“日本一のクルー”ライムス、リップ、キック、メロー、EAST END集結の奇跡の夜

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12月19日に東京・EX THEATER ROPPONGIにてRHYMESTERの結成25周年記念イベント「R 25 RHYMESTER 25th. Aniv. with FUNKY GRAMMAR」が開催された。

「R 25 RHYMESTER 25th. Aniv. with FUNKY GRAMMAR」フィナーレの様子。

「R 25 RHYMESTER 25th. Aniv. with FUNKY GRAMMAR」フィナーレの様子。

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このイベントには、RHYMESTERが所属するヒップホップクルー・FUNKY GRAMMARのメンバーであるEAST END、RIP SLYME、KICK THE CAN CREW、MELLOW YELLOWらが集結。第1部は各ゲストがオリジナル曲に加え、自らが選曲したRHYMESTERトリビュートを披露した。

イベントの開会宣言を行ったのは、この日の出演者で唯一FGメンバーではない童子-T。FGではないものの長きに渡りRHYMESTERおよびクルーと密接に関わってきた彼は、いわば“名誉FG”。童子-Tは「25年、いろいろあったんだよ。日本で一番カッコよくて、一番ヤバくて、一番尊敬できるグループだと思ってます。そんなRHYMESTERの25周年を一緒に祝えることをうれしく思います」と感慨深げに語り、記念すべきステージの幕を落とした。

RHYMESTER

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するといきなりフォーマルなスーツ姿のRHYMESTERが新曲「Still Changing」をパフォーマンス。場内が沸き立つ中、3人は「R」と付くライブシリーズについて説明。今回の「R 25」は「20周年で何やるかってなったときに、FGの仲間たちと祝いたいよねってことになったんですよ」と話し、「今となっては超ビッグになった僕たちの仲間を紹介します! 年功序列でいきましょうかね」とクルーの中ではもっとも若手のKICK THE CAN CREWを紹介した。

「士郎さん(宇多丸)なげーよ!」というKREVAのツッコミとともに、ステージ両脇の回転セットに乗って姿を現したキック。まずはこのシーズンに似合う「クリスマス・イブRap」を送る。次はRHYMESTERトリビュートだが、それぞれに思い入れのある3人はどの曲をカバーするか意見がぶつかったということで、1人1曲担当するメドレー形式に。KREVAは「悪趣味節」、MCUは「口から出まかせ」、LITTLEは「Walk On-Hey,DJ JIN Pt.2-」を披露し、次の「マルシェ」も含めてフロアを熱狂に導いた。

この日は各ゲストのアクトが終わるとすぐにセットが回転。宇多丸と童子-Tが司会を務め、Mummy-D、DJ JIN、各ゲストがソファに座りながら進行するトーク番組風コーナー“ライムスターの部屋”へ。ここでは各ゲストが持ち寄った思い出の写真をスクリーンに映しながらRHYMESTERとの思い出やトリビュート選曲理由などを話した。キックは、さまざまなラッパーが出演した「B-BOYイズム」のビデオクリップ撮影時の写真などを公開。「これ誰?」「もともとクレちゃんと雄志(MCU)は別のクルーにいて……」など、ひさびさに集結した同志との思い出話は絶えず、宇多丸は「えー皆さん、今日こういう時間のほうが多いんで!」とオーディエンスに釘差した。

続くアーティストは「今日、俺たちはただ暴れたいだけなんですよ」というRIP SLYME。アルバム曲「Watch out!」で豪快なドラムンベースを響かせ、RHYMESTERトリビュートには1stアルバム「俺に言わせりゃ」収録の「ヴァイオレンス・ファンタジー」をセレクト。そのコアな選曲と場内の反応を受けて、宇多丸やMummy-Dはトークパートが始まるなり「やってくれたな!」とけしかけ、RYO-Zは「俺たち世代にとってやっぱり“俺言わ”はクラシックなんで! 俺とPESくんは練習なしの丸暗記ですよ」と弁明した。

2010年から活動休止中のMELLOW YELLOWは、ひさびさにKOHEI JAPAN、K.I.N.、DJ ISOの3人そろった姿を見せ、1日限りの封印を解くように代表曲6曲をつなげたメドレーを投下。現在のRHYMESTERのライブにおけるキラーチューン「付和Ride On」もカバーした。その後はMummy-DとKOHEI JAPANの兄弟トークも見られ、兄のDがライブでバテ気味のKOHEIに「お前のそのユルさ、どうにかなんないの?」と言うも、宇多丸が「メローにしてはよくやってましたよ」、童子-Tが「メローは昔ライブ中に寝てたからね」とフォローする一幕もあった。

ゲストアクトの最後は、宇多丸が「真面目な話、この人たちとの出会いは非常に大きい」と語るEAST END。GAKU-MC、ROCK-Tee、YOGGYの3人がそろってEAST END名義でパフォーマンスをするのは7、8年ぶりという貴重なステージだ。YOGGYがターンテーブルを操り、ROCK-Teeがサンプリングパッドを叩き、GAKUはアコースティックギターを抱えて自身のオリジナル曲「昨日のNo. 明日のYes」を歌いながら登場。そしてGAKUは「RHYMESTERとは高校生くらいからの付き合いで、いこうと思えばいくらでもドマニアックな曲いけるんですけど、何かちょうどいいの……あっ」という流れからRHYMESTERトリビュート「ちょうどいい」へ。3コーラス目はRHYMESTERの歴代の曲名を盛り込んだGAKUオリジナルのリリックという粋な演出もあった。さらに大ヒット曲「DA.YO.NE」のイントロを流してフロアを沸かせ、ラストはEAST ENDがRHYMESTERをフィーチャリングした「チョコレートシティ」を生共演という形で届けた。

RHYMESTER

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第2部が始まり、主役のRHYMESTERによるライブに。自分たちの歴史を凝縮した計20曲のメドレーには、アイデンティティを示す「キング オブ ステージ」「B-BOYイズム」や2001年のメジャーデビュー曲「ロイヤル・ストレート・フラッシュ」、2009年の活動再開を飾った「ONCE AGAIN」などアンセムばかりが盛り込まれていた。これを終えると、現在のライブレパートリーの中でもっとも古い曲だという「And You Don't Stop」をレコード2枚使いのオーセンティックな形式で披露した。

そしてイベントはRHYMESTERを囲む表彰式へ。この日の出演者がわらわらとステージに集まり、「これまでFGをとりまとめてくれたボス」のROCK-Teeが「四半世紀にわたり活躍した偉大な功績を称え……」と表彰状をRHYMESTERに授与する。すると宇多丸は「このメンバーが集ってこんな式典だけで終わっていいのでしょうか!? 次いつこのメンツがそろうかわからないのだから! あの曲をかまそうと思います!」とまくしたて、オーディエンスが待ち望んだ「ウィークエンド・シャッフル」が場内に流れ出した。

14名のラッパーやシンガーの参加したこの曲が、ライブで披露されるのは2007年のRHYMESTER武道館ライブ以来。唯一来られなかったCUEZEROのパートは全員で担当した。その後、固い握手を交わして仲間たちがステージを去ると、宇多丸は「名実ともに日本一のクルーです。誇りに思います」と、Mummy-Dは「みんなを楽しませるためだったら、歳も歳だし、もう手段を選びません!(笑)」とそれぞれ胸を張った。

「『R』シリーズは突然終わる」という慣例に則って、次の曲「オイ!」の終わりと同時に幕が降り、盛りだくさんのイベントは終演。最後にスクリーンでは、春にRHYMESTER初の主催フェス「人間交差点」を開催すること、ビクターエンタテインメントに移籍し主宰レーベル「starplayers Records」を設立することが発表され、観客は楽しい思い出と重大ニュースをお土産に帰路についた。

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R 25 RHYMESTER 25th. Aniv. with FUNKY GRAMMAR
2014年12月19日 EX THEATER ROPPONGI セットリスト

Opening Ceremony

・開会の挨拶
・Still Changing / RHYMESTER

KICK THE CAN CREW

01. クリスマス・イブRap
02. RHYMESTERトリビュートメドレー(悪趣味節 / KREVA~口から出まかせ / MCU~Walk On-Hey,DJ JIN Pt.2- / LITTLE
03. マルシェ

RIP SLYME

01. Watch Out!
02. ヴァイオレンス・ファンタジー(RHYMESTERトリビュート)

MELLOW YELLOW

※1~6曲目はメドレー
01. NITE BIRD
02. アースシェイカー
03. NO QUESTION
04. GOOD COMBINATION
05. ON THE ROCK
06. TOP ROCK
07. 付和Ride On(RHYMESTERトリビュート)

EAST END

01. 昨日のNo. 明日のYes
02. ちょうどいい
03. チョコレートシティ feat. Rhymester

RHYMESTER

※1~20曲目はメドレー
01. After The Last
03. キング オブ ステージ
04. リスペクト
05. 耳ヲ貸スベキ
06. B-BOYイズム
07. 勝算(オッズ)
08. ロイヤル・ストレート・フラッシュ
09. ウワサの真相
10. スタンバイ・チューン
11. 現金に体を張れ
12. ザ・グレート・アマチュアリズム
13. HEAT ISLAND
14. We Love Hip Hop
15. ONCE AGAIN
16. 付和Ride On
17. ラストヴァース
18. そしてまた歌い出す
19. フラッシュバック、夏。
20. The Choice Is Yours
21. And You Don't Stop
表彰式
22. ウィークエンド・シャッフル feat. MCU, RYO-Z, KREVA, CHANNEL, KOHEI JAPAN, SU, LITTLE, ILMARI, GAKU-MC, SONOMI, PES, K.I.N., 童子-T
23. オイ!

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