開演前のステージには、ライブタイトルにある「食卓」を彷彿とさせるようなアニメーションが上映され、この映像にはEveのミュージックビデオで描かれているキャラクターが登場した。開演を知らせるベルを鳴らす音が会場内に響くと、ステージを覆う沙幕の向こう側にフードを被ったEveが登場。CD音源化されていない新曲「LEO」を歌い始めると、沙幕には楽曲の歌詞とプロジェクションマッピングによる幻想的な映像が映し出され、オーディエンスはEveが描く楽曲世界に惹き込まれていく。2曲歌い終えたところで沙幕が上がり、Eveがオーディエンスの前に姿を現すと、会場内は盛大な歓声に包まれた。「東京!」と呼びかけたEveは「ナンセンス文学」「アウトサイダー」と人気曲を立て続けに披露してライブ序盤を大いに盛り上げた。
約5000人が集結した客席を見渡したEveは「すごい景色だ」と感嘆の声を上げ、「今日は来てくれて本当にありがとうございます」と、集まったファンに感謝の言葉を伝えた。そしてエレキギターを手にすると、バックバンドのメンバーと目を合わせ「sister」のイントロを弾き始める。Eveはオリジナル曲を作り始めた頃に作曲したこの曲を丁寧に歌い上げ、オーディエンスを魅了した。楽器をアコースティックギターに持ち替えると「去年の今頃作った曲」という紹介から、テレビアニメ「どろろ」のエンディングテーマとして書き下ろした「闇夜」を披露。ステージ後方にはライブのために用意された映像が映し出され、観客たちは食い入るようにEveのパフォーマンスと映像を目に焼き付けていた。
会場内に重低音が響く中、Eveがとつとつと歌い始めたのはライブタイトルと同じ曲名の「胡乱な食卓」。ストリングスの音色をバックに、息遣いまで聴かせる繊細なボーカルで新曲を届けた。バンドメンバーによるインスト曲「fanfare」で大きなハンドクラップが生み出されると、Eveの代表曲の1つ「ドラマツルギー」の演奏へ。「まだまだいけるか!」とEveが力強く呼びかけると、客席からはそれに呼応するように大きな歓声が上がった。多数のレーザーや照明がステージを彩る「ラストダンス」、ストーリー調のMVがステージ後方の巨大スクリーンに映し出された「レーゾンデートル」を経て、ライブは終盤へ。Eveは「人前に出るのが苦手」と話しながらも「こうやって面と向かって時間を共有できることは、すごく大切なことだと思った。皆さんどうもありがとう」と自身の心情を口にした。「最後、みんなで一緒に歌おう」というEveの提案に応えるように、最後の楽曲「バウムクーヘンエンド」では盛大なシンガロングが会場内に響き渡った。
熱烈なアンコールに応え、メガホンを手にステージに舞い戻ったEveは「デーモンダンストーキョー」でライブを再開。さらに「JR SKISKI」のテーマソングとして書き下ろした「白銀」、ロッテのプロジェクト「ピンクバレンタイン」のテーマソング「心予報」という2つのタイアップソングを披露してオーディエンスを歓喜させた。この日の最後の楽曲として、ライブのアンコールで欠かさず披露されている「お気に召すまま」を歌い上げたEveは「ここにいるみんなと過ごした今日という日は二度と戻ってこないけど、僕の心の中には残り続けると思います。また遊んでください」と観客たちに声をかけ、全国ツアー「胡乱な食卓」の幕を閉じた。
終演後、スクリーンにはロッテのプロジェクト「ピンクバレンタイン」の新作ムービーと、5月23日に神奈川・ぴあアリーナMMでワンマンライブが開催される旨を知らせる告知ムービーが上映され、会場内はEveを称える大きな拍手の音に包まれた。
Eve「Eve winter tour 2019-2020 “胡乱な食卓”」2020年1月11日 東京国際フォーラム ホールA セットリスト
01. LEO
02. トーキョーゲットー
03. ナンセンス文学
04. アウトサイダー
05. sister
06. やどりぎ
07. 楓
08. 闇夜
09. 君に世界
10. 胡乱な食卓
11. fanfare
12. ドラマツルギー
13. ラストダンス
14. レーゾンデートル
15. 僕らまだアンダーグラウンド
16. バウムクーヘンエンド
<アンコール>
17. デーモンダンストーキョー
18. 白銀
19. 心予報
20. お気に召すまま
Eve「Eve LIVE Smile」
2020年5月23日(土)神奈川県 ぴあアリーナMM
関連商品
J_ROCKNews @J_ROCKNews
Eve、5000人が熱狂した圧巻のツアーファイナル「心の中で残り続ける」 https://t.co/MfGXcYRrAO