ロケットボーイズ Party Education

楽曲によって4ピースギターバンドにも4MCクルーにも自在にトランスフォームする希有な4人組音楽集団・ロケットボーイズ。ポップミュージック史において、担当パートを固定しないロックバンドはThe Beatlesやユニコーンなど例外的ながら連綿と存在してきたが、バンド形態ですらなくなるパターンを備えるスタイルはさらに例外的であると言える。音楽とは本来それくらい自由なものなのだということを身をもって思い出させてくれる存在、それがロケットボーイズだ。2015年にスリーピースバンドとして千葉県柏市で結成され、現在は「誰も一人ぼっちにさせない、笑って泣けるパーティーポップバンド」を標榜して都内を中心に活動している。

「Party Education」は、そんな彼らがMCクルー形態で送る底抜けにハッピーなパーティチューンだ。いかにも四つ打ちっぽい雰囲気ながらキックが1・3拍目にしか入らないクールで控えめなビートを土台に、シンセベースとエレピ、単音カッティングギターを軸とするオーセンティックなディスコサウンドを構築。さらに「LOVE＆JOY＆PEACE」と高らかに歌いあげるフックではシンセブラスをはじめとしたきらびやかな音色群が華を添え、ゴージャスでピースフルなムードをより一層盛り上げる。

ループするマイナー循環コード構造なども含め、全般的に伝統的なソウルミュージックの作法を忠実に踏襲した作りとなっており、後半で見られる半音転調などはまさに往年のディスコヒッツを彷彿とさせる。それゆえに楽曲としての強度が非常に高く、リスナーは小難しいことを一切考えずに能天気なラップに合わせて身も心も踊らせることだけに集中できる。実に機能性の高い単機能ダンスナンバーであり、できることならジュークボックスでかけたくなる1曲だ。

［Pick Up!］ロケットボーイズ「Party Education」