結成15周年迎えたシド、ファン熱狂させたインディーズ曲縛りの夜

シドが6月28日に東京・チームスマイル・豊洲PITでライブツアー「SID 15th Anniversary LIVE HOUSE TOUR 2018」の追加公演を開催した。

シドはこのツアーで各公演ごとに「ファン投票LIVE」「暴れ曲限定LIVE」などのテーマを設けてライブを実施。この日彼らは「インディーズ曲限定LIVE」と称して、メジャーデビューした2008年10月以前に発表した懐かしい楽曲を次々と披露した。

昭和歌謡要素の強いナンバー「アリバイ」で艶やかにライブの幕を開けたシド。「蜜指～ミツユビ～」を歌い終えたところでマオ（Vo）は「『インディーズ曲限定LIVE』ということですから、今日は気持ちも体も髪型もインディーズバンドに戻ってやりたいと思います！ 皆さんも今日は普通にシドを応援しているというよりは『私が見つけたのよ、このバンド！』みたいな感じて見守ってくれたら」とこの日のライブの趣旨を改めて語った。「シャッタースピード」を軽快に届けた彼らは「and boyfriend」で煌びやかな音色を響かせる。「Re:Dreamer」ではオーディエンスが熱いコールを飛ばしながら、力強く拳を突き上げた。

結成15周年を迎え、マオは「非常に濃い15年を4人で過ごしてきました。シドはこれからも音楽で自由に表現して、10年、15年とやっていきたいと思うのでよろしく！」と意気込む。その後彼が、ライトが作り出す幻想的な光景の中「ホソイコエ」、アコースティックギターの音色が切なげに響く「ハナビラ」といったバラードナンバーを思いを込めるようにじっくりと歌い上げると、オーディエンスは固唾をのんでその歌に聴き入っていた。

4人の歌声が美しく重なる「ノイロヲゼパアティー」、アコースティックギターとエレキギターの2本を使い分けて演奏されたムーディーなナンバー「誘感コレクション」を経てライブは終盤へ。彼らは「プロポーズ」を皮切りにアッパーチューンを連投し、場内に熱狂の渦を巻き起こしていく。マオはステージの前方に進み、フロアの熱を直に浴びながら力を込めて楽曲を歌い上げた。「シドが結成してすぐにできた曲です！」とマオが前置きし、彼らが演奏し始めたのは「できそこない」。間奏ではマオが「懐かしいな。昔は30人くらいしか『キャー』って言ってくれなかったんだよね」と大歓声を浴びながら笑顔で場内を見渡す一幕もあった。そして彼らが「インディーズ曲限定LIVE」の本編のラストナンバーとしてセレクトしたのは「吉開学17歳(無職)」。叩き込まれる力強いドラムのビートに合わせてオーディエンスがなりふり構わず頭を振り、場内は熱気に包まれた。

盛大なアンコールを求める声に応えて再びステージに現れたシドは、「live」で温かみのあるアンサンブルをゆったりと響かせる。この季節にぴったりのポップチューン「夏恋」がさわやかに届けられると、観客は笑顔で体を揺らした。盛大なコールが沸き起こった「Dear Tokyo」を経て、この日彼らが最後に繰り出したのは「眩暈」。大盛り上がりのフロアを見渡した明希（B）が「15年間シドをやり続けてきて本当によかったよ！ 最高の景色です。どうもありがとう！」と観客に感謝を述べると、Shinji（G）も「みんなのことを何倍も好きになったツアーでした！」と告げる。そしてゆうや（Dr）が「これからも一緒にみんなで走り続けましょう！」と呼びかけたあと、最後にマオが「15周年も、その先もずっと、シドのことを愛してください。愛してます！」と思いを伝え、温かな空気の中結成15周年ツアーの幕は下ろされた。