「念願叶いました」BOOM BOOM SATELLITES復活武道館

BOOM BOOM SATELLITESが5月3日、東京・日本武道館にてワンマンライブを行った。

川島道行（Vo, G）の脳腫瘍治療のため、最新アルバム「EMBRACE」リリースに伴う全国ツアーの中止を発表していたBOOM BOOM SATELLITESだが、彼らはこの武道館公演を機に本格的に活動を再開。当日の模様はYouTube Live、ニコニコ生放送、JAMBORiii STATIONでの中継に加えてUstreamにて世界初の360度インタラクティブ生配信が実施され、各地のファンがこの復活ライブを見届ける形となった。

場内が暗転しSEの音量が大きくなると、この日を待ちわびていた観客から自然に手拍子が起こる。まず中野雅之（Programming, B）が舞台上に現れ客席に挨拶。続いて川島が手を上げながら登場すると、ホールには彼の復帰を祝うようにひときわ盛大な拍手と歓声が沸き上がった。ライブは川島がおもむろに歌い始めた「ANOTHER PERFECT DAY」からスタートした。じわじわと激しさを増すサウンドに呼応してオーディエンスのボルテージも上がり、武道館はダンスフロアへと変化。サポートドラマーの福田洋子は全身を大きく動かしながらタイトなリズムを刻んでいく。

「BROKEN MIRROR」「DISCONNECTED」と新作からのナンバーを立て続けに披露したあと、川島と中野は「MORNING AFTER」でステージ前に出てオーディエンスをアジテートする。「BACK ON MY FEET」では2人がそれぞれステージから左右に伸びた花道の両端へ駆けていき、より近い距離で観客を熱狂させた。川島がアコースティックギターを奏でながら切々と歌い上げた「SNOW」、薄暗い照明の中で厳かに響いた「EMBRACE」では、それまで狂騒状態だった観客も魅入られたようにじっとステージに集中する。

幾何学的な映像がスクリーンに投影された「FOGBOUND」ののち、初めて川島が「ありがとう。こんばんはBOOM BOOM SATELLITESです」と口を開く。そこからはクライマックスへ向けて「MOMENT I COUNT」「EASY ACTION」とフロアを踊らせるナンバーを連投。本編ラストの「KICK IT OUT」では、場内が大きく揺れる盛り上がりを見せた。

アンコールでは「NINE」「DIG THE NEW BREED」「DRESS LIKE AN ANGEL」といったナンバーを気迫のこもったパフォーマンスで熱演。演奏を終えた川島と中野はそれぞれに拳を掲げ、深々とお辞儀をしてファンに向けて感謝の意を表した。

ダブルアンコールに応えて再登場した川島は「日本武道館へようこそ。いろいろとみんなには心配をかけたかと思いますが、こうして元気で帰ってくることができました。今夜はこうやってお互いの存在を確かめ合う現場に立てて、僕らは本当に幸せだと感じています。『EMBRACE』というアルバムをこうしてライブで届けるという念願が叶いましたので、すごくいい夜になったと思います」と真摯にメッセージを伝える。そして最後に披露された楽曲は「STAY」。スクリーンにはモノクロで川島と中野の顔が映し出され、会場は感動的な空気に包まれた。すべてを終えたのち「最後に一言言わせてください、言いたかったことがあります……BOOM BOOM SATELLITESでした！」と述べ、その後肉声で「ありがとうございました！」と叫んだ川島。スクリーンいっぱいにバンドロゴが浮かび上がる中、約2時間強におよぶ復活ライブは幕を閉じた。

なお現在オフィシャルサイトでは360度カメラで撮影された「NINE」のライブ映像を公開中。マウスの動きにあわせてさまざまな視点が味わえるこの映像で、ライブの臨場感を追体験してみよう。

「BOOM BOOM SATELLITES EMBRACE TOUR 2013」2013年5月3日セットリスト

01. ANOTHER PERFECT DAY
02. HELTER SKELTER
03. BROKEN MIRROR
04. DISCONNECTED
05. MORNING AFTER
06. BACK ON MY FEET
07. SNOW
08. EMBRACE
09. FOGBOUND
10. MOMENT I COUNT
11. EASY ACTION
12. KICK IT OUT
＜アンコール＞
13. NINE
14. DIG THE NEW BREED
15. DRESS LIKE AN ANGEL
＜ダブルアンコール＞
16. STAY

※記事初出時、セットリストに誤りがありました。訂正してお詫びいたします。