浅井健一、和義、bonobosらがお祝い「茂木欣一ショー」

茂木欣一（東京スカパラダイスオーケストラ、フィッシュマンズ、So many tears）がオーガナイズするイベント「THE 茂木欣一ショー vol.3 ～year end special～」が、茂木自身の誕生日である12月15日に東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて開催された。

開演時刻の18:30を少し過ぎたころ、満員のフロアにオープニングSEが流れ、この日の主役・茂木欣一を呼ぶGAMO（東京スカパラダイスオーケストラ）のアナウンスが鳴り響く。観客の手拍子で迎えられた茂木はまず、「1回目から僕のアシスタントをしてくれていて、僕の音楽人生にとってとても大事な人、沖祐市さんです！」と沖祐市（東京スカパラダイスオーケストラ）を呼び込み、彼のキーボード演奏に乗せてナタリー・コール「unforgettable」をオープニングナンバーとして歌唱。間奏中には目の前のファンに「元気だった？」「どこから来たの？」と話しかけるなど、早くも茂木節炸裂のステージが繰り広げられた。

茂木と沖によるセッションを経て、最初にステージに上がったゲストはbonobos。彼らはニューアルバム「ULTRA」に収録されている「Go Symphony!」「あなたは太陽」などを披露した後、ステージに茂木を呼んでバースデープレゼントを直接手渡した。「bonobosからのささやかなプレゼントを着てもらえますか？ 今!!」というリクエストを受け、茂木がプレゼントを開けてみると、かわいらしいキャラクターがデザインされた真っ赤なトレーナーが。そして若干照れつつトレーナーを着た茂木とbonobosは「THANK YOU FOR THE MUSIC」をセッション。ツインドラムの強靭なビートを満喫した茂木は「イエーイ、ボノボー!!」とメンバーを送り出した。

ステージ転換後、茂木は斉藤和義を呼び込み、がっちり握手を交わす。ここで茂木がステージから一旦退場しようとすると「もう行っちゃうの」と斉藤が引き止め、2人でトークを行うことに。斉藤は彼らしい下ネタを連発して、場内を爆笑の渦に巻き込む。そして「アゲハ」の弾き語りからライブを始めた斉藤は、「今日は欣ちゃんに呼ばれてきました。そんなに見ないでください」と照れながら挨拶。続いて「ウサギとカメ」「歌うたいのバラッド」を歌った。また、「ずっと1人も寂しいので手伝ってもらおうと思います」ということで、茂木と沖の2人を交えて「ずっと好きだった」を、柏原譲（So many tears）加えて「やさしくなりたい」を披露。さらに加藤隆志（東京スカパラダイスオーケストラ / So many tears）も登場し、斉藤がゲストボーカルとして参加したスカパラのナンバー「君と僕」が久々に生共演で届けられた。

ここからは、谷中敦（東京スカパラダイスオーケストラ）によるDJタイムに突入。ここでは「欣ちゃん、誕生日おめでとう!!」という谷中の合図で、茂木の顔が描かれたバースデーケーキが登場。「サファイアの星」のカップリングに収録されているバースデーソング「Happy Birthday Ska」が鳴り響く中、茂木は喜びを体現するかのように歌い踊った。

谷中のDJプレイ終了とともに始まったのは、今年デビュー作品をリリースした茂木の新バンド・So many tearsのライブ。彼らはデビューアルバムの中から「How many miles?」「(don't let go of your)PRECIOUS」「I'M INTO THE SUN」といった楽曲で、スカパラにもフィッシュマンズにもないアプローチで新鮮なサウンドを響かせた。また、MCで茂木は、今作で初めて作詞に挑戦するにあたって何を書くべきか考え、1999年に逝去したフィッシュマンズのボーカル・佐藤伸治へ手紙を書くつもりで歌詞を制作したと明かす。その「He's Got Soul」は再び沖のキーボード演奏を交えて、とりわけエモーショナルに歌われた。

この日最後のゲストは浅井健一。浅井は開口一番「欣ちゃん、誕生日おめでとう」とつぶやくと、BLANKEY JET CITY「SWEET DAYS」のイントロを演奏し、観客のテンションを急上昇させる。続けて「SALINGER」に突入し、さらなる興奮を煽った。その後は「危険すぎる」「人はなぜ」といった浅井の楽曲や「SEA SIDE JET CITY」というBLANKEY JET CITYの楽曲が畳みかけるように披露され、浅井は颯爽とステージを去っていく。

ベンジーのクールな立ち振る舞いに、セッション相手の茂木も「ヤバイ……すごい……もう1曲演りたい!!」と大興奮。そこで再び浅井をステージに招く。そして、浅井の「みんなで楽しもうぜ」という一言に続けて「ガソリンの揺れ方」を演奏。彼は最後に「欣ちゃんのドラムで日本を変えてってね」と最高の賛辞を贈り、茂木も歓喜のドラミングでそれに応えた。

こうして大好きな音楽仲間から誕生日を祝ってもらい、最後に1人ステージに残った茂木。「ありがとう、燃え尽きました。こんなにたくさんの方々が集まってくれて、こんなに贅沢な誕生日でいいのかな。みんなでこれからも1つずつ歳を重ねていきながら交流していきたいし、笑顔を増やしていきましょう!!」と茂木らしいピースフルな言葉で、3回目の「THE 茂木欣一ショー」を締めくくった。