映画超初心者・ミルクボーイ駒場孝の手探りコラム「えっ、この映画ってそんなこと言うてた?」 第31回 [バックナンバー]
シュワちゃんの肉体に見惚れていたら巻き戻すことになった「ターミネーター」
ボディビルに触れるきっかけはシュワちゃんでした
2026年4月28日 19:00 1
これまで名作をほぼ観たことがないまま育ち、難しいストーリーの作品は苦手。だけど映画を観ること自体は決して嫌いではないし、ちゃんと理解したい……。そんな貴重な人材・
第31回のお題は、
文
ジムにあった雑誌に載っていたシュワちゃん
こんにちは、ミルクボーイ駒場です。今回鑑賞したのは1985年日本公開の「ターミネーター」です。僕もさすがにこの作品は知っています、我らがアーノルド・シュワルツェネッガーの代表作です。これが観られるのはうれしいです。
僕はシュワちゃんは俳優でも政治家でもなく、完全にボディビルダーとして認識しています。と言うのもシュワちゃんは僕らトレーニー(編集部注:筋トレ愛好家)の神様的存在で、いまだにリスペクトされている選手です。僕がトレーニングに目覚めたのには父親のトレーニング好きが関わっていますが、“ボディビル”という競技に触れるきっかけはシュワちゃんでした。中学3年の頃、それまでの家トレからステップアップし、初めて、近所の体育館に併設されている簡易なジムに行きました。僕のジムデビューです。その休憩スペースに「マッスル&フィットネス」という筋トレ雑誌があり、年季が入ってボロボロだったのですが、その号の特集がシュワちゃんだったのです。
今までのムキムキという概念を覆すビジュアル、「人間ってこんなにゴツくなるのか」と衝撃を受け、トレーニングそっちのけでその雑誌に釘付けになりました。そしてそんなタイプでもないのに謎の勇気でスタッフさんに「この雑誌ってもらってもいいですか?」と交渉をしたんです。新しい雑誌でもなかったし、何より急に中学生がまっすぐな目をして雑誌を欲しがったのに圧倒されたのか、「いいですよ」ともらえることになりました。白黒や色褪せたカラーの写真でシュワちゃんがトレーニングをしている様子がたくさん載っていて、何度も読み返しました。それからずっとその雑誌を大切にし、高校のときの美術の絵の課題でもその雑誌の中で好きなシュワちゃんの写真をいくつかトレースし、いい感じに並べてそれに色付けしたものを提出するというほどでした。シュワちゃんの肉体は“リアル”を感じられていいんです。もちろん普通の人と比べたら異常な体でどこがリアルやねんという話ですし、今の海外の選手の筋肉もデカくてすごいのですが、あの当時のシュワちゃんのリアルなデカさがとにかく美しいんです。やはりカッコいいです。
もっと戦いばかりの映画だと思っていました
ここまで映画とまったく関係のないことばかり書きましたし、そんなに好きなら「ターミネーター」観とけよという話ですよね。それは本当にその通りです。「ターミネーター2」は、テレビでやっているのをチラチラ観たことはある気がします。水銀みたいな無敵の警官と戦ったり、「アイルビーバック」というセリフも知識としてなんとなく知ってます。でもやはりボディビルダーとしてのシュワちゃんへの興味が強く筋肉中心で観ていたんです。なので今回初めて俳優としてのシュワちゃんを観させてもらいました。
観始め、オープニングからテンションが上がりました。ターミネーターと言えばのあの曲がいきなり流れたからです。「ジョーズ」「ロッキー」に続くいきなり名曲流れるパターンは何度遭遇してもうれしいものです。そしてそのままの流れで裸のシュワちゃん登場。仕上がってました、最高にカッコいい筋肉です。曲といい映像といい、この時点で「観てよかった」と思える作品でした。コンテスト期ではないと思える、ある程度自然に脂肪は乗っているが筋肉のカットがしっかり見えるサイズのシュワちゃん、いいですね。大胸筋も形、大きさともに素晴らしいですし、広背筋も腰の少し上くらいから広がっており逆三角形というより丸に近いくらいの大きな背中。芸術的です。引き締まった大臀筋からも壮絶なトレーニングをしたことが容易に想像できます。
そんな感じでシュワちゃんに見惚れていたらだいぶ話が進んでいました。なのでいきなり巻き戻して話を追いかけます。その後はシュワちゃんは服を着ているのでストーリーを見失うことなく観れました。途中、「ターミネーターと言えば」のサングラスになる理由のシーンもあったりしてうれしかったです。初めて俳優としてシュワちゃんを観ましたが、とても面白かったです。そしてけっこうしっかりとしたストーリーもあるんだなと思いました。なめていたわけではないのですが、「ターミネーター」ってもっと戦いばかりの映画だと思っていました。ハーレーに乗って片手でショットガンを撃ち、水銀警官とずっとやりあってると思っていました。ところがちゃんとターミネーターの存在理由があったり、登場人物にもそれぞれ話があり、派手なアクションにドラマ、あと最後のほうとかけっこうハラハラさせられたりして、通してずっと面白い映画でした。
そして今回の「そんなこと言うてた?」ですが、あのターミネーターの曲、ラブシーンでも使えるんですね、というところです。あの“ダダンダンダダン”の曲は、ターミネーターがゆっくりこちらに歩いてくるところしか想像できなかったのですが、“ダダンダンダダン”のあとの“パパパー”のところからは、しっとり流せばいい雰囲気にもなるのかと。あれはちょっと面白かったです。
今回「ターミネーター」を観て、流れを知ったうえで2を観るとまた全然面白さが違うと思うので、これからは俳優シュワちゃんをどんどん追っていこうと思います。そして逆に、「これを撮影している時期にこのコンテストでこれだけの筋肉に仕上げていたのか」など俳優シュワちゃんとボディビルダーシュワちゃんを照らし合わせてみるのも通な見方かもしれないです。
今回も改めて名作の面白さを実感しました。これからもまだまだ観ていきたいと思います。
編集部から一言
ボディビルをちゃんとやっている人から見ると、シュワちゃんはやはりリスペクトされる存在なのですね。僕も少しだけ筋トレをするのですが「アーノルドプレス」という肩のトレーニング種目がシュワちゃん由来だと知ってびっくりしたことがあります。「ターミネーター」は映画が6作ありますが、中でも「ターミネーター2」は「最高の続編映画は何か」という話題の際にたびたび話題に出るので、ぜひ駒場さんに観てほしいです(が、歴史改変という概念があるので嫌がられるかもしれません……)。
「ターミネーター」(1984年製作)
2029年の未来から1984年へやって来た殺人サイボーグ・ターミネーター。彼は未来で起こる人類と機械の戦争で、人類の指導者となるジョン・コナーの存在を消すべく、母親のサラを殺すために送り込まれた存在だった。やがてジョンの部下であるカイルもターミネーターを追って現代を訪れ、ターミネーターと死闘を繰り広げる。ターミネーターをアーノルド・シュワルツェネッガーが演じ、サラには
- 駒場孝
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1986年2月5日生まれ、大阪府出身。ミルクボーイのボケ担当。2004年に大阪芸術大学の落語研究会で同級生の内海崇と出会い、活動を開始。2007年7月に吉本興業の劇場「baseよしもと」のオーディションを初めて受け、正式にコンビを結成する。2019年に「M-1グランプリ2019」で優勝し、2022年には「第57回上方漫才大賞」で大賞を受賞。現在、コンビとしてのレギュラーは「よんチャンTV」(毎日放送)月曜日、「ごきげんライフスタイル よ~いドン!」(関西テレビ)月曜日、「ミルクボーイの煩悩の塊」「ミルクボーイの火曜日やないか!」(ともに朝日放送ラジオ)など。またミルクボーイが主催し、デルマパンゲ、金属バット、ツートライブとの4組で2017年から行っているライブ「漫才ブーム」が、2033年までの10年を掛けて47都道府県を巡るツアーとして行われている。
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- 駒場孝のプロフィール

映画ナタリー @eiga_natalie
【コラム】ミルクボーイ駒場孝の「えっ、この映画ってそんなこと言うてた?」第31回
ボディビルダーでもある駒場が、「ターミネーター」で初めて俳優としてのシュワちゃんを目撃!肉体に見惚れてストーリーを見失う
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