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「斜交」名刑事役は「平塚八兵衛さんと近藤芳正を混ぜ合わせたようなキャラ」

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「『斜交』昭和40年のクロスロード」稽古場より。(撮影:池村隆司)

「『斜交』昭和40年のクロスロード」稽古場より。(撮影:池村隆司)

11月23日に茨城・水戸芸術館ACM劇場で開幕する「『斜交』昭和40年のクロスロード」の稽古の様子が公開され、出演者の近藤芳正、戯曲を手がけた古川健がコメントを寄せた。

実際に起きた誘拐事件とその捜査にあたった昭和の名刑事・平塚八兵衛を題材に、劇団チョコレートケーキの古川が作、文学座の高橋正徳が演出を手がける本作。三塚役を演じる近藤は、「『斜交』は『吉展ちゃん誘拐事件』を題材に、取調室での刑事と容疑者の息が詰まりそうなやりとりを描いていますが、憎むべき事件であっても、その事件を起こした人間までは憎まないというか、やさしい眼差しで見ている古川さんがいる」と作品を分析。さらに「三塚九兵衛は、モデルである平塚八兵衛さんと近藤芳正を混ぜ合わせたようなキャラクター。なにがあっても己れの道をいく、人から非難されようが信念を貫いていく」と役の魅力を語り、「刑事人生をかけて、絶対に落としてやるという思いで容疑者に向かいます。果たしてどんな結果になるか楽しみにしていてください」と期待を煽る。

一方の古川は「水戸芸術館演劇部門の芸術監督・井上桂さんがいつか上演したいと温めていた企画です。最初はリーディングをイメージしていらしたそうですが、演出の高橋正徳さんと打ち合わせを重ねる中で、せっかくなら芝居にしようということになり、作家は誰がいいかという流れで声をかけていただきました」と創作の背景を説明。さらに「主人公の刑事のキャラクターも、ヒーロー的ではなく、もっと人間くさい部分を正直に書いて、その上で好かれるような人物像にということを意識して書きました」と述べ、「主演が近藤芳正さんだということは早い段階から聞いていて、前にご一緒したときはひょうきんなところを出せるようにと考えたのですが、今度は逆にハードな面が存分に出せたらいいなあ、こんなセリフを言ってほしいなと思って書きました」と語る。

また、「時代が変わっていても、その時代をつくっていくのは人間。その人間も一緒に変わるかといえばそうではないし、逆に安易に変わってはいけない。その大事な何かはきっと個人の心にあるはず。時代性は描いていますが、それを超越した人間として大切なものがお客様に届いたらいいなと思いますし、それがお客さんの心の中で何かことを起こすきっかけになるとうれしいですね」と作品への思いを語っている。

出演者には近藤のほか、中島歩、筑波竜一、福士惠二、渋谷はるか、五味多恵子が名を連ねている。公演は11月23日から26日まで茨城・水戸芸術館ACM劇場、12月8日から10日まで東京・草月ホールにて。

水戸芸術館ACM劇場プロデュース「『斜交』昭和40年のクロスロード」

2017年11月23日(木・祝)~26日(日)
茨城県 水戸芸術館ACM劇場

2017年12月8日(金)~10日(日)
東京都 草月ホール

作:古川健
演出:高橋正徳
出演:近藤芳正中島歩、筑波竜一、福士惠二、渋谷はるか、五味多恵子

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