持ちでいっぱいです」と語る。また、ここで関有美子が体調不良で残念ながら欠席となったことをアナウンスした。「尾関はどう!?」という菅井が使いがちなフレーズが飛び出すと、尾関は「それも最後だよ(笑)」と笑いつつ「寂しい気持ちもあるんですけど、笑って過ごしたいです。みんなのパワーで雨を止ませましょう!」とコメント。原田も「雨を吹き飛ばすくらい盛り上がりたいと思います!」とライブへの意気込みを語った。
あいにく雨脚が強まる中、ライブが「Microscope」で再開すると、メンバーはトロッコに乗り込み客席外周を移動。「それが愛なのね」のサビでは一斉にホースで客席に向かって放水し、雨に濡れる観客をさらに水浸しにした。松田里奈が観客に水分補給を促したのち、メンバーにお気に入りのグッズやフードを問うトークコーナーへ。上村莉菜は尾関&原田の手描きイラスト入りのTシャツを「2人らしくてかわいい。普段使いしようと思います」とプッシュし、土生瑞穂はサファリハットをおすすめした。その後、櫻坂46は赤とピンクをあしらった衣装に着替えて再登場。雨にぴったりのナンバー「五月雨よ」で場内を神秘的な雰囲気で満たし、「思ったよりも寂しくない」では再びホースを手に無邪気な表情を浮かべた。「無言の宇宙」ののち披露されたのは、原田と尾関がリクエストした欅坂46のユニット曲。尾関、小池美波、齋藤冬優花、山崎天の4名が「コンセントレーション」を、原田、上村、井上梨名、武元唯衣、藤吉夏鈴、森田ひかるの6名が「カレイドスコープ」を歌唱し、観客は欅坂46のチームカラーである緑色のペンライトを振りながらこの2曲を堪能した。その後、赤を基調とした衣装に身を包んで再登場した櫻坂46は、日が落ちかけ、ライトアップされたステージで「ブルームーンキス」「恋が絶滅する日」などエモーショナルなナンバーを畳みかけた。
「霧がすごい!」と自然に囲まれた会場ならではの現象にはしゃぐメンバーたち。ここまでのライブの感想を問われると、大沼晶保はテレビ東京で放送中のバラエティ「そこ曲がったら、櫻坂?」で共演中の
アンコールの拍手が鳴り響く中、「原田葵、15歳、中学3年生。東京都から来ました。たくさんの人を笑顔に幸せにしたいと思っています」と、あどけない原田の姿を映したVTRが流れ出す。映像にて「みんなにかわいがられる妹」「人一倍泣き虫」と紹介された原田は、純白のドレスを身に着け晴れやかな表情で再登場した。2018年に活動を一時休止し、2019年に富士急ハイランド コニファーフォレストで開催された「欅共和国2019」にて復帰した原田。彼女は当時について「多くの方が待っていてくださったことが本当にうれしかったです。そのとき絶対にファンの皆さんに直接お会いして、お礼を言って、笑顔になってもらうまで卒業しないぞと思いました」と振り返り、「支えてくださった皆さんのおかげで、自分が持っているもの以上のことを、この7年間、経験させていただきました」と感謝の気持ちを伝えた。活動期間を「キラキラした時間だった」と表現した彼女は、学業と仕事の両立の話題では、じわりと涙をにじませる。ファン、友人、スタッフ、メンバー、家族の助けなしでは歩めないアイドル道だったと語り、「手放したくない宝物がたくさんできました。ですが、もっともっと成長するため、1人の素敵な人になれるよう、卒業してからも精一杯まっすぐ歩いていきたいと思います。これからはグループが成長する姿を陰ながら応援します」と最後は笑顔でスピーチを締めくくった。
尾関のVTRは、号泣しながら話す彼女の姿でスタート。周囲を笑顔にするキャラクターが伝わる映像が放映されたのち、真っ赤なドレス姿で再登場した尾関は、柔らかい表情で「7年前、グループに加入した私は皆さんが思うアイドルらしさ全開ではなかったかもしれません。『もっと女の子らしくいたい』と自分のキャラクターに悩んだこともありましたが、皆さんがありのままでいてと言ってくださったので、尾関スタイルを貫くことができました」とこれまでの苦悩を明かした。続けて2期生へ「この1年でみんながどんどん自分らしさを確立し始めて、すごく頼もしくなりました。誰にだって自慢できる大好きな後輩です。グループに加入してくれて本当にありがとう」、1期生へ「7年間、思い返すと正直大変なことのほうが多かったなと思います。でもみんながいてくれたから、私はがんばり続けることができました。この先どんなことがあっても、みんなとなんでも乗り越えて来たから大丈夫だと自信を持つことができました。本当にありがとう」、そしてBuddiesを含むすべての関係者へ「みんな1人の人間です。生きていくうえでいろいろなことはあると思いますが、どんなときも自分を大切にして、笑っていてください。約束です」と温かい言葉を贈った。
その後、尾関は小池とともに欅坂46のユニット曲「音楽室に片想い」「バスルームトラベル」を歌唱。トロッコに乗って会場をぐるりと1周し、最後は2人で抱き合った。そこへ原田と上村が加わり、4人は「バレエと少年」を舞台のようなセットにて笑顔で歌い踊る。楽曲が終わると、2輪の花を持ったメンバー全員がステージに登場し、1人ひとり尾関と原田にメッセージを伝えて花を手渡していった。涙で言葉を詰まらせる後輩と同期をまっすぐに見つめ、思いを真摯に受け止めていく尾関と原田。菅井は尾関についてMC中に何度も助けられていたこと、原田の学業と仕事を両立する姿を尊敬していたことを語り、2人の卒業を笑顔で祝福した。
寂しい空気を吹き飛ばすように、尾関が「一番の思い出作れるかー!」、原田が「雨にも負けないくらい、最後までやれんのかー!」と叫ぶと、ラストナンバー「危なっかしい計画」のパフォーマンスがスタート。メンバーは観客と一緒にタオルを掲げて盛り上がり、笑顔を弾けさせる。ラストにはメンバーが振り回していたタオルが、尾関と原田の名前入りのタオルだったことが種明かしされた。楽曲が終わると花火が空に打ち上がり、原田と尾関の門出を祝福。2人は最後までステージに残り、手をつないで「バイバーイ!」「大好き!」と叫んでライブに幕を下ろした。
「W-KEYAKI FES.2022」2022年8月20日 富士急ハイランド コニファーフォレスト セットリスト
01. 太陽は見上げる人を選ばない
02. Buddies
03. なぜ 恋をして来なかったんだろう?
04. Microscope
05. それが愛なのね
06. 偶然の答え
07. 五月雨よ
08. 思ったよりも寂しくない
09. 無言の宇宙
10. コンセントレーション
11. カレイドスコープ
12. ブルームーンキス
13. 恋が絶滅する日
14. 車間距離
15. 流れ弾
16. BAN
<アンコール>
17. 音楽室に片想い / バスルームトラベル
18. バレエと少年
19. 危なっかしい計画
※山崎天の崎はたつさきが正式表記。
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櫻坂46が日向坂46のバトン受け取りケヤフェス完走、雨粒光るステージで原田&尾関の門出を祝福 https://t.co/jVHbP54wv9