ステージナタリー

DAZZLE新作「鱗人輪舞」マルチエンディングは「未来を自分で選ぶ体験」

31

DAZZLE 20周年記念公演「鱗人輪舞(リンド・ロンド)」記者会見で行われたダンスパフォーマンスの様子。

DAZZLE 20周年記念公演「鱗人輪舞(リンド・ロンド)」記者会見で行われたダンスパフォーマンスの様子。

10月に上演される、DAZZLE 20周年記念公演「鱗人輪舞(リンド・ロンド)」の記者会見が、昨日9月1日に都内で行われた。

会見に登壇したのは、DAZZLEメンバーの長谷川達也、宮川一彦、金田健宏、荒井信治、飯塚浩一郎、南雲篤史、渡邉勇樹、高田秀文と、本作の音楽を手がける林ゆうき。それぞれが見どころや意気込みなどを述べたあと、DAZZLEによって本作の一部が披露された。

大学のダンスサークルからスタートしたDAZZLEは、今年で結成20周年。主宰の長谷川は「ストリートダンスの世界で抜きん出るには独自性が重要だと思い、ダンスがアートやエンタテインメント、舞台として面白いかどうかを意識してきました。僕たちが20年間続けてこられたのは、自分たちの表現に絶対的な確信があるからだと思っています。そして何よりも一緒に踊ってくれるこのメンバーがいたおかげです」とこれまでの歩みを振り返り、メンバーの顔を見渡す。

その言葉を受けて「20周年公演を成功させ、新たなDAZZLEとしてこれからも踊り狂っていきたい」と意気込むのは宮川。金田は「熱意や魂を新作にぶつけ、これからも仲間とともに、お客様のために一歩一歩歩んでいきたい」と誓う。「DAZZLEの遺伝子を下の世代にも伝えたい」と話す荒井は、大学のワークショップで講師を務めている近況を報告。飯塚は「震災の年に、ルーマニアの国際演劇祭でスタンディングオベーションを受けたことは忘れられません」と思い出を披露した。

「メンバーとは両親と過ごす時間より長くなりました。このメンバーで続けてこられて幸せです」と笑顔で語ったのは南雲。途中からグループに参加した渡邉は「今後はもっと若い世代にDAZZLEみたいになりたいと思っていただけるようにがんばりたい」と力を込め、同じく途中参加の高田は「30、40周年と体が動く限り、ずっと続けていきたいと思います。新作は映画を観に行くような感覚でいらしてください!」と呼びかけた。

新作について、長谷川は「20周年を記念する作品にしたいと思い、永遠を象徴する存在として、日本の“八百比丘尼”伝説にもある人魚を登場させました」とコメント。続けて「タイトルの“鱗人”は人魚のことを指し、“輪舞”には運命を繰り返すという輪廻の意味を込めています」とタイトルに込めた思いを解説する。

また公演には2つの異なる結末を用意し、公演ごとに観客に選んでもらう「マルチエンディング」を採用。この狙いを「何かを手にするには何かを失わなければならない。現代では重要な決断を避ける傾向がありますが、観客の皆様に自分の未来を自分で選ぶ体験をしていただきたい」と話し、新作にかける意気込みを語った。

以前からDAZZLEの舞台作品で音楽を数多く手がけている林は、元新体操の選手。長谷川はそのキャリアを紹介し、林について「身体表現に対して音を当てていくことに長けている。踊りと感情を同時に表現できる音楽はなかなかないのですが、林さんはその2つを兼ね備えているんです。さらに僕の細かい注文にも柔軟に対応してくださり、想像を超えた素晴らしい音楽をくださる」と絶賛する。

これを受けて、林は「達也さんの発注は本当に細かい!」と笑う。一方で「彼の頭の中ですでに音楽が鳴っていて、それを形にしていくのは修業のようです。でもその分、達成感があって。DAZZLEの舞台を観ると、自分の作った音楽とダンスが足し算ではなく掛け算になる奇跡の瞬間が無数にあるんです。作曲家冥利に尽きる瞬間ですね」と楽しげに語った。

「鱗人輪舞(リンド・ロンド)」は、何度も繰り返される人間の愚行を見つめながら1000年の時を生きてきた人魚の物語。公演は10月14日から23日まで、東京・あうるすぽっとにて上演される。

DAZZLE 20周年記念公演「鱗人輪舞(リンド・ロンド)」

2016年10月14日(金)~23日(日)
東京都 あうるすぽっと

演出:長谷川達也
音楽:林ゆうき
振付・出演:DAZZLE(長谷川達也、宮川一彦、金田健宏、荒井信治、飯塚浩一郎、南雲篤史、渡邉勇樹、高田秀文)

ステージナタリーをフォロー