「アンダーカレント」真木よう子が今泉力哉の第一印象明かす「私この人好きだな」

映画「アンダーカレント」の完成披露上映会が本日9月21日に東京・新宿バルト9で行われ、キャストの真木よう子、江口のりこ、監督の今泉力哉が登壇した。

豊田徹也によるマンガを実写化した本作。家業の銭湯を継いだ主人公のかなえが、突然失踪した夫・悟を探しつつ、「働きたい」とやって来た謎の男・堀と奇妙な共同生活を送るさまがつづられる。真木がかなえ役、江口がかなえと悟の大学の同級生・菅野役で出演。なお今回の舞台挨拶に参加予定だった永山瑛太は、体調不良のため欠席した。

真木は「もともとマンガ好きなので、フラッと本屋に入って“ジャケ買い”することが多くて。『アンダーカレント』もその1冊でした」と原作との出会いを明かし、「まさか自分に（映画の主演が）来るとは思わずびっくりしました。（かなえは）“真木よう子じゃない”と言われたくないという思いとともに、“ほかの誰にもやらせたくない”という気持ちがあり、がんばりました」と伝える。また彼女は「かなえの奥深く、コアな部分まで一緒に追っていく作業なので楽ではなかったですが、やりがいがありました」と撮影を振り返った。

江口は菅野という役柄について「主人公の友達役ということで、ほかの登場人物に比べて軽い感じですよね？（笑） あんまり悩んでないというか。それがいいなと思いました」とコメントする。「愛がなんだ」にも出演した江口が今泉について「相変わらずな感じ。何も変わらない」と話すと、今泉は「こんなこと言っていますが、撮影中は『今回は簡単にOK出すね』などといじられていました（笑）。そのシーンがサクサク進んだだけですが……」とエピソードを披露。江口から「ほかのシーンの撮影はどうだったのか興味あります」と尋ねられた真木は「労働基準法は超えないくらい。大丈夫」と茶目っ気たっぷりに回答した。

映画化にあたり、原作者である豊田と2人で何度も会ったという今泉。彼は「最初に（豊田に）『この作品って映画になって面白くなると思いますか？』と聞かれて、即答はできませんでした。もし即答していたら、このような話にはならなかったかもしれません。簡単に“面白くできます！”と感覚で捉えられる作品ではないと思い臨みました」と述懐する。

元々親交がある真木と江口。キャスティングに関して今泉は「真木さんと共演経験がある方をキャスティングすることで、この映画を作る以前からの時間や関係性がプラスになるのではと考えました」と説明する。真木が江口について「私は親友だと思っています」と口にすると、江口は「親友ではないです。昔から知ってるだけです」と即答し笑いを誘った。

真木は「私は出会いのインスピレーションを大事にしています。初めて監督に会ったときに『私この人好きだな』と思い、うまくやっていけるんだろうと思いました」と回想。また彼女は「かなえちゃんを思うばかりに『監督がそんなことわかってなかったら、かなえちゃんがかわいそうだ！』って言ったことがありました（笑）」と思い返す。今泉は「ありましたね。捉え方の違いなだけだと思ったので、嫌ではありませんでした。真木さんが作品に向き合ってくださっていることがうれしかったし、そうしなければ生まれないものが生まれました」と語った。

イベントでは、江口と今泉が真木の“undercurrent”な部分を発表する場面も。江口は「意外と優しいです。母親みたいな優しさをくれることがあります」と発言し「言えるのはこのくらいのことしかないですね！」と笑顔を見せた。さらに本編をまだ観ていないという江口は「予告は観ました。めっちゃ面白そうって思いました」と述べ、会場は笑いに包まれた。

最後に真木は「私自身もこの映画をやり終えたことで、周りにいる大切な人の見方や接し方が温かいものに変わったんですよね。なので、ご覧になった方もそんな風に温かくなったらいいなと思っております」と呼びかけイベントを締めた。

「アンダーカレント」は、10月6日に全国で公開。

映画「アンダーカレント」予告編