NICO Touches the Walls、インディーズ曲縛り白熱の“1125の日”

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NICO Touches the Wallsが、“1125(イイニコ)の日”にあたる昨日11月25日に東京・赤坂BLITZにて企画ライブ「NICO Touches the Walls 1125/2016」を実施した。

観客に支えられながら「泥んこドビー」を歌う光村龍哉(Vo, G)。(撮影:上飯坂一)

観客に支えられながら「泥んこドビー」を歌う光村龍哉(Vo, G)。(撮影:上飯坂一)

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「NICO Touches the Walls 1125/2016」の様子。(撮影:上飯坂一)

「NICO Touches the Walls 1125/2016」の様子。(撮影:上飯坂一)[拡大]

昨年は古村大介(G)がケガで欠席したことから、全員そろって“1125の日”ライブを行うのは2年ぶりとなった彼ら。毎年趣向を凝らしたセットリストが用意されているが、今年は光村龍哉(Vo, G)がTwitterで「リリースから10年、、、 赤坂の7畳半のスタジオで産まれた曲達を、再び赤坂の地で再解釈し、鳴らそうと思う」と予告していたように、本編は2016年にリリースされた1stミニアルバム「Walls Is Beginning」と2ndミニアルバム「runova × handover」の楽曲のみで構成した内容となった。

光村龍哉(Vo, G)(撮影:上飯坂一)

光村龍哉(Vo, G)(撮影:上飯坂一)[拡大]

光村の「ようこそ」という手短な挨拶を経て、バンドはオープニングナンバーとして「Walls Is Beginning」に収録されている「行方」をプレイ。幻想的なギターの音色に乗せて、光村の伸びやかな歌声が広がっていく。ダークブルーで統一された照明も手伝い、会場は落ち着いた空気で包まれた。2曲目の「壁」で照明は鮮烈な赤に変わり、同時にバンドの激しい一面があらわに。観客は1音1音を噛みしめるように、普段のライブでは聴けないレアなナンバーを堪能していた。

古村大介(G)(撮影:上飯坂一)

古村大介(G)(撮影:上飯坂一)[拡大]

「誰が呼んだか知らないが、今年もやってきました『1125の日』です」という光村の言葉からMCが始まり、彼はこの日はインディーズ時代の曲を再現するライブであることを説明。「当時の音を聴くと、若いなあというのは否めないわけで。30代になった僕たちが確かめたくて」とライブのコンセプトについて触れた。そのあとに続いたのは、抑制を効かせたサウンドが切ない歌詞の世界を引き立てた「梨の花」や、渋味を増したブルージーな「僕がいなくても地球はまわってる」などメンバー曰く“暗い”曲たち。ひさしぶりに演奏する曲ばかりのためかステージにはどこか緊張感が漂い、フロアにも伝染していく。しかし「僕がいなくても地球はまわってる」の途中で光村が歌詞を飛ばし「ときを1分ほど巻き戻しましょう!」と口にしたことから空気が和らぎ、観客はクラップをしたり、体を揺らしたりと思い思いの形で4人の演奏を楽しみ始めた。イントロが奏でられた瞬間に歓声が起こった「プレイヤ」では、間奏で4人の激しいセッションが繰り広げられる。10年のときを経て磨き上げられた演奏力と表現力によって、バラードはより深みを増し、ロックチューンはより激しくと、曲の振り幅の広さが際立つ形となった。

坂倉心悟(B)(撮影:上飯坂一)

坂倉心悟(B)(撮影:上飯坂一)[拡大]

対馬祥太郎(Dr)(撮影:上飯坂一)

対馬祥太郎(Dr)(撮影:上飯坂一)[拡大]

光村が「(昔は)妙に渋い人たちから対バン誘われるなと思ってたんですが、10年経って改めて演奏してみるとわかるよね」と暗く重い曲調が多いインディーズ時代の曲についてしみじみ語ると、対馬祥太郎(Dr)は「これで20歳だよね……」、坂倉心悟(B)は「怖いもの知らずだったねえ」とコメントする。光村は「これで100万枚売りたいって言ってたね……」と苦笑いするも、「まだまだこういうディープな時間が続きますよ!」と「病気」につなげた。

骨太でどっしりとしたアンサンブルが光った「3年目の頭痛薬」のあとは、「アボガド」「そのTAXI.160km/h」が投下されオーディエンスを煽っていく。トドメとばかりに披露された「泥んこドビー」では、曲のクライマックスで光村が観客に支えられながら「だから転がせろ 俺を転がせろ」と絶唱。これによって場内の熱気はさらに高まり、その後の「image training」でピークに達する。しかし明るいムードのまま終わらないのが彼ららしいところ。本編はバラード「雨のブルース」で締めくくられ、穏やかで優しい余韻が漂った。

アンコールの冒頭で光村が「非常に暗いライブでしたねえ。10年経って、歌のスキルも演奏のスキルも上がって、最近めっぽう明るいじゃないですか、僕たち。だから楽しい雰囲気にできるかと思いましたが……暗いですね」と語り若干謝罪ムードに。しかし観客はレアな楽曲を今のNICO Touches the Wallsの演奏で味わえたようで、楽しそうな表情を浮かべていた。そして、光村の「あの暗い時代からこの10年間でどういう歩みをしてきたか証明したいと思います!」という言葉から新曲「マシ・マシ」へ。陽気なバンドサウンドと、観客のクラップが溶け合いハッピーな空気が作り出される。11月25日にしか演奏されない「1125のテーマ」でライブは大団円を迎え、4人は「来年も1125の日に会いましょう!」と約束して笑顔でステージをあとにした。

なおアンコールではライブDVD / Blu-rayのリリースや、来年2月からの全国ツアーの開催などが発表されファンを喜ばせていた。

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NICO Touches the Walls「NICO Touches the Walls 1125/2016」
2016年11月25日 赤坂BLITZ セットリスト

01. 行方
02. 壁
03. 梨の花
04. 僕がいなくても地球はまわってる
05. 幾那由他の砂に成る
06. プレイヤ
07. 病気
08. 3年目の頭痛薬
09. アボガド
10. そのTAXI.160km/h
11. 泥んこドビー
12. image training
13. 雨のブルース
<アンコール>
14. マシ・マシ
15. 1125のテーマ

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無機質P @zetsubou_man

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