三島由紀夫の2作同時上演「わが友ヒットラー」に谷佳樹ら、朗読劇「近代能楽集」に木村来士ら

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三島由紀夫生誕百周年記念二作品同時公演「わが友ヒットラー」×朗読劇「近代能楽集」が、12月11日から21日まで東京・新国立劇場 小劇場で上演される。

三島由紀夫生誕百周年記念二作品同時公演「わが友ヒットラー」×朗読劇「近代能楽集」チラシ

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CEDAR松森望宏が演出を手がける本公演では、「わが友ヒットラー」がストレートプレイで、「近代能楽集」が朗読劇で上演される。「わが友ヒットラー」では、アドルフ・ヒットラー役に谷佳樹、エルンスト・レーム役に小松準弥、グレゴール・シュトラッサー役に小西成弥、グスタフ・クルップ役に森田順平が名を連ねた。なお、「わが友ヒットラー」は2022年にも松森演出で上演されており、谷、森田も出演した。

「わが友ヒットラー」出演者

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また朗読劇「近代能楽集」では、「弱法師」「卒塔婆小町」「班女」の3作品が披露される。木村来士が「弱法師」の俊徳役、高橋ひとみが「弱法師」の桜間級子役、「卒塔婆小町」の老婆役、「班女」の実子役を務めるほか、小宮有紗長谷川初範円地晶子塚本幸男梶原岳人蒼井翔太神尾晋一郎市川蒼中村繪里子、薮島朱音、小泉萌香、月音こならが回替わりで出演する。

朗読劇「近代能楽集」出演者

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松森、「わが友ヒットラー」の出演者より谷、小松、小西、森田、「近代能楽集」の出演者より木村と髙橋のコメントは以下の通り。

松森望宏コメント

三島由紀夫の戯曲は、人の心の奥に潜む欲望や孤独を、鋭くも美しい言葉で描き出します。「わが友ヒットラー」には権力の陰に潜む友情や裏切りや孤独が、「近代能楽集」の三作には、存在を求める声や老いと美への執着、愛が狂気へ変わる瞬間が刻まれています。四作に通底するのは、人が生きる限り抗えない「欲望」と「幻想」の力です。それは人を傷つけもしますが、なお生きようとする原動力にもなります。価値観が揺らぎ、未来のかたちが定まらない今だからこそ、三島の言葉は「私たちはどう生きるのか」という問いを突きつけます。その問いを皆さまとともに受けとめ、未来を見つめる時間になればと願っています。

谷佳樹コメント

「わが友ヒットラー」に再び挑みます。
前回同様ヒットラー役として舞台に立てることは、俳優としての覚悟を試される大きな機会であり、恐怖でもあります。
ヒットラーという実在した人物に全身全霊を懸けてぶつかりヒットラーの危うさ弱さを自分の身体を通して、命を削って伝えられたらと思います。
クルップ役の森田順平さんも続投で心強く。
小西成弥さん、小松凖弥さんの力で作品が濃密で熱を帯びたものになるだろうなと確信しています。
全員で命を削って臨みます。

小松準弥コメント

「わが友ヒットラー」、エルンスト・レーム役を演じさせていただきます、小松準弥です。三島由紀夫生誕100周年記念という大きな節目で、エルンスト・レームという大切な役を演じさせていただけること、大変光栄です。大きなプレッシャーや挑戦になると思いますが、今この作品をやらせていただく意味をしっかりと考えながら、演出の松森さんが織りなす、「わが友ヒットラー」を誠心誠意、魂込めて務めさせていただきます。劇場でお待ちしております。

小西成弥コメント

このたび「わが友ヒットラー」にてシュトラッサーを演じさせていただきます。
長く上演されてきた作品に携われることを大変光栄に思います。
権力や信念、友情や裏切りといった人間の根源に迫る重厚な戯曲に挑むことは、自分自身大きな挑戦となります。
俳優としても人間としても深く向き合える機会をいただけたことに感謝し、全力で挑みます。
ぜひ楽しみにしていてください!

森田順平コメント

2022年、読売演劇大賞の上半期ベスト5に選んで頂いてから3年。待ちに待った「わが友ヒットラー」の再演が叶うことをとても嬉しく思っています。
新しいメンバー2人を迎え、演出の松森君と共にまた新たな気持ちで、この難解な三島戯曲に真っ向から挑戦出来ると思うと、今からワクワクしてきます。
出演者4人だけで繰り拡げられる、まさに究極の対話劇。三島由紀夫が編み出した言葉を更に自分のものにして行けるかどうか、頑張って稽古に励みたいと思います。

木村来士コメント

たくさんの先輩俳優さんたちが演じてこられた「弱法師」の主演・俊徳役を、今回務めさせていただけることを心から光栄に思います。
三島由紀夫先生が描かれた「弱法師」は、喪失と再生をテーマに、見えるものと見えないもののあいだにある真実を静かに問いかける作品です。
俊徳は、視力も記憶も失いながら、それでもなお心の奥に光を見出そうとする青年。
彼の抱える痛みや祈りを、今の自分にしか出せない感情で、丁寧に表現していけたらと思っています。
戦後80年という節目の年、そして三島由紀夫先生の生誕100周年という特別なタイミングで、この作品に携われることを本当に嬉しく思います。
そして、18歳という年齢だからこそ感じられるまっすぐな想いや繊細さ、少年から大人へと歩き出すこの瞬間の自分だからこそ見える景色を、俊徳を通して届けたいです。
共演の高橋ひとみさんをはじめ、素晴らしいキャスト・スタッフの皆さまと力を合わせて、この物語がもつ静かな熱を大切に、心を込めて全身全霊で挑みます。
新国立劇場小劇場でお会いできることを楽しみにしています!

高橋ひとみコメント

三島由紀夫作品は今回が初めてで緊張しています。
読んでいるととても美しい映像が浮かび上がり、と同時にゾクゾクする怖さもあります。
でも無性に覗いてみたくなる衝動に駆られる作品です。
10代の頃寺山修司さんがよく三島由紀夫さんのお話しをされていました。
寺山さんがさん付けをする数少ないお方で(3人)それだけでも私は三島由紀夫という方がどれだけ凄いのかを感じていました。

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三島由紀夫生誕百周年記念二作品同時公演「わが友ヒットラー」×朗読劇「近代能楽集」

開催日程・会場

2025年12月11日(木)〜21日(日)
東京都 新国立劇場 小劇場

スタッフ

作:三島由紀夫
演出:松森望宏

出演

「わが友ヒットラー」

アドルフ・ヒットラー:谷佳樹
エルンスト・レーム:小松準弥
グレゴール・シュトラッサー:小西成弥
グスタフ・クルップ:森田順平

「近代能楽集」

木村来士 / 高橋ひとみ / 小宮有紗 / 長谷川初範 / 円地晶子 / 塚本幸男 / 梶原岳人 / 蒼井翔太 / 神尾晋一郎 / 木間萌 / 高畑廉太 / 長谷美希 / 市川蒼 / 中村繪里子 / 薮島朱音 / 小泉萌香 / 月音こな

公演・舞台情報

読者の反応

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めりこ🔥🌊🐎🏍 @melicooo

!!!!!!、と思ったけど朗読劇の回替わり出演か、はい………… https://t.co/Rh4XOXPKtu

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