スマートフォン、Steam向けゲーム「ヘブンバーンズレッド」内でアニメ「Angel Beats!」のコラボレーション企画第3弾が12月27日にスタートする。
「ヘブンバーンズレッド」は「消滅都市」「アナザーエデン 時空を超える猫」などのスマホゲームの開発運営を手掛けるゲームブランドライトフライヤースタジオと、「Kanon」「AIR」「CLANNAD」「リトルバスターズ!」「Rewrite」といった数々の名作を生み出してきたゲームブランドKeyによるロールプレイングゲーム。これらのゲームのシナリオや音楽を手がける麻枝 准の15年ぶりの完全新作ゲームとなる本作は、「Google Play ベスト オブ 2022」で「ベストゲーム 2022」を受賞した。
そんな「ヘブンバーンズレッド」とコラボをする「Angel Beats!」はKeyの麻枝 准が原作、脚本、音楽を手がけたアニメで、2010年に放送され今もなお多くのファンに愛されている。アニメの舞台となるのは死後の世界にある学校・天上学園。生前の記憶をなくした主人公の音無結弦、生徒会長の立華かなで、仲村ゆりが指揮を取る“死んだ世界戦線”の個性豊かなキャラクターたちが繰り広げる青春と別れの物語は大きな話題を呼び、放送から14年以上が経った今でも多くの人々に愛されている。
「ヘブンバーンズレッド」と「Angel Beats!」による夢のコラボは2023年2月に第1弾、今年2月に第2弾と行われ、「Angel Beats!」の劇中バンドGirls Dead Monsterのメンバーが登場した。第3弾ではGirls Dead Monsterがついに全員“卒業”することとなる。さらにこのタイミングで、Girls Dead Monsterの楽曲がストリーミングサービスで一挙配信された。放送から15年の時を経て、Girls Dead Monsterが再び音楽シーンに旋風を巻き起こす。
今回のコラボを記念して、音楽ナタリーとコミックナタリーでは連載特集を展開。この記事ではGirls Dead Monsterの初代ボーカリスト・岩沢の歌唱を担当したmarinaと、2代目ボーカリスト・ユイの歌唱パートを担ったLiSAのインタビューを掲載する。2人にとっても思い出深い「Angel Beats!」という作品について、そしてGirls Dead Monsterという伝説のバンドについて答えてもらった。
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構成 / 中川麻梨花
marina(岩沢 ボーカル)
──「Angel Beats!」の魅力を教えてください。
好きなところは、死後の世界がどんなところなんだろ~? 転生って本当にあるのかな~? と、考えられるところです。
人それぞれたくさんの視点があると思いますが、私から見る魅力としては、麻枝さんのこだわりがたくさん詰まっていて、その作品の魅力がファンの方の愛情でさらに増して何年経っても色褪せない作品で凄いなと感じています。
楽曲もこだわりを持って一緒に取り組んでいたのでBGMからガルデモ含め魅力的な作品だと思います。
──歌唱を担当されている岩沢の印象を教えてください。
クールだけど温かい女性じゃないかと思います。
好きなところというか親近感といいますか、私も曲を書き始めたのが中学生の時で、言えない思いを歌詞に書いて曲をつけて誰も聞いてない家の中だけでピアノを弾きながら歌っていたので、自分の歌でモヤっとした気持ちなどを消化してた気持ちがとてもよくわかります。笑
──岩沢の卒業シーンについて、どのように感じていますか?
とても穏やかな顔をしてたのでよかったなと思いました。
自分の人生の終わりはどんな表情をしていくのだろうと。
死後の世界はどんな世界なのかなと考えました。
無なのか、Angel Beats!のように世界があるのか。
──「Angel Beats!」で印象に残っているシーンを教えてください。
1話のライブが体育館で始まるシーンです。
今も体育館のライブシーンを見た瞬間の自分を思い出せるくらい鮮明に記憶に残っています。
ライブシーンを描くにあたって、動きの部分を私も実際にステージ上に立ち、歌う感じを事前にビデオに撮っていたので、それが映像化され、岩沢さん(映像)と自分の歌声が合わさると
こんな風になるんだ!とシーンと再現度の技術に感動しました。
そして体育館の外で聞こえてるリアルな音質感にもまた感動しました。
──「Angel Beats!」には名台詞が多いですが、印象深いセリフはありますか?
エピソード3の岩沢さんが「My Song」を歌い終える時に言った
「あたしが救われたようにこうしてだれかを救っていくんだ」という台詞です。
本当にその通りだなと。
人生自分の日々の行いがいつの日か巡り巡ってループしていると感じています。
──岩沢としてGirls Dead Monsterの曲を歌ううえで、意識していたことはありますか?
とにかく歌詞を飲み込みました。
共感できるとこは共感のまま、初めて感じる歌詞の部分はどういう感情なのか想像して大事に大事に歌いました。
あとは麻枝さんからのディレクションに応えられるように自分の歌の引き出しを増やさなければと当時のマネージャーさんが、オススメの楽曲を何百曲いれてくれ、たくさん色んなジャンルを聞くようにしていました。
──レコーディング当時、麻枝 准さんとのやりとりで印象的だった出来事はありますか?
最初のレコーディング中に言われた
もうすこし下手に歌って。は、私にとって衝撃的な言葉でした。
学生の役だったので、今ならすんなり「なるほど!」と思えるんですけど、当時はクオリティーを自ら下げていいのか心の中では葛藤した記憶があります。
あとは、夜中まで歌いっぱなしのレコーディングは後にも先にも「God Bless You」だけです。笑
この間、一番の宝物のレコーディングの時に麻枝さんにも話したら覚えていました。
今だから笑い話ですが、リアルタイムはスタジオにいた皆さん疲労困憊でした。笑
──「Angel Beats!」という作品に携わっていく中で印象的だった出来事を教えてください。
当時、ファンのみなさんから手紙を頂く中で、それぞれの状況で葛藤してたり生きるのが辛かったり
そんな中、歌を聴いて救われました。というお手紙が多くて。
救う側の人間にはまだまだ私は力不足でしたけど、私もその言葉でたくさん救われました。
Angel Beats!やガルデモで心が救われた方がたくさんいることを10年以上経ってる今でも感謝を伝えて貰える機会がついこないだあって
改めて音楽含めすごい作品なんだなと感じています。
──Girls Dead Monsterの曲でも特に印象深い楽曲を教えてください。
「Crow Song」はやはり最初に歌ったので印象深いです。
曲と歌詞を頂いた時は、
カラスの歌?! どういう事?!
ってちょっと最初は歌詞が理解できなくて(ごめんなさい)
それまで「Crow Song」のような明るい高音アップテンポを歌ってこなかったので、オーディションの時も課題曲だったんですけど、その日不覚にも体調が悪く、慣れない曲調と熱で完全に落ちたと思ってたので家に帰って潔く資料はサヨウナラしたら、後日受かったよ!と電話きて色々衝撃でした。
「My Song」は逆に歌詞も曲調も馴染みのある感でしっくりきてオーディションでもいつも通り歌えてた気がします(たぶん)
──「ヘブンバーンズレッド」コラボストーリーでは岩沢ボーカルの「一番の宝物(Crow Ver.)」が流れます。どのような思いで「一番の宝物」を歌いましたか?
LiSAが歌ってるのをたくさんライブでも聞いていたので、岩沢さんバージョンの違う歌詞になり、自分が歌うことも不思議な感じでした。
麻枝さんとのレコーディングもかなりお久しぶりだったのですが、麻枝さんと久しぶりな感じもなく(私は、笑)レコーディングも、あーだこーだディスカッションしながら楽しく終えました。
あの頃とはいい意味でまた違った気持ちでレコーディングに臨めたし、岩沢さんの気持ちになにより寄り添えた歌が歌えたと思います。
──marinaさんのアーティスト人生において、岩沢の歌唱を担当したことはご自身にどういった影響がありましたか?
自分が人と違う感覚をもってることに気づいて認めてあげるのが遅くて
大人の中では平気なのに
同年代の中では小さい頃から生き辛く
人間不信になりながら学生時代は過ごしてきました。
東京に出てきてから個人の自由というか
地元で今まで気にしてたことを気にしなくてもいいんだという解放感と共にトラウマのように襲ってくる不安と自信のなさが定期的にやってきてたんですが、
その全てを生かせるタイミングで岩沢さんに選んでもらえた気がしています。
幸運と挫折
模索と葛藤
生まれてきて30年間くらいはこの繰り返しで
やっとようやく自分を俯瞰し認めることができた時、
今までの全てのそれらの感情を全部ひっくるめて幸せだなと感じれるまでになりました。
起こった出来事全てに意味があったんだなと。
岩沢さんが消えるシーンと似たような感覚というと違うかもしれないですが
報われた感覚。
私自身に必要な遠回りができたのも
あの頃葛藤して模索して頑張れたのも
初めてのお仕事がガルデモだったからと感じています。
なによりファンの方の温かい励ましの言葉
こんな私でも誰かの力になれてるということがまた私の力になりました。
全ての出会いに感謝しています。
ターニングポイントでした。
──Girls Dead Monsterの曲がサブスクリプションサービスで配信されます。Girls Dead Monsterの楽曲を聴くリスナーへ、メッセージをお願いいたします。
わたしも改めてガルデモの楽曲をサブスクで聴けることが楽しみであり、嬉しく思います。
あの頃こういう気持ちだったよな~とか
ああいう出来事あったよな~とか
その時代にタイムスリップできる方も多いのではないでしょうか。
私もその一人です。
まだ知らない方はお気に入りの楽曲を見つけて頂ければ嬉しいです。
是非、たくさん聴いてください。
プロフィール
marina(マリナ)
2010年にアニメ「Angel Beats!」に登場するバンド「Girls Dead Monster」の初代ボーカル・岩沢の歌唱パートに抜擢される。その後DECO*27のアルバム「愛迷エレジー」、シングル「エゴママ/恋距離遠愛」にボーカルで参加した。2013年5月にmarina名義で1stシングル「キミ∽ツナグ」をリリース。2015年8月にはアニメ「Charlotte」の劇中バンドZHIENDにボーカルのサラ・シェーン役で参加した。
LiSA(ユイ ボーカル)
──「Angel Beats!」の魅力を教えてください。
「Angel Beats!」は死後の世界を舞台に、運命に立ち向かう少年少女たちの物語が描かれる作品ですが、生前に残したそれぞれの思いを仲間と共に叶えていく姿に魅力を感じます。
──歌唱を担当されているユイの印象を教えてください。
ユイちゃんは飾らず素直でまっすぐ、エネルギッシュなところが魅力的です。
どこにいても可愛がられる後輩キャラだと感じています。
──ユイの卒業シーンについて、どのように感じていますか?
ユイちゃんは生前の夢を死後の世界で次々と持ち前のエネルギーで叶え、最後の夢を叶えてくれる日向に出会い「一番の宝物」を胸に次の人生へ向かって行ったと考えています。
──「Angel Beats!」で印象に残っているシーンを教えてください。
日向がユイにプロポーズするシーンです。当時、収録の現場に見学に伺わせていただいたことを覚えています。
──「Angel Beats!」には名台詞が多いですが、印象深いセリフはありますか?
日向がユイにプロポーズするシーンの「結婚してやんよ」です。音声収録時に麻枝さんが拘られていたセリフでした。実際に放送された回でこのセリフをテレビ越しに拝聴し、日向のセリフはこれでなくてはいけなかった理由を感じました。
──ユイとしてGirls Dead Monsterの曲を歌ううえで、意識していたことはありますか?
当時、岩沢さんとの差別化の意味もあり、「可愛く歌うこと」を意識的に行いました。
ユイちゃんの持つエネルギッシュな性格を歌で表現できるように、ふいに見受けられる寂しさを表現できるように歌唱しました。
──レコーディング当時、麻枝 准さんとのやりとりで印象的だった出来事はありますか?
麻枝さんとのレコーディングはとても印象的で、1000本ノックのようなレコーディングでした。笑
その中で私がユイちゃんの心に憑依して歌唱できたテイクをしっかりチョイスしてくださっていたことが印象的でした。
──「Angel Beats!」という作品に携わっていく中で印象的だった出来事を教えてください。
私にとって、初めてアニメ楽曲を歌わせていただいた作品です。
それまでは視聴者として受け取っていましたが、立場が変わって作品を作る側に加わらせていただき、制作チームのみなさんの愛情、作品への敬意をとても強く感じ、私も制作に関わる一員として皆さんの気持ちを背負い、歌でしっかり伝えようという気持ちでレコーディングに向かったことを覚えています。
──Girls Dead Monsterの曲でも特に印象深い楽曲を教えてください。
「Little Braver」です。ユイちゃんと自分自身の心が完全に混ざった楽曲です。
──LiSAさんにとって2010年に行われた「Girls Dead Monster STARRING LiSA Tour 2010 - Keep The Angel Beats! -」が初めてのライブツアーでした。当時の心境はいかがでしたか?
実際にユイちゃんを愛してくれているファンの皆さんを目の前にして、本当にユイちゃんを体現する気持ちでステージに立っていたことを覚えています。
とにかく、会場に来てくださった皆さんに楽しんでもらいたくてステージに向かっていましたが、それ以上に客席フロアの皆さんのエネルギーに感化され、全力でライブツアーを行っていました。
LiSAとなってライブを重ねている今も、当時と同じ気持ちでステージに立っています。最初のライブツアーがガルデモであったこと、幸せに思います。
──LiSAさんのアーティスト人生において、ユイの歌唱を担当したことはご自身にどういった影響がありましたか?
私にとってアニメ作品と関わる扉を開いてくれたのが、ガルデモでした。
作品に、スタッフの皆さんに、そこで出会ったファンの皆さんに、それからユイちゃんから学んだ新たな音楽での表現スタイルが、今も私の基盤になっています。
──Girls Dead Monsterの曲がサブスクリプションサービスで配信されます。Girls Dead Monsterの楽曲を聴くリスナーへ、メッセージをお願いいたします。
ガルデモを懐かしむ皆さん。
新しくガルデモに出会ってくれた皆さん。
かき鳴らした思いを、ガルデモの楽曲と共に楽しめますように。
プロフィール
LiSA(リサ)
2010年にアニメ「Angel Beats!」に登場するバンドGirls Dead Monsterの2代目ボーカル・ユイの歌唱パートを担当して注目を浴びる。2011年4月にLiSA名義のミニアルバム「Letters to U」でソロデビューを果たす。2020年には映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」の主題歌「炎(ほむら)」で「第62回日本レコード大賞」大賞を受賞。デビュー13周年を迎えた2024年4月に東京・日本武道館で2DAYSワンマンライブ「LiVE is Smile Always~i SCREAM~」を開催した。5月にアニメ「魔法科高校の劣等生」第3シーズンのオープニング主題歌「Shouted Serenade」、8月にアニメ「NieR:Automata Ver1.1a」第2クールのオープニングテーマ「ブラックボックス」、10月にアニメ「シャングリラ・フロンティア」2nd season 第1クール オープニングテーマ「QUEEN」をリリース。9月から全国8都市を回るアリーナツアー「LiSA LiVE is Smile Always~COCKTAiL PARTY~ [SWEET&SOUR]」を行った。
ヘブンバーンズレッド×Angel Beats!
コラボ第3弾開催!
開催期間:2024年12月27日(金)11:00~2025年2月2日(日)21:59
◆POINT
- 芳岡ユイ(CV:喜多村英梨)のSSスタイル「Stir Soul Song」、岩沢雅美(CV:沢城みゆき)のSSスタイル「Dreamlike Days」がガチャに登場
※岩沢/ユイのストーリー登場はありません。 - 関根しおり(CV:加藤英美里)のSスタイル「ぬくもりの記憶」を限定配布
- コラボ第1弾&第2弾ストーリーイベントも同時に復刻開催! SS入江、SSゆり、SSかなでもガチャに再登場
- 最大80連ガチャが回せるミッション、最大3000クォーツ/ライフストーン50個が手に入るログインボーナスも
◆INTRODUCTION
「唐突にファザー ~オカンとアタシと弟と、ずっとアルコール依存~」
綴る思いと響くメロディ。
大食堂で目を覚ました31Aは学園でゆり、かなでと再会する。
そこで出会った関根の心残りがバンド活動に関係すると知った一行は、
彼女と一緒に新曲を作ることになる。