舞鶴という名は、十七世中村勘三郎の俳名・舞鶴(ぶかく)にちなんだもの。2月1日から26日まで東京・歌舞伎座で上演される「猿若祭二月大歌舞伎」において、襲名披露が行われる運びとなった。
発表に際し、鶴松は「この度頂戴いたしました中村舞鶴という新たな名前は勘九郎、七之助の兄たちが心を込めて考えてくださいました、私には身に余る、素敵なお名前でございます。一人でも多くのお客様に新しい名前を覚えて頂き、これまでと変わらぬご声援を賜れましたら、この上ない喜びに存じます。この名を新たな一歩と致しまして、これからも一層藝道精進して参る所存で御座います」と思いを語った。
鶴松は1995年、一般家庭に生まれる。3歳で児童劇団に入り、2000年5月に「源氏物語」の竹麿役にて本名・清水大希で初舞台を踏む。2003年8月には「野田版 鼠小僧」に孫さん太役で出演。同作での共演をきっかけに十八世中村勘三郎に誘われ、中村屋の部屋子となる。2005年5月に「菅原伝授手習鑑」の車引の杉王丸役で二代目鶴松を名乗る。2018年2月に博多座「鰯賣戀曳網」の傾城錦木ほかで名題昇進した。2022年からは自主公演「鶴明会」を開催している。
鶴松のコメント全文は以下の通り。
中村鶴松コメント
この度、二十年間名乗って参りました中村鶴松という名を改め、初代中村舞鶴として披露させて頂く運びと相成りました。
鶴松という名は、師匠である勘三郎の父に名付けて頂き、皆様にも「鶴松」「つる」「鶴ちゃん」と温かくお呼びいただき、有難くも長年可愛がって頂きました私にとりまして大変愛着のある大切な名前でございます。
その名を改めますことは、自分の中では誠に大きな変化であると感じております。
この度頂戴いたしました中村舞鶴という新たな名前は勘九郎、七之助の兄たちが心を込めて考えてくださいました、私には身に余る、素敵なお名前でございます。
一人でも多くのお客様に新しい名前を覚えて頂き、これまでと変わらぬご声援を賜れましたら、この上ない喜びに存じます。
この名を新たな一歩と致しまして、これからも一層藝道精進して参る所存で御座います。
何卒これまで同様、変わらぬご厚情を賜りますと共に、今後とも厳しいご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
この「猿若祭二月大歌舞伎」は、私にとりまして何よりも大きな興行で御座います。
初めて歌舞伎座で主役を勤めさせていただきました「新版歌祭文 野崎村」のお光、そして今年の「人情噺文七元結」の文七など、多くの思い出が御座いますこの興行で、新しい名前を襲名させて頂けますこと、この上ない喜びでございます。
名だたる先輩方のお力添えを賜りつつ襲名させていただけますことに深く感謝申し上げると共に、微力ではございますが、少しでもこの興行が素晴らしい舞台となりますよう、心を込めて勤めさせていただきます。
何卒ご来場の上、末永く御贔屓お引き立てのほど、重ねてお願い申し上げます。
猿若祭二月大歌舞伎
開催日程・会場
2026年2月1日(日)〜26日(木)
東京都 歌舞伎座
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犬丸治 @fwgd2173
「舞鶴」は、「初代」扱いだけれども四・五・八・十二代目の中村勘三郎の俳名でもあるから、相応しい。まずは良かった。 https://t.co/39niLoQpck