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薬師丸ひろ子、「野性の証明」高倉健との思い出語る

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「野性の証明」のワンシーン。(c)KADOKAWA 1978

「野性の証明」のワンシーン。(c)KADOKAWA 1978

本日3月29日、第7回沖縄国際映画祭にて「野性の証明」が上映され、トークショーに薬師丸ひろ子が登場した。

「野性の証明」は1978年に公開された薬師丸のデビュー作。主演の高倉健のほか、夏八木勲、松方弘樹、丹波哲郎、三國連太郎などそうそうたるキャストがそろい、アメリカ・コロラド州などでヘリコプターや戦車を使った撮影も行われた大作。

昨年急逝した高倉健との出会いについて、薬師丸は「高倉さんと初めてお会いしたのは『野性の証明』の製作発表のときです。私がごあいさつしたら、『高倉健です。よろしく』と握手してくださいました。演技経験もない普通の13歳だった私を子供扱いすることもなく、『これからがんばれよ』という意味を込めてくださったんだと思います」と話す。さらに「高倉さんは、右も左もわからない私を演技の面以外でも24時間支えてくださって。地方での撮影のときはいつもご飯を食べに連れて行ってくれました」と話し、会場を驚かせた。

コロラドでの撮影時の思い出について「いつも撮影の後はコーヒーショップに寄ってから宿に帰っていたんです。あるとき、私が演じる頼子が肩にけがをして、高倉さん演じる味沢さんが服の片袖をちぎって止血してくださるシーンを撮影したんです。そのあと2人とも、そのままの格好でコーヒーショップに行ってお茶を飲みました。あとでふと冷静になって、私は肩に大けがしているし、高倉さんは服の片袖がないし、おかしな光景だったなと思って」と笑いながら語った。

また、「まだデビューする前の撮影中に、たまたまそこの近所の男子中学生が撮影を見に来てたんです。その時、高倉さんが私に一言『チャラチャラすんなよ』とおっしゃったんです。その子たちは私のことなんか知らないし、私も手を振ったりしたわけではなかったんですけどね」という興味深いエピソードも。

薬師丸は「昨年高倉さんが亡くなって皆さん驚かれたと思います。高倉さんはまだまだ次回作の予定もあったんです。でもそれは自分のためというよりは、この世界の後輩たちに『映画は夢があって素晴らしいものなんだ』と教えてくださるためだったんだと思います」と続ける。そして、今回で3回目となるこの映画祭への出演の理由について「今日は『野性の証明』が上映されるとお聞きして。高倉さんにどんな恩返しができるかわからないけれど、30年以上前の作品をこうして皆さんに観ていただけるということが1番喜んでもらえると思ったので。この映画がなければ私はこうして映画の仕事を続けられていないと思うし、今日この場でごあいさつできることをうれしく思います」と明かした。

最後に、最近歌詞の意味を改めて考えさせられたという「セーラー服と機関銃」のフルコーラスをアカペラで披露。会場は涙する人も出るほど感動に包まれ、このトークショーは幕を閉じた。

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