“許されざる罪”と向き合うためには…稲葉賀恵×一川華のポウジュ「Downstate」開幕

ポウジュ Vol.2「Downstate」が昨日12月11日に東京・駅前劇場で開幕した。

ポウジュは、演出家の稲葉賀恵と翻訳家の一川華が“翻訳”という営みを追求するため、昨年旗揚げした演劇ユニット。第2弾となる「Downstate」では、2018年に初演されたアメリカの劇作家ブルース・ノリスによる戯曲を日本で初演する。劇中では、未成年者に対する性犯罪の刑期を終えた4人の男たちが暮らすグループホームを舞台に、“許されざる罪”に対する社会の向き合い方が問われる。

本作では、幼少期に性暴力を受けた経験を持つアンディを尾上寛之、その妻エムを豊田エリーが演じるほか、大鷹明良、植本純米、串田十二夜、大石将弘、桑原裕子、夏目愛海、岡野一平、中野風音、丸林孝太郎が出演者に名を連ねる。

上演時間は休憩ありの約2時間35分。公演は12月21日まで。稲葉と一川のコメントは以下の通り。

稲葉賀恵コメント

「Downtate」は翻訳家の一川さんが探された戯曲で、テーマの複雑さや繊細さから自分たちの力で上演しようと2年前から動いてまいりました。

この作品をやるならば駅前劇場で、と決めた時からこの2年の間、あの頃には考えられないほどの沢山の方のお力添えのお陰でこうして駅前劇場にて開幕できますこと、心より感謝いたします。

そしてこの船に共に乗って下さったクリエイティブスタッフ、そして何よりこの題材に正面から覚悟を持って向き合って下さったキャストに敬意を表します。

俳優の身体を通して、皆さまの想像を羽ばたかせる時間になれたら幸いです。

一川華コメント

初めて「Downstate」を読んだ時から、この戯曲を日本で上演するなら駅前劇場で、と考えていました。土岐研一さんの美術、南香織さんの光、大園康司さんの音、岩男海史さんの衣装……ここではお名前を挙げきれない、全クリエイティブチーム・スタッフ集結のもと、濃密な空間が立ち上がりました。お稽古場では、出演者の皆さまと対話を重ね、台詞についてもトライアンドエラーを重ねました。ぜひ、一人でも多くの方にこの物語と出会っていただきたいです。できることならお一人お一人と終演後にお話したい気持ちです。団体HPに掲載されているトリガーアラートをご確認の上、ご検討ください。劇場でお待ちしております。

ポウジュ Vol.2「Downstate」

開催日程・会場

2025年12月11日（木）〜21日（日）
東京都 駅前劇場

スタッフ

作：ブルース・ノリス
演出：稲葉賀恵
翻訳：一川華

出演

尾上寛之 / 豊田エリー / 大鷹明良 / 植本純米 / 串田十二夜 / 大石将弘 / 桑原裕子 / 夏目愛海 / 岡野一平 / 中野風音 / 丸林孝太郎