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本作は、南仏コート・ダジュールを舞台に、老年の俳優ジャンが子供たちと一緒に映画を作り、心を通わせていく物語。ジャン=ピエール・レオが主演を務め、彼の脇をポーリーヌ・エチエンヌ、イザベル・ヴェンガルテンらが固める。
ジャン=リュック・ゴダールの「男性・女性」でレオと出会ったと言う諏訪は「その中でジャン=ピエールがタバコを口元に投げて加えるという仕草を繰り返しやっていて、僕も学生の頃によくまねしていました」と実際にタバコを口元に投げる仕草をしながら回想。「でも、僕だけでなくアキ・カウリスマキ監督も昔まねしていたそうです。若い頃ミカ・カウリスマキ監督の映画に出た際、彼は全編ジャン=ピエールを意識していました。ジャン=ピエールには映画青年を魅了してしまうところがあるようです」と続ける。
2012年にフランスで行われた映画祭をきっかけにレオとの映画製作がスタートしたことに触れ、諏訪は「2人でゆっくり、雑談をしながら作っていった。まあほとんどが雑談でしたが」と笑う。「撮影前、ジャン=ピエールは体調がよくなかったんです。自宅のベッドから出られないときもあった」と述べ、「撮影中だんだん元気になっていった。彼が歌って踊るシーンも1カットで撮ることができました。今は元気にしゃべりまくってます」と撮影の様子を語る。
即興演出で知られる諏訪は、今回普段はほとんどやらない演出を行ったと言い「ジャン=ピエールは具体的な演出を必要とするんです。『ここで5秒目をつぶって、そのあと目を開ける』といった形で。だから僕が彼の目の前で実際にやってみせるんです。学生の頃の自分のようにジャン=ピエール風に。そしてそのジャン=ピエールをまねしている僕を彼がまねするんです」と振り返る。
「子供たちが無礼で素晴らしかった」とキャストの10人の子供たちを称賛した諏訪は「ジャン=ピエールが子供たちにリンゴを投げるシーンがあります。そのシーンで僕は優しく放るような指示をしたんですが、彼は本気で投げつけるんです。その後のやりとりも大人の我々からしたら想像がつかない。失礼な言い方かも知れないが、ジャン=ピエール・レオは大人じゃない。あと子供たちとスープを飲んでるシーンでジャン=ピエールの見たことがない表情も表に出て、それは自由で無礼な10人の子供たちのおかげだと思います」と述懐した。
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