くるり3度目武道館ライブで“謎の板”の秘密を明かす
2009年7月10日 17:20 5
昨日7月9日、
全国16公演にわたる今回のツアーでは、合計5万人を動員。彼らにとって3回目となるこの日の武道館公演には1万1000人のファンが訪れ、最新アルバム「魂のゆくえ」を中心とした数々の名曲を堪能した。
客電が落ちた武道館に、ビゼー「アルルの女」第1組曲前奏曲が流れ始める。その音に乗って岸田繁(Vo,G)と佐藤征史(B)、サポートメンバーの堀川裕之(D/
序盤は旧譜の楽曲を中心に、スリーピース編成ならではのストレートなロックアレンジでのステージが続く。武道館という大会場らしく、複雑なライティングや映像などの演出も加わり、彼らの楽曲の世界を盛り上げる。
4曲目が終わったところで岸田がオーディエンスに挨拶。「くるりとしては3回目の武道館になるんですが、ひとつだけ言っときたいことがありまして……ライブハウス武道館へようこそ!」。ロックファンなら誰もが知っている名ゼリフを改めて言い放つ岸田に、客席からはさまざまな笑いが起こった。
中盤は「魂のゆくえ」収録曲を中心とした流れ。それぞれの曲の持つ不思議なムードを、サポートギタリストの山本幹宗(
その一方、MCでは岸田と佐藤が武道館に関する思い出を語った後、「1回くるりのライブ観てみたいよね」「まあ一生かなわないけどね(笑)」と話し合ったり、曲を終えた岸田が「今、蚊に食われました(笑)なんか歌ってる最中に蚊が止まって『あっ!』て思ったんですけど」と明かすなど、彼ららしい素のトークで観客を和ませた。
本編終盤の「ロックンロール」では岸田がこの武道館で観た、THE WHOのピート・タウンゼントを真似たウィンドミル奏法でメガネを吹っ飛ばすハプニングも。そしてラストは東京公演にふさわしく「東京」を激しいパフォーマンスで披露。メガネが顔からずり落ちながらも熱唱する岸田と、力強いベースラインとコーラスを聴かせる佐藤の姿が印象的な最後となった。
アンコールを求める拍手が武道館に鳴り響く中、ステージ上のスクリーンに何の前触れもなく秋の全国ツアー「とろみを感じる生き方」のスケジュールが映し出された。大きなどよめきが起こる中、スクロールしていく日程の中に関東公演が出てくると、場内からは大歓声が沸く。今回の武道館公演、そして京都音博を終えた彼らが今度はどんなステージを展開するのか、ますます楽しみにさせる演出だった。
再びメンバーがステージに登場。ここで恒例の佐藤による物販紹介コーナーが始まる。紹介し終えたグッズを無造作にステージ上に放り投げる佐藤の仕草に、場内からは微かな笑いも。そんな中、「今回一番説明しなきゃいけないのがですね、これなんです」と、「魂のゆくえ」初回盤に封入された“謎の板”についての説明が始まった。
この“謎の板”は幅4センチ、長さ12センチの、ニューヨークのメトロカードを模した板。くるり公式モバイルサイトの「QUEST BBS」やSNSなどでファン同士による謎ときが進んでいたが、このステージで初めてメンバーから「謎の板を歌詞カードに当てて浮かび上がる文字をURLとして入力すると、くるりが用意した“物語”にアクセスできる」という、“謎の板クエスト”の正体が公開された。
アクセス先の特設サイトで展開中の物語は、岸田によると「『魂のゆくえ』に関連する、くるりが作ったもう一つの作品」とのこと。「ドラクエを買わずにみんなで挑戦する謎ときです(笑)」と語っており、ファン同士の協力が不可欠なプロジェクトだ。現時点で謎ときはQUEST4まで進行中。まだ挑戦していなかった人は、解説ページからチャレンジしていってみよう。
“謎の板”の謎を明かしたメンバーは、ようやくアンコールの楽曲を披露。計3曲を演奏したあとも観客の拍手は鳴りやまず、くるりとしては珍しいダブルアンコールに突入した。
ステージに戻ってきた岸田は「ダブルアンコールなんてもう記憶にないぐらいやってないんですが(笑)、最後に1曲だけやりたい曲があるんで、愛をこめて歌います」と語り、武道館ライブの最後を締めくくる「魂のゆくえ」を奏で始める。アルバムよりもさらに研ぎ澄まされたアレンジで、曲に込めた思いがより強く伝わるパフォーマンス。観る人たちがそれぞれの魂のゆくえに想いを馳せるような深みのあるナンバーで、全22曲にわたるライブが終了した。
このライブの模様は9月13日(日)23時より、WOWOWにてオンエアが決定。ライブに参加した人もそうでない人も、ぜひチェックしよう。
リンク
- 魂のゆくえ - くるり×「謎の板」-
- くるり on WEB
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はぎ @hagi9730
12年前のライブツアーの名前が敦煌〜ドンファン〜
https://t.co/G3BXsM4zRF