Versailles、今は亡き盟友との夢叶えた武道館公演「一生忘れません」

Versaillesが2月14日にキャリア初の東京・日本武道館での単独公演「Chateau de Versailles」を開催した。

昨年8月に千葉・舞浜アンフィシアターでのライブで本格的な活動を再開したVersailles。この日本武道館単独公演は3年の活動休止期間をはさみながらも、バンドが今年で結成10周年を迎えることを記念して実施された。

開演時刻を少し過ぎた頃、Versaillesは総勢70名のクワイアと共にステージに登場。彼らはKAMIJO（Vo）の「Versailles!!」の声を合図に、炎が吹き上がる中「Aristocrat's Symphony」でライブの口火を切った。メジャーデビュー曲「Ascendead Master」を披露したあと、KAMIJOは「今宵はここ、日本武道館が私たちの城だ。大いに楽しんでいってくれ」とファンを歓迎。YUKI（Dr）による力強いビートとMASASHI（B）が鳴らすヘヴィなベースラインが絡み合う「zombie」や、HIZAKI（G）とTERU（G）の切り裂くようなギターサウンドが響く「Inheritance」など、バンドは次々と楽曲を届けていった。

KAMIJOがヨーロッパツアーのポーランド公演中にステージから転落し、松葉杖なしでは歩けないほどのケガをしたことを軽妙に語ったあと、バンドは「DESTINY-The Lovers-」を披露。スケール感のある楽曲にあわせて観客たちは七色に輝くローズライトを振り、美しい光景を作り上げた。スピーディにアレンジして演奏された「Philia」では客席がヘッドバンギングの嵐に。その後バンドは2009年に急逝した“エターナルメンバー”Jasmine You（B）に宛てた「Serenade」を、日本武道館での公演を生前夢見ていた彼へと捧げた。クワイアと観客による合唱が響いた「Faith & Decision」でラストスパートをかけたVersaillesは、本編を「MASQUERADE」でフィニッシュ。KAMIJOは最後に「Like a Masquerade」のコール＆レスポンスを行い、ステージを締めくくった。

アンコールでVersaillesは6月に東京・チームスマイル・豊洲PITと東京・鹿鳴館にてワンマンライブを行うこと、ワールドツアーとジャパンツアーを開催することを発表。10周年というメモリアルイヤーはジャパンツアーのファイナル公演、12月17日の東京・Zepp Tokyoでグランドフィナーレを迎えることが明らかになった。吉報に歓声が沸き上がる中、Versaillesはこのライブの来場者に配布したニューアルバム「Lineage ～薔薇の末裔～」のタイトルトラック「Lineage」を披露した。ダブルアンコールでKAMIJOは「日本武道館に向かう道のりの中で、このバンドは一番いい状態だったと言い切れます。これからの10年、20年、30年……いや永遠に、この夢のような……というよりも、この夢を見続けられたら、音楽家としてこの上ない幸せです」としみじみ語り、「Sympathia」をプレイ。シンガロングとローズライトの光に包まれたKAMIJOは「夢を叶える瞬間を皆さんと共有できたことを一生忘れません」と万感の表情を浮かべた。そしてクワイアを従えての「The Revenant Choir」で日本武道館公演の幕は下ろされた。