Saucy Dog、初のロングツアーBLITZにて終幕「僕たちは音楽で恩返ししたい」

昨日12月14日、東京・マイナビBLITZ赤坂でSaucy Dogの全国ツアー「ワンダフルツアー2018」ワンマンツアー編の最終公演が行われた。

10月にスタートした「ワンダフルツアー」はサウシーにとって初のロングツアー。対バン編で15本、ワンマン編で10本が開催され、全会場ソールドアウトとなった。最終公演のこの日、せとゆいか（Dr）、秋澤和貴（B）、石原慎也（Vo, G）は順番に登場しそれぞれフロアの真ん中で深くお辞儀したあと、「真昼の月」でライブをスタートさせた。大きな「Saucy Dog」のフラッグを背に3人が力強いバンドサウンドを響かせると、フロアからはいくつもの腕が上がる。間奏ではフロア上空でミラーボールが回り、彼らのパフォーマンスをきらびやかに彩った。

「ジオラマ」「ナイトクロージング」を躍動感たっぷりに届けて冒頭からオーディエンスを高揚させた彼らだが、最初のMCで実はかなり緊張していることを打ち明ける。せとは「だけど、『緊張とか全部含めて楽しめるように』って思えるように成長して帰ってきました」と観客に語りかけた。その後3人は、リズム隊が織りなすグルーヴが心地よい「曇りのち」、石原とせとのユニゾンが美しい「マザーロード」、石原の憂いを帯びた歌声が切ない「コンタクトケース」など多彩な楽曲を演奏していった。

ライブ中盤には石原がアコースティックギター、秋澤がリードギター、せとがキーボードという編成のアコースティックコーナーへ。せとは「大学生のとき初めて作った曲なんです、実は。へんてこな曲だけど、実は切ない曲です」と緊張した面持ちで楽曲について語ったあと、自身がボーカルをとる「へっぽこまん」を披露。透明感のある声で切ない恋心を歌い、観客を魅了した。続く「世界の果て」で3人は、シリアスな楽曲の世界観で場内の雰囲気を一変させた。

「煙」を噛みしめるように歌い上げたあと、石原は「俺たちバンドマンの歌を！」と叫び「メトロノウム」の演奏へ。彼は焦燥感を感じさせるようにエモーショナルにギターをかき鳴らし、秋澤とせともアグレッシブなパフォーマンスで観客を圧倒した。3人はその熱気を保ったまま新曲をいち早く披露。さらにファストチューン「バンドワゴンに乗って」が畳みかけられると、フロアから大きな手拍子が沸き起こった。

石原は「このツアーを通してたくさんの人に支えられていると実感しました。僕たちは音楽で恩返ししたい。僕らの音楽を聴いて『救われた』と言ってくれる人がいるけど、その言葉に僕が救われてて。3人だけじゃBLITZソールドまでたどり着けなかった。本当にどうもありがとう」と観客に感謝を述べる。そして「『みんなの明日が今日よりもっといい日になりますように』と、最後に1曲歌って帰ります」という言葉から届けられたのは「グッバイ」。観客の「グッバイバイ」のシンガロングで場内が一体感で包まれる中、本編の幕が閉じられた。

アンコールを受けて再びステージに戻った3人。石原はしんみりとした様子で「もっともっと成長したいって正直思ってる。成長しなきゃだめだし……」と話し始めるも、ムードを切り替え「がんばって、いい曲いっぱい作るぞー！ 新曲いっぱい聴きたいかー！ もっともっと精進していきます。応援よろしくお願いします！」とあっけらかんと叫び、観客から盛大な拍手を浴びた。最後に彼の「サウシーのきっかけの曲と言っても過言ではない」という言葉から、3人は向き合ってラブバラード「いつか」をプレイ。石原は圧倒的なボーカルを響かせたあと「また来年も、あなたに……あなたに会えますように」と静かに再会を約束し、「ワンダフルツアー2018」を締めくくった。

なおSaucy Dogは4月13日に大阪・大阪城音楽堂でワンマンライブ「YAON de WAOOON in Osaka」を開催する。各プレイガイド、LINEチケットでは12月24日23:59までチケットの先行予約を受け付けている。