超特急が全国ホールツアーを開催するのは、2019年の春夏に行われた「BULLET TRAIN SPRING / SUMMER TOUR 2019 EUPHORIA ～Breakthrough, The Six Brave Stars～」以来、約3年ぶりのこと。ひさびさの全国ツアーにして、グループの結成10周年を祝うツアーのタイトルに、5人は「Progress（進化）」という言葉を掲げた。
3年ぶりのホールツアーを楽しみに来場する8号車（超特急ファンの呼称）のため超特急が用意したのは、さまざまなエンタテインメントが詰め込まれたテーマパークだった。ライブの幕が開くと、観覧車やジェットコースター、サーカステントを模したステージセットが光り輝き、そこに現れたメンバーはプリーツを寄せたケープやビッグショルダーのシルエットが豪華なゴールドの衣装で客席に大きな笑顔を向ける。オープニングナンバーの晴れやかなサウンドと共に、5人は8号車を非現実的でファンタジックなライブ空間へと誘ってみせた。
ホール会場ならではの距離の近さもひさびさとあり、パフォーマンス中にはその距離感を楽しむ様子も見せていた5人。リョウガが自慢の顔芸で客席を“威嚇”したり、タクヤが両手でフレームを作ってファンを覗き込んだりと、メンバーはそれぞれに楽しいコミュニケーションを取りながら会場の一体感を高めていった。MCではツアー開幕に合わせて髪の色を変えたユーキとタカシに注目が集まり、タクヤがタカシに向けて「あ、王子様だ」と言葉を送る場面も。そのタカシは“8号車カラー”のピンク色に染め上げた自身の髪型について「俺の“推し色”やから」と、“王子様”らしい発言で会場を沸かせていた。
「皆さん、今日は僕たちに最高に酔いしれちゃってください」と、MCで8号車に語りかけたユーキ。彼の言葉通り、今回のツアーで披露される楽曲は超特急の楽曲ジャンルや表現の幅広さを観る者に再発見させるようなラインナップで、5人は活動初期からずっと愛されている定番曲、ひさびさに披露された人気曲、パフォーマンス披露が待たれていた過去曲、最新アルバム「Dance Dance Dance」からの初披露曲……と、バラエティ豊かな持ち歌を次々と届けてゆく。また、ツアー開幕前から「Progress」のキービジュアルとしてグループの公式SNSなどにアップされていたウサギのキャラクターや「ぴょん特急」という言葉の意味が明かされる展開もライブ中盤に用意されており、ステージ上の5人は持ち前のサービス精神とユーモアをいかんなく発揮して、8号車を笑顔にしていた。
またこの日のライブ終盤には、新メンバー募集という大きな発表が8号車に向けて行われた。突然の出来事に客席は騒然とした空気に包まれたが、メンバーは1人1人、それぞれに抱える正直な思いを8号車に伝える。戸惑いを隠せない客席へ向けて「ペンライトを振ってください」と呼びかけたのはタクヤ。彼は5色の光が揺れる会場を見渡しながら「この景色を見るために僕らは10年やり続けています。この先もずっと、この素敵な景色を僕たち超特急に見せてください。お願いします」と、まっすぐに8号車に呼びかける。リーダーのリョウガは落ち着いたトーンで「7人（体制）から始まっていろんな道のりを走ってきた僕らのすべてを無駄にしないためにも、これからも僕らと一緒に超特急としていてほしいなと思います。一緒にさらなる進化を求めて、新しい未来を目指して走っていけたら」と、8号車に訴えた。
アンコールでタクヤが叫んだのは、「みんな！ これからも超特急と青春しましょう！」という言葉。今よりも高いステージを目指すため、8号車との夢をかなえるための並々ならぬ決意表明を持って、超特急の10周年記念ツアーはスタートした。
新メンバーオーディション発表 メンバーコメント
タクヤ
いろんな感情が巡り巡っていると思いますけど、まずはメンバーの話を聞いてほしいなと思います。10年超特急やってきまして、知っての通り、いろんなことがありました。僕らはさらに進化をしたいですし、皆さんのためにも一緒に東京ドームに行きたいです。この5人で力不足というわけではなくて、さらに上に、何歩も上に一緒に走っていきたいです。僕らは覚悟を持ってこの発表をしました。いろんなことを思うかもしれないけど、付いて来てほしいなって僕は思います。ペンライト、振ってみてください。この景色を見るために僕らは10年やり続けています。この先もずっと、この素敵な景色を僕たち超特急に見せてください。お願いします。
タカシ
このことはずっと、何回も話し合いを……メンバーともスタッフさんとも話し合ってきて、「何が正解なんやろう」ってなりながらも、僕たち超特急はもっともっといろんな景色を見たいし、もっともっといろんな景色を8号車に見せてあげたい。だからこそ新メンバーを募集して、超特急をさらにパワーアップできたらいいなと心の底から思います。これから先もずーっと長く続けていくには力がもっと必要なんです。だから僕たちも、すでに前を向いて走っています。とはいえ8号車のみんな、誰1人も置いていきたくはないし。後悔させるようなグループじゃないってことを絶対に証明してみせるので、この先もずっと温かく見守ってもらえるとうれしいなと思います。
カイ
俺はオーディションに賛成でも反対でもどちらでもなくて。ただ、やることによって面白い出会いがあったりとか、上に行けると確信できるような出会いがあるといいなという思いで発表させていただきました。いろんな感情が入り混じっていると思いますが、ある意味楽しみというか。これから先の10年に向かうためでもありますし、僕たち5人でっていうところもありますけど、より速く上の段階に進むっていう意味で新メンバーを募集したいなと思っています。僕たち超特急を信じて、僕の言葉を信じて付いて来てくれたらうれしいなと思います。ここまで10年間やってきて、僕自身は8号車の皆様に嘘をついたことはないですし、僕自身の思いをしっかりと、いろんな場面で伝えてきたつもりなので。付いてきてもらえるといいなと思います。
ユーキ
正直10年目でこの選択をするって、上を目指すということ以外の何物でもないんです。ぶっちゃけ僕は7人からメンバーが減った瞬間から、考えていました。タカシを見ていたりするとね。僕らもボーカルの声を聞いて踊っているので、タカシが100％の力を出せないライブっていうのはないなって思うんです。メインダンサーバックボーカルで始まった僕たちですから、それは絶対に崩したくないんです。今まで8号車と作り上げてきた大切なものだからこそ、変化じゃなく進化するために、今回このオーディションをやりたいなってすごく前向きに検討しています。ここにいる誰1人置いていかずに、いいメンバーが見つかったらそこで面白い化学反応があるように。みんなを不安にさせてライブをしたくないから、一緒に明るい未来を目指すためにこのオーディションにすべて駆けたいと思っています。なのでみんなも一緒にワクワクしてもらって！ 僕はメンバー、そして8号車のみんなと一緒に夢の場所に行きたいです。前向きに付いて来てくれたらうれしいなと思います。
リョウガ
今、4人の意見を聞いたとおり、オーディションに対して否定的な意見を持ったメンバーはいないよということをまず知っていただきたいです。オーディション、具体的にどういった募集するかというのもこれから決めていくので、何がどうなるかわからんぞと。もしかしたらベースが来たりとか……可能性としてはあるわけよ。そういうね、未知なる出会いや化学反応を求めて探していきたいと思います。今の形から変わってしまうことに対していろんな気持ちになる方がいらっしゃると思うんですけど「うるせえ、いいから付いて来い！」と言う気はなくて。僕の気持ちとしては、7人（体制）から始まっていろんな道のりを走ってきた僕らのすべてを無駄にしないためにも、これからも僕らと一緒に超特急としていてほしいなと思います。一緒にさらなる進化を求めて、新しい未来を目指して走っていけたらなと思いますので、これからも超特急をよろしくお願いいたします。
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