舞台「サイボーグ009」七海ひろきの“愛”に植木豪が涙「拡散された動画を家で見ながら…」

舞台「サイボーグ009 -13番目の追跡者-」の製作発表記者会見が、昨日8月12日に東京都内で実施された。

石ノ森章太郎のSFマンガ「サイボーグ009」は、戦争兵器として改造手術を受けた9人のサイボーグ戦士が、世界平和のために力を合わせて悪と戦う物語。同作の初舞台化作品として昨年、舞台「サイボーグ009」が上演され、今回の舞台「サイボーグ009 -13番目の追跡者-」はその第2弾となる。ギルモア博士が行方不明になり、博士の捜索に動き出した00ナンバーのサイボーグたちは、怪しげな屋敷に迷い込む。一方、009 / 島村ジョーは街で不思議な少年と出会うのだが……。

一般公募で選ばれたファン、“宣伝特派員”たちが客席で見守る中、製作発表記者会見はキャストたちによるヒーローショーでスタート。サイボーグ戦士たちの敵であるスカール率いるブラック・ゴーストが、観客から2人を“捕らえて”舞台上へ連れていく。するとサイボーグ戦士役たちが現れ、各々の特殊能力を発揮しながら敵を攻撃し、2人を救い出した。

演出の植木豪は「今作では回替わりのカーテンコールイベントの1つとして“ヒーローカーテンコール”をやるので、今日はそれをイメージしたパフォーマンスを観ていただきました。本番でどうなるかまだわかりませんが、観客の方にランダムでステージに上がってもらう予定なので、新たな試みを皆さんに楽しんでいただけたら。懸念点は、サイボーグ戦士の格好で観劇に来た方を選んだ場合、舞台上にサイボーグ戦士が増えてしまうこと（笑）。その場合は一緒に戦ってくれるかもしれない」と構想を膨らませた。

また植木は「『サイボーグ009』の魅力は、サイボーグ戦士たちそれぞれの個性的な特殊能力。舞台版は、役者とダンサーの皆さんの身体能力と、映像などの最新技術をミックスさせたものになっています。今回の会場は東京・品川プリンスホテル ステラボールなので、お客さんもキャストと一緒に世界観を体験できるような演出をいろいろと考えています」と話した。

今作では、サイボーグ戦士役キャスト9名と、スカール役の中塚皓平、アイザック・ギルモア役の大高洋夫が第1弾より続投。さらに0012役の野々花ひまり、0013役の後藤大が初登場する。009 / 島村ジョー役の七海ひろきは「第2弾をやると聞いたとき『全員集まれるのかな？』とドキドキしましたが、こうやって前作とほぼ同じメンバーでやれるのが奇跡のようです。新キャラのお二人が加わるので、どんな戦いが展開していくのか楽しみ」と語る。また記者が七海に、メンバーとやりたいことがあるかと問うと、「和気藹々とした楽しいカンパニーですが、前回あまりご飯に行けなかった。今回は一緒に行けたらいいなと思います」と期待を込めた。

002 / ジェット・リンク役の高橋駿一は「前回アフタートークで『ジェット・リンクとこの作品が大好きなので続編をやりたい。この声が偉い大人の方に届いてほしい』と話したので、実現してうれしい。今回もステージ上で一番飛び回るキャラクターでありたい」と語る。003 / フランソワーズ・アルヌール役の音波みのりは「前回、感動に包まれた千秋楽を迎え、まだまだ続けたいという思いだったので、続けることができて幸せ」とコメント。004 / アルベルト・ハインリヒ役の里中将道は「この大好きなチームとまたやれることがうれしい。よりクールで、情熱のあるハインリヒの姿をお見せしたい」と意気込む。

005 / ジェロニモ・ジュニア役の桜庭大翔は「第1弾では千秋楽にかけて身体が大きくなり、衣裳のスーツがパツパツになった。『第2弾では破いたろ！』と意気込んでいたら、今回から全員新しいスーツになりストレッチが効くように（笑）。動きやすいので何でもできます！」とアピール。植木も「ステージも叩き割ってください！」と冗談まじりで期待の言葉をかけた。

006 / 張々湖（ちゃんちゃんこ）役の酒井敏也は、“BG SOLDIERS”として出演するKENTAと第1弾の期間中に親睦を深めたようで、「今回はKENTAくんと一緒にチームを盛り上げていきたいと思います」とコメント。植木が「前回2人は毎日楽屋でお菓子を食べ合っていましたね。そうだ、今回の楽屋は2人の個室にしますか？（笑）」と投げかけると、酒井は喜びを身体で表現した。

007 / グレート・ブリテン役の川原一馬は「前作に続き、この素敵なスキンヘッドで、僕たちサイボーグ戦士たち、スタッフの方々、観に来てくださる皆様の未来を明るく照らしたいと思います」と述べて笑いを誘い、008 / ピュンマ役のToyotakaは「前回はまっすぐにがんばった結果、あっという間に公演が終わってしまったので、今回は喜びを噛み締めながらステージに立ちたいと思います」と語った。

スカール役の中塚は衣裳の仮面をつけているため、素顔が印刷されたお面を顔の位置で持ちながら、「悪役として、力や圧だけではなく、品を大切にしたいと思います」と発言。アイザック・ギルモア役の大高は「前回のカーテンコールでパイプから煙を見せたくて龍角散を吹いていたのですが、まだ龍角散の匂いが残っている」と驚きつつ、「今回も吹こうかなと思います」と期待をあおった。

0012役の野々花は「宝塚歌劇団を卒業して初めての役。この見た目に全然慣れていなくて、鏡を見るたびにびっくりしています」と述べる。続く、0013役の後藤が「僕も鏡を見てとてもびっくりしたんですけど……」と共感すると、会場は納得の笑いに包まれる。後藤は「0013のビジュアルとして『スタイリッシュ過ぎるのでは』という声もいくつかいただきましたが、舞台ならではの0013を見せられるようにがんばります！」と意気込んだ。

会見では植木が、前作で感じた七海の印象を語るひと幕も。植木は「最初は厳しい方かと思っていましたが、実際はとても優しくて、みんなを愛の力で引っ張ってくださる方だったので、ヨカッタ！と思いました。（撮影OKの）カーテンコール中に客席に降りた七海さんを観客の方が撮影した動画がSNSで拡散されているのを家で見ながら、こんなに本気でやっている役者がいて、幸せだなと涙を流しました。お客さんのことを愛している七海さんの姿が、島村ジョーの姿と重なった」と大きな信頼を寄せた。

舞台「サイボーグ009 -13番目の追跡者-」は11月14日から24日まで品川プリンスホテル ステラボールで上演される。チケットの一般販売は9月20日10:00にスタート。また既報の通り、第1弾の舞台「サイボーグ009」が8月19日23:59まで公演の公式YouTubeチャンネルで無料配信されている。

舞台「サイボーグ009 -13番目の追跡者-」

2025年11月14日（金）〜24日（月・振休）
東京都 品川プリンスホテル ステラボール

スタッフ

原作：石ノ森章太郎
脚本：亀田真二郎
演出：植木豪

出演

009 / 島村ジョー：七海ひろき
001 / イワン・ウイスキー：天華えま（声の出演）
002 / ジェット・リンク：高橋駿一
003 / フランソワーズ・アルヌール：音波みのり
004 / アルベルト・ハインリヒ：里中将道
005 / ジェロニモ・ジュニア：桜庭大翔
006 / 張々湖：酒井敏也
007 / グレート・ブリテン：川原一馬
008 / ピュンマ：Toyotaka
スカール：中塚皓平
0012：野々花ひまり
0013：後藤大
アイザック・ギルモア：大高洋夫

BG SOLDIERS

HILOMU / Dolton / KENTA / GeN / 加藤貴彦 / 神谷亮太 / 佐久本歩夢 / 石田創

※石ノ森章太郎の「ノ」は約60%縮小が正式表記。