豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL「突破」メンバーによる全曲解説

豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOLが12月25日に1stアルバム「突破」をリリースした。

豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL(通称モンアイ)は、TBS系バラエティ「水曜日のダウンタウン」内の企画「MONSTER IDOL」から生まれたアイドルグループである豆柴の大群、都内某所が合体してできたグループ。2024年1月に始動してからもうすぐ1周年というタイミングで完成した「突破」は、2組のエッセンスをミックスしつつ、今のメンバー4人の個性や、前向きな思いが詰まったバラエティ豊かなアルバムとなっている。

モンアイとしての集大成と位置付けられる今作の魅力に迫るべく、音楽ナタリーではメンバーによる全曲解説インタビューを実施。アイカ・ザ・スパイ、ナオ・オブ・ナオ、レオナエンパイア、モモチ・ンゲールの4人それぞれが考案した楽曲のひと言キャッチフレーズと合わせて、アルバムのサブテキストとして楽しんでほしい。

取材・文 / 田中和宏撮影 / 西槇太一

01. 突破 OF iNTRODUCTiON

「祭りまでのカウントダウン!!!!」
by モモチ・ンゲール

──アルバム「突破」の始まりを告げるインスト曲ですね。

モモチ・ンゲール ライブという祭りで、メンバーとテイマー(モンアイファンの呼称)の全員で何もかも突破していくぞ!という気持ちになれる魔法みたいなSEになっています。祭り囃子の音が入っていて、9月に神田明神ホールでの「MONSTER VENOM TOUR」ファイナル公演ではメンバーが法被を着て、でんでん太鼓、琴、横笛、和太鼓とかを持って登場しました。今後、ライブの定番SEになるかはわからないんですけど、また使えたらうれしいな。

ナオ・オブ・ナオ 使われますかね? 12月25日のワンマンライブはクリスマスバージョンになる?

アイカ・ザ・スパイ 鈴の音から始まるやつだ。

スタッフ クリスマスバージョンを作れと(笑)。

モモチ 沖縄は沖縄の特別バージョンだったし、ハロウィンもハロウィン限定バージョンだったから、期待したいです。SEって大事だと思います。私はどのライブを観に行ってもだいたいSEで感動して泣くから(笑)。

豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL

豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL

02. HiGH HOPES
[作詞・作曲・編曲:Hi-yunk(BACK-ON)]

「みんなでひとつ♡」
by アイカ・ザ・スパイ

──この曲はライブでの先行披露に加え、先行配信もされていた曲です。

アイカ 今までの私たちのストーリーを歌った曲ですね。活動をしていて楽しかったこともあるけど、ライブの動員が減ったりしてつらかったこともあって。でも歌詞にある「きっとこれ以上は落ちることはないぜ」っていう言葉が背中を押してくれるんです。歌っていて前向きになれる大切な曲だし、明るい未来の希望の曲です。

──アルバム全体を通してHi-yunk(BACK ON)さんが携わっている曲が多いですね。楽曲制作にあたって、自分たちの思いを伝える機会はあったんですか?

アイカ いえ、レコーディングのときにちょっと話すくらいですね。

モモチ そう。なのにいつも私たちのことを知ってくれてるよね。レコーディングのときにはいつもディレクションをしてくれます。

ナオ そうだね。私たちが知らないところでたくさん気にかけてくださってることが曲からも伝わってきます。

アイカ モンアイのことを理解して書いてくれてる感じがすごく伝わってくるので、なんでそんなに私たちのことを知ってるんだろうとは思います。こんなにも私たちの背中を押してくれるような曲を書いていただけてうれしいです。Hi-yunkさんは豆柴の大群時代の楽曲「MUST CHANGE」から関わりがあるんです。

アイカ・ザ・スパイ

アイカ・ザ・スパイ

──モンアイは以前の豆柴時代から、大きな問題に直面したり、重苦しいものを抱えていることがありますね。

モモチ 確かに……そういうところもありますね(笑)。

──でも今作はそういったネガティブな要素もポジティブに昇華していて、むしろ悩んでいる人の気持ちに寄り添い励ますような内容になっているように感じます。気持ちの込め方に変化はありましたか?

ナオ 「HiGH HOPES」の歌詞は重めのことも言っているんです。「きっとこれ以上は 落ちる事はないぜ!ドンマイ!」とか。でも、明るいトラックに乗せてポジティブな気分で歌うことで、抜け感が出るというか。私たちはネガティブに思ってないからがんばってこうぜ、という気持ちがアルバムの中で一番表れている曲だと思います。

アイカ 今年はテイマーもメンバーも不安な1年だったと思うんです。そもそもグループが変わったし、メンバーが抜けることもあったから。そんなタイミングでこの曲をいただいたので、歌詞を読んだだけでも「がんばらなきゃ!」という気持ちにさせてくれました。

ナオ 「うおー! めっちゃいい曲!」って思ったよね。

モモチ リリイベでも半年以上歌ってるんですが、披露するたびに「マジでいい曲を届けられてるな!」と自画自賛したくなります(笑)。飽きることなく、毎回そんな気持ちで歌っています。

03. イカサマダンス
[作詞:TAKE-PEE / 作曲・編曲:Hi-yunk(BACK-ON)]

「ロデオダンスでウエスタン! 全力でバカになろ!」
by レオナエンパイア

──この曲もライブで何度も披露されていますが、ひたすら陽気で楽しい気分になれますね。

レオナエンパイア 明るさに全振りしたような元気な曲ですね。歌詞も「遊び足りない」「ハミダシタイ」と歌ってて。振付はパワーパフボーイズさんがイントロとサビの馬に乗っているようなロデオダンスを考えてくださいました。

──西部劇にありそうな陽気な曲調とモンアイの相性がいいなと感じました。

アイカ コメディテイストのサウンドがなぜか合いますよね。キャッチーなのがうちらの魅力ということで(笑)。

レオナ ショッピングモールとかのリリイベでこの曲が流れると、小さい子たちが集まって来て、踊ってくれるんです。

モモチ 衣装もカラフルなのもあるのかな。教育番組のイベントみたいに見えるのかも。

04. Break out
[作詞:酒井ゆか / 作曲・編曲:Hi-yunk(BACK-ON)]

「私たちは最高で最強!Pretty girls モンスター♡」
by ナオ・オブ・ナオ

ナオ 「私たちなりのガールクラッシュ」をイメージして歌詞を書いていただきました。女の子のかわいさと強さが詰まった曲で、「最高で最強だからなんでもできちゃうよ!」という気持ちが表現されています。テンションアゲアゲな曲調に合わせて、いろんなK-POPグループを参考にした振付を考えました。

──ナオさんが振付をやっていらっしゃるそうですが、新しい歌い方をしたこの曲の振付ポイントは?

ナオ サビはあるダンスボーカルグループの曲を意識して作りました。でも私たちのスキルだとまだまだなので、ちょっと簡単にしてます。いずれみんなK-POPスターみたいに全身を使ってバッキバキに踊れるようになったら振付の難易度も上げていきたいです。

ナオ・オブ・ナオ

ナオ・オブ・ナオ

モモチ 上半身はけっこうがんばってるでしょ!

アイカ いつか足も使えるようになりたいね。

──歌うのが難しそうな曲だと感じましたが、どうですか?

レオナ 難しいです!

ナオ ホント、めっちゃ難しい。初めて挑戦する歌い方もあって。この曲はボイストレーナーの酒井ゆか先生が作詞してくださった曲で、レコーディングでは隣でボーカルディレクションもしていただいたんです。「Break out」と歌うところで語尾の音程をキュッと上げるという、K-POPとかでよく耳にするような歌い方を練習しました。

アイカ うちはあんまり強く歌えなくて。説明が難しいんですが、最初からボーン!って勢いよく発声しないとダサくなっちゃうんです。「この手で変えていける運命」というフレーズも声を強く出さないとカッコよくならない。先生にはお腹から声を出す方法を教えてもらいつつ、ずっとボイトレで練習したんですけど、すごく大変でした! でもカッコよく歌えてると思います。苦戦したのが1番サビ終わりの「Bang Bang 叫べ」って部分。これは英語が苦手なこともあって……。

ナオ カタカナの“バンバン”だとダメなんだよね。

アイカ カッコよくない!

ナオ “バェアンバェアン”みたいな発音が正解なんだけど、ずっとアイカが隣で「ばえあんばえあん」って言ってて。

モモチ 最初は「びゃんびゃん」だったから(笑)。

アイカ 結果的にゆか先生に「あ、もう“バンバン”でいいよ」と言われちゃいました(笑)。ほかのメンバーはちゃんとした英語の「Bang Bang」なので、聴き比べてみてほしいです。私のあとのナオがカッコよく歌ってくれているので。