山形国際ドキュメンタリー映画祭のアジア千波万波20作品が決定、コンペ審査員も

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山形国際ドキュメンタリー映画祭2025(YIDFF2025)より、コンペティション部門の1つであるアジア千波万波の20作品が発表された。

「ハワの手習い」場面写真

「ハワの手習い」場面写真

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「山形国際ドキュメンタリー映画祭2025」ポスタービジュアル

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1989年から30年以上にわたって隔年で開催されているYIDFFは、ドキュメンタリー映画に焦点を当てた国際映画祭。アジア千波万波はアジアのドキュメンタリー作家を応援し、発表の場を創出することを目的として1993年にスタートした部門だ。今回はアフガニスタンから女性監督による2本が選ばれ、2021年のタリバン政権の復活を背景とした「ハワの手習い」「撃たれた自由の声を撮れ」が上映される。

「パラジャーノフ、ゆうべはどんな夢を見た?」場面写真

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「3350キロメートル」場面写真

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「トラッキ__ング」場面写真

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シリアとイランからは、ほぼ全編がオンラインビデオの通話画面で構成された「パラジャーノフ、ゆうべはどんな夢を見た?」「3350キロメートル」を選出。韓国とカザフスタンの監督が、AIとドキュメンタリーを融合する実験的作品として製作した「トラッキ__ング」も披露される。作品一覧や、同プログラムのコーディネーターを担う若井真木子のコメントを後述した。

井口奈己

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あわせて、コンペティション2部門を担当する審査員の一部も明らかに。インターナショナル・コンペティション部門にはインドネシア出身の映画作家・エドウィン、「ニュースタイム」を手がけたアッザ・エル・ハサン、「狂い咲きサンダーロード」「箱男」の石井岳龍のほか2名が参加。アジア千波万波では「人のセックスを笑うな」の井口奈己のほか1名が審査を担う。

なおYIDFF2025では、優れた日本のドキュメンタリー映画を世界に発信する「日本プログラム」も展開されるほか、特別招待作品としてキドラット・タヒミックの「虹(キドラット)のアルバム 僕は怒れる黄色'94」、小川紳介の「三里塚 辺田部落」も上映。朴壽南と娘の朴麻衣が監督を務め、慰安婦にされた女性たちの声なき声に焦点を当てた「よみがえる声」がクロージング作品としてラインナップされている。

YIDFF2025は、10月9日から16日にかけて山形県山形市内の各所で開催される。

山形国際ドキュメンタリー映画祭2025 開催概要

2025年10月9日(木)~16日(木)山形県 山形市内各所(山形市中央公民館、山形市民会館、フォーラム山形、やまがたクリエイティブシティセンターQ1ほか)

アジア千波万波 上映作品

  • 3350キロメートル(監督:サラ・コンタル / 製作:シリア、フランス)
  • 12月に編まれた夢のあつまり(監督:バッパディティヤ・サルカール / 製作:インド)
  • サイクルマヘシュ(監督:スヘル・バナージー / インド)
  • ダンシング・パレスティナ(監督:ラミース・アルマッカウィ / 製作:パレスチナ、イギリス
  • 髪と紙と水と(監督:チューン・ミン・クイ、ニコラ・グロー / 製作:ベルギー、フランス)
  • ハキシュカ(監督:ナルゲス・ジュダキ、イマン・パクナハード / 製作:イラン)
  • 最後の訪問(監督:ケワリー・ワルッコーミーン / 製作:エストニア、タイ)
  • ルオルオの未来(監督:洛洛 / 製作:中国)
  • ノー・エクソシズム・フィルム(監督:コムタック・ナパタローン / 製作:タイ)
  • 撃たれた自由の声を撮れ(監督:ゼイナブ・エンテザール / 製作:アフガニスタン、ドイツ)
  • シエ…(監督:ヨセフ・レヴィ / 製作:インドネシア)
  • スベルトノ・モーテ(監督:ヨンリ・レヴォルト / 製作:インドネシア)
  • 烤火房(プラーハン)で見るいくつかの夢(監督:莎韻西孟 / 製作:台湾)
  • 石を投げれば届く距離(監督:ラザン・アルサラー / 製作:パレスチナ、レバノン、カナダ)
  • 炭鉱奇譚(監督:宋承穎、胡清雅 / 製作:台湾)
  • トラッキ__ング(監督:イ・チャンヨル、ジョ・ハンナ、サムガル・ラキム、アリ・ティニベコフ / 製作:韓国、カザフスタン)
  • パラジャーノフ、ゆうべはどんな夢を見た?(監督:ファラズ・フェシャラキ / ドイツ)
  • 木々が揺れ、心騒ぐ(監督:イ・ジウン / 製作:韓国)
  • ハワの手習い(監督:ナジーバ・ヌーリ、ラスル・ヌーリ / フランス、オランダ、カタール、アフガニスタン)
  • あなたがトラックなら私は鹿(監督:マックス・ファーガソン / 製作:ベルギー、香港)

日本プログラム

特別招待作品

  • 虹(キドラット)のアルバム 僕は怒れる黄色'94(監督:キドラット・タヒミック)
  • 三里塚 辺田部落(監督:小川紳介)
  • よみがえる声(監督:朴壽南、朴麻衣)

若井真木子(アジア千波万波プログラムコーディネーター)コメント

今回のラインアップでは、女性の作り手による作品や女性が主人公である作品、女性であることで、経験せざるを得ない、家父長制や強権による、心身への暴力に対して抗う作品群が特出している。また実験的手法にとどまらず、ドキュメンタリー映画の表現方法を広げてくれる作品も数多く、非常に個性豊かな作品が勢揃いした。

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画像提供:山形国際ドキュメンタリー映画祭

読者の反応

本田孝義 @hontaka1229

現在、ポレポレ東中野と横浜シネマリンで公開中の『よみがえる声』がクロージング作品に!

山形国際ドキュメンタリー映画祭のアジア千波万波20作品が決定、コンペ審査員も(コメントあり) https://t.co/NU4aiDmqlX

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