樹木希林が「逃げたかった」とカンヌの思い出語る、「あん」プレミアム試写会

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河瀬直美の監督作「あん」のプレミアム試写会が5月26日に東京・明治記念館にて行われ、河瀬とキャストの樹木希林永瀬正敏、原作者のドリアン助川が登壇した。

「あん」プレミアム試写会の様子。

「あん」プレミアム試写会の様子。

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「あん」のワンシーン。(c)2015映画『あん』製作委員

「あん」のワンシーン。(c)2015映画『あん』製作委員[拡大]

「あん」は、小さなどら焼き屋で働く1人の老女を主人公に、彼女と周囲の人々の関わりを描いたヒューマンドラマ。本作は第68回カンヌ国際映画祭のある視点部門に正式出品された。

上映前に行われた舞台挨拶にて、河瀬は「先頃のカンヌでは世界のお披露目を全うしてきました。世界での公開に動き出したばかりです。その先駆けに、今日皆さんにお披露目できることを光栄に思います」と笑顔で述べた。

「あん」ポスタービジュアル 。(c)2015映画『あん』製作委員会/COMMEDESCINEMAS/TWENTYTWENTYVISION/ZDF-ARTE

「あん」ポスタービジュアル 。(c)2015映画『あん』製作委員会/COMMEDESCINEMAS/TWENTYTWENTYVISION/ZDF-ARTE[拡大]

主演を務めた樹木は、カンヌでの公式上映を振り返り「(上映後、劇場が)明るくなる前に逃げたいと思った」と述懐。この映画に感銘を受けた観客から、5分以上続くスタンディングオベーションを受けたことが明かされた。

どら焼き屋の雇われ店主、千太郎役の永瀬は「映画や芸術、アート一般は、僕たちが作っただけでは終わっていなくて、お客様に観ていただいて完結する。劇場にたくさんの人が来ていただけるよう、お力を貸していただければと思います」と、客席に向けて熱いメッセージを送る。

最後にドリアンが「人はなぜ生まれてきたのか、人生を全うするというのはどういうことか、生まれてきただけで世界は与えられているんじゃないか、そんな思いを持って描いた物語。人類の普遍的なテーマに立ち向かっていった。そのあたりを観ていただければ」と真摯に語り、舞台挨拶を締めた。

なおこの試写会には高円宮妃殿下が出席された。レセプションでは河瀬と樹木、永瀬に出迎えられ、挨拶を交わされたという。

「あん」は5月30日より全国でロードショー。

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