菊地成孔オーチャード2DAYS公演で最高の空間を演出
2008年12月11日 19:02 1
クラブやフェスに適応が高く、菊地自身が“高級ホストクラブ”と語るダブ・セクステットと、コンサートホールでの儀式的な音楽会のために組織されたようなペペ・トルメント・アスカラール。今回の公演では対称的な2つのバンドが連日演奏することにより、オーチャードホールという会場のまったく異なった魅力を引き出すことになった。会場では両日とも菊地成孔のセレクトによる、それぞれの音楽とマリアージュするお酒を販売。ドレスアップした満員の観客はそのお酒を楽しみながら最高の音楽に酔いしれた。
第1夜はゲストの沖野修也(KYOTO JAZZ MASSIVE)によるオープニングDJ中にダブ・セクステットのメンバーが登場。沖野のDJとつながりつつ徐々に演奏がスタートする。サックスとトランペットがステージの袖に退いてはまた戻るというジャズ独特の演奏を、彼らはソロパートを順に回しながらクールかつアグレッシブに展開。日本刀で素早く切り裂いていくようなナンバーから、ダブエコーの効いたゆっくりと愛撫するような演奏まで続々と披露され、完璧に制御されていながら予定調和ではない彼らの持ち味が遺憾なく発揮された。またこの日は演奏終了後、初めてメンバー6人全員でのサイン会が行われた。
第2夜のぺぺ・トルメント・アスカラールは、オーチャードホールならではの優雅で切ない音世界を披露。ニューアルバム「記憶喪失学」や「野生の思考」「南米のエリザベス・テーラー」といったアルバムから、メドレーやアンコールを含め全16曲が演奏された。熱病にうなされたような現代音楽ナンバー「ソニア・ブラガ事件」など、ここでしか味わえないパフォーマンスが繰り広げられた。特に第2部オープニングの即興から「プラザ・レアル」、ライブ初披露となる13分に及ぶ新曲「大天使のように」までの流れは圧巻。ハープとバンドネオンなどの編成によるプログレ的なサウンドで、このバンドの真骨頂とも言える盛り上がりとなった。アンコールではハダメス・ニャタリのカバー「メウ・アミーゴ・アントニオ・カルロス・ジョビン」と、菊地のボーカル曲「恋とは何か貴方は知らない」をなまめかしく演奏。最後に菊地成孔と菊地幹代(viola)、大儀見元(percussion)のサイン会が行われ、2日間の菊地祭りは閉幕した。
2008年12月5日(金) 第1夜:菊地成孔ダブ・セクステット
01. Dub Liz
02. Susan Sontag
03. Caroline Champetier
04. (I'VE LOST MY)TAYLOR BURTON
05. Invocation
06. Dub Sorcerer
E1. MONKEY MUSH DOWN
<メンバー>
・菊地成孔 (Tenor Sax)
・坪口昌恭 (Piano)
・Pardon 木村 (Dub)
・類家心平 (Trumpet)
・鈴木正人 (Bass)
・本田珠也 (Drums)
スペシャルゲストDJ:沖野修也(KYOTO JAZZ MASSIVE)
2008年12月6日(土) 第2夜:菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール
<1st set>
1. 即興~夜の全裸
2. 京マチ子の夜
3. (O.S.T.&即興メドレー)
映画「バターフィールド8」~バターフィールド8のテーマ
エアーコンディショナーのTVCMの悪夢
はなればなれ
クイズ番組のTVCMの悪夢
映画「アルファビル」~悲しきワルツ
4. ソニア・ブラガ事件
<2nd set>
05. 即興~プラザ・レアル
06. 大天使のように
07. 航空会社のTVCMの悪夢
08. 儀式
09. (バンドネオンソロ)
ルペ・ベレスの葬儀
10. 映画「8 1/2」 ~ それから‥‥(ワルツ)より
<アンコール>
E1. メウ・アミーゴ・トム・ジョビン
E2. 恋とは何か貴方は知らない
<メンバー>
・菊地成孔(Saxophones,Vocal)
・早川純(Bandneon)
・林正樹(Piano)
・大儀見元(Percussion)
・田中倫明(Percussion)
・堀米綾(Harp)
・藤堂昌彦(1st violin)
・楢村海香(2nd violin)
・菊地幹代 (Viola)
・徳澤青弦(Violoncello)
・鳥越啓介(Bass)
・中島ノブユキ(Arranger / Composer)
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音楽ナタリー @natalie_mu
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