久保田利伸の冠番組「TOSHINOBU KUBOTA THE JAM」が、テレビ朝日で12月14日と21日の2週連続で放送される。
久保田と言えば“Japanese King of Soul”の異名をとるトップアーティスト。1986年にデビューして以降、「流星のサドル」「Missing」「LA・LA・LA LOVE SONG」「Candy Rain」「AHHHHH!」といったヒット曲を発表し、ポップスシーンのみならず、ヒップホップ、R&Bアーティストからのリスペクトを受けている。
1990年代には日本人ボーカリストとして初めてアメリカの老舗番組「SOUL TRAIN」に出演するなど、枚挙にいとまがないほどの功績を音楽シーンに与えてきた久保田だが、この「TOSHINOBU KUBOTA THE JAM」で彼が扮するのはレコード屋の下っ端バイト。番組ではレコード屋、アイス屋、美容院、ジャズバーを舞台に、STUTSや堂本剛、AI、三浦大知といった豪華な面々とトーク&ジャムセッションを展開し、さらにはコントのような芝居にも挑んでいる。
音楽ナタリーでは、忙しなく華やかな年末シーズンにぴったりな「TOSHINOBU KUBOTA THE JAM」の魅力を、テキストと撮り下ろし写真で紹介。特集の最後には久保田本人と番組プロデューサーのコメントも掲載する。なお、TELASAでは番組全編に加え、未放送トークなどを含む完全版を配信中なのでファンはぜひチェックを。
文 / 中野明子撮影(収録中カット) / 入江達也
アイスクリーム屋 with AI
「東京のとある通りに、ブラックミュージックを愛するオーナーが経営する、労働環境もちょっとブラックな4つのお店が……」。そんなナレーションで始まる「TOSHINOBU KUBOTA THE JAM」。レコード店で働きながらいつかミュージシャンになることを夢見る下っ端バイト・久保田利伸はどうやら遅刻癖があるようで、オーナー(八嶋智人)、バイトリーダー(高橋茂雄)、学生バイト(堀田茜)があくせく働く中で、のんびりした調子で出勤。先輩に叱られるも意に介さずトボケ続ける。業を煮やした先輩から掃除を命じられた久保田だったが、壁越しに聞こえる美しい三声のハーモニーに誘われるように隣のアイスクリーム屋に吸い込まれていった──。
パステルカラーで彩られたポップなアイスクリーム屋で久保田を待っていたのは、YURI、MARU、YUHOからなるコーラス隊。久保田も混ざって極上のハーモニーを響かせていると、そこにAIが現れる。ビッグアーティストの登場にザワつく店内だが、久保田はどこ吹く風。「おひさしぶりです、パイセン!」とAIに呼びかけると、そこにいる全員を巻き込みトークを始めた。お互いのことを知ったきっかけなどで盛り上がる面々。AIが名曲「Story」を生披露したことをきっかけに、久保田が「1曲一緒にやりません?」と声をかけ、舞台はジャズバーに移動。9名編成のバンドが待つ店内に足を踏み入れた久保田とAIは、ゴスペル風にアレンジしたビル・ウィザースの名曲「Lean on Me」を歌い始めた。かつて久保田の「Soul 2 Soul feat. AI」でコラボしている2人の相性は抜群。迫力たっぷりのパフォーマンスを展開したのち、久保田はAIに向かって「All right I like it!」と快哉を叫んだ。
美容室 with 三浦大知
AIとのセッションを終え上機嫌でレコード店に戻る久保田だったが、間髪をいれず今度は美容室へ。店に到着した久保田たちの目の前には、パーマ機の前に座る三浦大知の姿があった。「私が経営する店に、またすごい人が来た!」と大興奮の八嶋を横に、久保田は「大知先輩!」とフレンドリーな調子で三浦に挨拶。三浦もうれしそうな表情で久保田との再会を喜び、自然な流れでトークをスタートさせた。年齢は離れているものの、ともにブラックミュージックに傾倒し、特にマイケル・ジャクソンに影響を受けてきた久保田と三浦。音楽談義に花を咲かせる中で、そのままジャズバーでセッションすることに。ブラックミュージックを愛してやまない2人が選んだ1曲は、久保田が1986年に発表した「流星のサドル」。グルーヴィなバンドのアンサンブルに絡む久保田のソウルフルな歌声、そして間奏で繰り広げられる三浦の躍動感たっぷりのダンスは一見の価値あり。
レコード屋 with 堂本剛
AI、三浦大知というトップアーティストとのセッションを経て、再びレコード屋に戻ってきた久保田。ふと店内を見渡すとそこにはファンキーな出立ちの男が……。「ここで働いてたんだ?」と久保田に声をかけた人物は、.ENDRECHERI.としての音楽活動も目覚ましい堂本剛だ。「久保田くんって、顔広いのねえ」と感心する堀田らを交え、ファンクミュージック談義をスタートさせる久保田。話が盛り上がったところで、セッションをするために2人は手練れのバンドメンバーが待つジャズバーへ向かった。ここでのコラボ曲として選ばれたのは.ENDRECHERI.のディスコグラフィの中でも屈指のファンクチューンである「FUNK TRON」。ダイナミックなサウンドに乗る久保田の野生味あふれるボーカル、そして堂本がかき鳴らす奔放なギターの絡みがバーを揺らした。
ストリート with STUTS
濃厚なファンクセッションを終えた久保田が向かった先は、職場のレコード店ではなく夜の公園。そこで出会ったのは、日本の音楽シーンにおいてMPCの知名度を引き上げたプロデューサー / トラックメーカーのSTUTSだった。ストリートで披露されるのは、STUTSとともに新たなバックトラックにアップデートされた久保田の楽曲「Candy Rain」。リリースから22年の時を経て、新たなアレンジが施されたサウンドは必聴だ。
長く濃い音楽三昧の1日を終えた久保田が、最後にレコード店で披露するのは自身の代名詞とも言える“あの曲”のバラードバージョン。八嶋、高橋、堀田を嘆息させた極上の歌声は、次週のオンエアもしくはTELASAで確かめてほしい。
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久保田利伸コメント