昨日11月24日、
ステージ両翼に「YOU CAN BREAK THE SILENCE」と書かれた旗が雄々しくはためく中、約9000人という満員のオーディエンスの熱い手拍子に導かれて高橋が登場。「今日は来てくれてありがとう! 一緒に歌おうぜ武道館!」と叫んで1曲目の「ボーリング」を演奏し始めると、観客は拳を突き上げて「面倒臭え!」と何度も繰り返される歌詞のワンフレーズを大合唱した。冒頭は「陽はまた昇る」「こどものうた」といったナンバーの連続で、武道館は早くも熱を帯びていく。
高橋は、5月からのライブハウスツアー「BREAK YOUR SILENCE」、7月からのホールツアー「BREAK OUR SILENCE」、そしてアルバム「BREAK MY SILENCE」と、今年は一貫して「沈黙をぶっ壊していこう」というをテーマで活動してきたことを説明。「今まで最初のMCでは『今日はライブであってライブじゃない。自由に声を上げる集会なんだ』と言ってましたが、今日はただの集会じゃありません。大集会です。一緒に大声張り上げようぜ武道館!!」と9000人を奮い立たせた。
志を1つにしたあとは、「HITO-TO-HITO」「花のように」「蝉」に続き、アコースティックギターに持ち替えて「ほんとのきもち」を披露。ひさびさにライブで歌うという「サンドイッチ」「靴紐」「8月6日」も3曲続けて聴かせた。
武道館が高橋優独特の世界観に惹き込まれる中、高橋は「次に歌う曲は、人生を生きていく上で強さってどういうことだろうと考えて書いた曲です。でもツアーで歌っているうち、聴いてくれる人の顔を見ていたら、探してた強さって、人に笑ってもらいたいと思う気持ちだったり、俗にいう優しさが強さなのかなと気付きました」と告白。それを受けて、自身のいじめ体験などを赤裸々につづった「CANDY」を演奏し、ピアノと声のみによる「少年であれ」へ流れる。それまで手を上げて盛り上がっていた会場も静まり返って、高橋の渾身の熱唱に耳を傾けていた。
そんな沈黙を破るかのごとく、“BREAK THE SILENCE”というテーマのきっかけとなった曲「(Where's)THE SILENT MAJORITY?」からライブは次の展開へ。高橋の地元・秋田のなまはげをフィーチャーした「泣ぐ子はいねが」では爆発の特効が、次の「現実という名の怪物と戦う者たち」ではカラフルなテープが観客のテンションを高揚させる。そして2010年7月にリリースされたメジャーデビューシングル「素晴らしき日常」の演奏中には、高橋がデビュー前後に行った路上ライブの映像がスクリーンに映し出され、彼のルーツと“リアルタイム・シンガーソングライター”魂を物語っていた。
「今日は武道館に集まった皆さんの歌声を聴きながら、僕らはつながってるんだなということを何度も実感させてもらいました。高橋優という1人の人間として、一生をかけてこのつながりを大事にしていこうと思います」と万感の思いで語った高橋は、本編ラストに「同じ空の下」を送る。高橋の歌声とオーディエンスの大合唱が混じり合い、場内全体にこだましていた。
アンコールでは、来年2月公開の映画「東京難民」の主題歌として書き下ろした新曲「旅人」を初披露。人生を旅に例えたミドルナンバーを聴かせる。最後に「本当に胸がいっぱいで、歌ってるとグワーッと熱いものが込み上げてきます。ここに集まっている皆さんが、明日からも笑って歩いていけますようにという願いを込めて」と話して始めたのは「福笑い」。客電が点灯し、武道館中が笑顔に包まれる中、高橋は「それぞれの日常にはいろいろあるけど、1人じゃないってこと、また会えるってこと、それを僕はすごく楽しみにしてるってこと、絶対に忘れないでください。ありがとうございました!!」と絶叫した。
予定されていた内容を完遂したあとも、なお鳴り止まない声に応えてダブルアンコールが実現。高橋は映像もなくシンプルなライトで照らされるステージに1人立ち、「原点を忘れない」という思いを込めてインディーズ時代から歌い継いでいる「駱駝」を届けた。高橋と観客の熱い歌声、アコギの音色、手拍子のみが場内に響きわたり、“高橋優らしさ”を体現した光景で初の武道館公演は幕を閉じた。
高橋優「高橋優2013日本武道館『YOU CAN BREAK THE SILENCE IN BUDOKAN』」
2013年11月24日 日本武道館 セットリスト
01. ボーリング
02. 陽はまた昇る
03. こどものうた
04. HITO-TO-HITO
05. 花のように
06. 蝉
07. ほんとのきもち
08. テレビを見ながら
09. サンドイッチ
10. 靴紐
11. 8月6日
12. CANDY
13. 少年であれ
14. (Where's)THE SILENT MAJORITY?
15. 泣ぐ子はいねが
16. 頭ん中そればっかり
17. 現実という名の怪物と戦う者たち
18. 素晴らしき日常
19. 同じ空の下
<アンコール>
20. 旅人
21. 友へ
22. 福笑い
<ダブルアンコール>
23. 駱駝
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武道館もいっぱいにするひとなんだ…
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