2012年10月より約半年間活動を休止していたが、今年5月に津野米咲(G, Piano, Cho)の復活とともにバンドを再始動させた彼女たち。今回のツアーでは8月にリリースされた1stフルアルバム「公園デビュー」を携え全国6会場を回り、各地で熱いステージを繰り広げた。
ライブは歌川菜穂(Dr)の叩く軽やかなリズムから幕を開け、佐藤千明(Vo)の揺らめくような歌声とジャジーなアンサンブルで魅せる「今更」、津野と藤本ひかり(B)の不気味なアンサンブルが響く「娘」など、攻撃的なナンバーが立て続けに披露された。佐藤はあどけない歌声を聴かせたかと思えば、声を張り上げて絶唱するなど楽曲ごとに表情を変えていく。「よなよな」ではコケティッシュな踊りと歌声で観客の視線を釘付けにし、フロントマンとしての貫禄を見せつけた。ライブ前半はインストゥルメンタルナンバー「ずっと」を挟みつつ、9曲をほぼ休みなしで届けた4人。前半の最後を飾った「副流煙」では、歪んだディストーションギターと佐藤の激しい歌声が絡み合い、張りつめた空気を醸し出していた。
続いてのブロックでは、リズム隊の藤本と歌川は一旦退場し、佐藤と津野からなるユニット「デカイほうですいません」によるアコースティックセッションが展開される。2人は各地のライブで遭遇したユニークなファンのエピソードを語る傍らで、チャーミングな「つぶ」や未音源化の「MAT BLUE」をコンパクトな編成でパフォーマンス。赤い公園の幅広い一面をアピールする。
藤本と歌川を呼び戻してからは、「塊」を皮切りに怒濤の後半戦へ。「もんだな」では佐藤の「後半戦いきますよー!」という叫びに続いて、「男子! 女子! キネマ!」というコール&レスポンスによってフロアに一体感が生み出され、「カウンター」では観客がモッシュを起こし狂騒に拍車をかける。さらに「くい」では藤本が下手の半階上にあるミニステージで客席を見渡すようにプレイしたり、佐藤、藤本、津野の3人がEXILEばりのダンスを披露したりと奔放ぶりを発揮。本編は佐藤の「これからも赤い公園のことをどうぞよろしくお願いします!」という挨拶を経て、ライブの定番曲「ふやける」で締めくくられた。
4人が地鳴りのようなノイズを残してステージをあとにすると、観客は即座にアンコールを求める。メンバーは白いジャケットにパンツ姿という凛々しいファッションに衣装替えして登場すると、笑顔を浮かべながら「交信」をプレイ。天井から「∞」を模したオブジェが飛ばされる中、オーディエンスはメンバーとコミュニケーションを図るように人差し指を高く掲げる。「交信」を届け終えた4人はミニステージに移動し、「ありがとうございました!」と一列に並んで挨拶。そして金色のリボンテープが華々しく会場を舞う中で、4人は晴れやかな笑顔とともにカーテンの向こうに消えていった。
なお赤い公園は、2014年2月12日にニューシングル「風が知ってる / ひつじ屋さん」をリリースし、3月27日には東京・LIQUIDROOM ebisuにて自主企画ライブを開催することが決定。2014年は今年以上にアグレッシブな活動で楽しませてくれそうだ。
赤い公園「赤い公園ワンマンツアー2013『いざ、公園デビュー~トトトツーツーツートトト~』」
2013年11月23日 東京都 東京キネマ倶楽部 セットリスト
01. 今更
02. のぞき穴
03. 娘
04. 世紀末
05. ナンバーシックス
06. よなよな
07. ずっと
08. 透明
09. 副流煙
10. つぶ
11. 体温計
12. MAT BLUE
13. 塊
14. もんだな
15. 急げ
16. はてな
17. カウンター
18. 贅沢
19. ランドリー
20. くい
21. ふやける
<アンコール>
22. 交信
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音楽ナタリー @natalie_mu
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